飼い主さんの心配事のひとつに、ワンちゃんのケガや病気があげられます。お散歩中や自宅で過ごしているときに、思いがけないケガにみまわれたり、急な体調不良や病気になったりすることも、めずらしくありません。
万が一のときにそなえて、ワンちゃんを動物病院やかかりつけ医に連れていく前にできる、応急処置の方法を確認しておきましょう。
ワンちゃんのケガや病気によって、応急処置の方法は異なります。正しい応急処置のやり方を知って、不測の事態への準備が大切です。
目次
ペットが外傷性ショックで痙攣(けいれん)したときの応急処置
ワンちゃんが突然、痙攣を起こしたとき、驚いて焦ってしまう飼い主さんは少なくありません。ワンちゃんの痙攣は、命にかかわる可能性もある危険な症状です。ワンちゃんを病院に連れていく準備をしているあいだに、飼い主さんができる応急処置の方法を解説します。
ペットに起きる痙攣はどんな症状?
痙攣は、意識外で筋肉が大きく収縮する動作です。足をバタバタさせる、全身をガタガタとふるわせる、体を背中側に反り返すなどの動きがみられます。また、大量にヨダレや排泄物をだすなどの症状がみられる場合もあります。
犬が痙攣を起こした時の応急処置方法
交通事故をはじめとする外傷性ショックでワンちゃんが痙攣を起こしたら、すぐに動物病院やかかりつけ医に連れていく手筈をととのえましょう。病院に到着するまでに、飼い主さんができる応急処置を説明します。
- 頭を床や壁などの固いところに打ちつけないように、保護をしたり、ぶつかると危険なものをワンちゃんから遠ざける
- ワンちゃんに噛まれる危険性があるため、顔の周りに手を出さない
- 痙攣中は体温が上昇するため、周囲を涼しくする
- 40度以上の熱があるようなら、ワンちゃんの体に水をかけて体を冷やす
- 痙攣の時間を正確にチェックして、痙攣中の様子を動画にとる
- 痙攣後の様子もしっかり観察しておく
ワンちゃんの痙攣は、平均して2~3分、長くても5分以内におさまります。5分以上痙攣が続く場合は、ケガや噛みつきに注意して、そのまま病院へ連れていきましょう。
ペットが熱射病になったときの応急処置
熱射病は人だけでなく、ペットのワンちゃんにも起こりうる病気です。ワンちゃんが熱中症になったときに、飼い主さんができる応急処置の方法を解説します。
犬は人よりも熱中症になりやすい
ワンちゃんは、全身で汗をかいて熱を下げられる人と違い、口呼吸でしか熱をさげられません。そのため、人よりも熱中症になりやすく、暑い夏の日の散歩や運動後は体温が上がってしまい、熱中症になる確率もあがります。
犬が熱中症になったときの応急処置
ワンちゃんが熱中症になってしまった場合、体温は40度以上にあがっています。そのため、ワンちゃんの体温を下げることを最優先させましょう。
ワンちゃんの体温を下げる方法
- ワンちゃんに冷たい水を飲ませる
- 木陰や風通しのいい場所に連れていく
- 冷たい水で濡らしたタオルをかけて、体全体を冷やす
- 水飲み場やお風呂場に連れていき、冷たい水をかけ続ける
- 保冷剤で、ワキや首、股関節を冷やす
ワンちゃんの体は冷やしすぎも注意
ワンちゃんが熱中症になった場合、体の冷やしすぎにも注意が必要です。体を冷やしすぎると、体を温めようとして、血管の収縮や震えが起こります。ワンちゃんの熱をはかれるときは、38度以下にならないように気をつけましょう。
ペットの繰り返す嘔吐!応急処置の方法は?
ワンちゃんは人と比べて、嘔吐が多い動物です。しかし、慢性的に嘔吐の症状がでると飼い主さんは心配でたまらなくなるでしょう。
嘔吐を繰り返すワンちゃんに飼い主さんが自宅でできる応急処置を解説します。
犬が繰り返し嘔吐をする原因
ワンちゃんは、一度だけ吐く場合と、何度も繰り返して吐く場合は、原因が異なります。
ワンちゃんが嘔吐を繰り返す場合、誤飲や、中毒症、ウイルス性感染症など、トラブルや病気の可能性があります。
犬が繰り返し吐き戻すときにできる応急処置
ワンちゃんが嘔吐を繰り返してしまう場合は、動物病院に早めに連れていきましょう。病院に連れていくまでに、飼い主さんにできる応急処置を解説します。
- ワンちゃんが吐いたものの写真を撮る
- 吐しゃ物を持って動物病院に行く
- 嘔吐の様子を動画に撮影する
- 嘔吐を引き起こしてしまうため、無理に水分をとらせない
- 吐しゃ物がつまらないように、ワンちゃんの様子を見る
ペットの突然のトラブルや病気にあせらないために
ワンちゃんの体調が突然悪くなったり、散歩中にケガをした場合、はやめに動物病院に連れていく必要があります。
動物病院への移動中や、病院へむかう準備中に飼い主さんができる応急処置の方法を確認しておきましょう。