犬が病気・ケガをした|応急処置の仕方を学ぶVol.2

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防ごうとしても防ぎきれないこともあるのがワンちゃんのケガ。飼い主さんの適切な応急処置が、ワンちゃんの早い回復に繋がることもあります。

 

この記事では、ワンちゃんによくあるケガだけでなく、手術後のトラブルへの応急処置も紹介しています。ケガをした時はワンちゃんがパニックになってしまうことも。飼い主さんが冷静に対応してあげられるよう、応急処置の方法は頭の隅に置いておきましょう。

ドアでしっぽを挟んで出血した時の応急処置

室内のケガで多いのは、ドアにしっぽを挟んでしまうケガです。しっぽはよく動かす部位のため、なかなか止血ができなかったり、再出血してしまったりします。しっぽから出血した際は、止血だけでなく、固定するのがおすすめです。

 

ワンちゃんのしっぽの止血方法

しっぽの場合も止血方法は、他の部位と同じです。

1.汚れている場合は水道水で汚れを洗い流す

2.清潔なガーゼなどでおさえながら、指先でゆっくり圧迫する

※止血剤があるなら、塗ってから圧迫する

 

浅い傷であれば、5分程度で出血は止まるはずです。傷の深さがよく見えない場合は、ケガした部位の毛を刈って露出させましょう。出血が止まらなかったり、傷が深かったりする場合は、次項で紹介するしっぽの固定方法を実践してから病院に連れていきます。

ワンちゃんのしっぽの固定方法

止血に成功しても、かさぶたが剥がれて再出血しやすいのがしっぽです。ワンちゃんが傷口を舐めてしまうのを防ぐためにも、しっぽを固定しましょう。

 

1.(出血がまだある場合)ガーゼや包帯でケガの部位を覆う

2.しっぽを胴体にくっつけて、包帯でぐるぐる巻いて固定する

 

傷が深い場合は、病院での縫合や血管の先端を焼いての止血が必要になります。なかなか止血できない時は、早めにお医者様に診ていただきましょう。

 

ドアでのケガを避ける方法

屋内でのケガは、飼い主さんの工夫で防げます。ワンちゃんなどのペット用品だけでなく、時にはベビーグッズも、ワンちゃんの安全対策に有効です。バタン!と急激にドアが閉まるのを防ぐクッションやストッパーは、いまや百円ショップでも手に入ります。

 

飼い主さんの一工夫で、ワンちゃんのケガの原因を取り除いてあげましょう。

 

肉球にトゲが刺さった時の応急処置

お散歩中によくあるのが、肉球にトゲが刺さるトラブルです。木のトゲだけでなく、折れ曲がったくぎや先の尖った石、海辺や川辺では釣り針などによってケガすることもあります。室内では、画鋲やホッチキスの針などもケガの原因です。

 

1.肉球の傷を確認する

2.トゲなどをトゲ抜きでゆっくり引き抜く

※釣り針は「かえし」があるため、そのまま引き抜いてはいけません。ペンチでかえしを切り取ってから、曲線に沿ってまわすように引き抜きます。

3.傷口を流水で洗い流す

4.(あれば)抗生物質の軟膏を塗る

5.傷口をガーゼで覆って包帯で固定する

※足先だけ包帯を巻くと取れやすいため、足首の上まで巻きます。

 

刺し傷は表面から見えない部分にまでばい菌が入り込むこともあります。肉球は回復にも時間がかかるため、応急処置をしたあとは念のために病院に連れていきましょう。屋外でのケガは完全には避けられないため、お散歩グッズにトゲ抜きを入れておくと安心です。

 

手術後の縫い目を解いてしまった時の応急処置

縫合を伴う手術をした後は、服やエリザベスカラーなどを装着して、傷口に触れないようにする必要があります。縫合後に傷口がくっつくには、最低でも3日かかります。それ以前に縫い目がほどけてしまうと、回復への時間が延びるばかりでなく、化膿する恐れも出てくるのです。

 

たとえ開腹手術後であっても、何層にも渡って縫っているため、表面の糸が解けただけで中のものが出てくることはありません。縫い目が解けてしまっても、慌てずに患部に汚れがつかないようにしましょう。一番避けたいのは、ワンちゃんが傷口を舐めること。化膿の原因になるため、すぐに患部を覆う必要があります。

 

1.清潔なガーゼなどをキズにあてる

2.包帯や服などでしっかり固定する

3.病院に連れていく

 

手術後が患部を気にするワンちゃんが多いため、不自由はありますがエリザベスカラーや洋服の着用は徹底しましょう。

まとめ

ワンちゃんは、ケガをしたからといって安静にするのは困難です。嫌がるワンちゃんもいますが、ケガの早期回復のために固定が必要な場合もあります。

 

ワンちゃんのケガは、キズの深さや痛みの程度がわかりづらいもの。応急処置グッズを備えておくだけでなく、特に室内でのケガは飼い主さんの工夫で避けてあげましょう。