犬の散歩コースを決めるのは、基本的に飼い主さんであるべきです。しかし、毎日同じ道ばかり散歩させていると、犬はコースを覚えてしまいますよね。これでは飼い主さんがコースを決めているとは言えません。
となると、散歩のコースは頻繁に変えるべきだ、という話しになるところですが…。
ここではちょっと視点を変えて、愛犬がお散歩コースを決めることについて考えてみたいと思います。
目次
愛犬が本当に行きたいお散歩コースを知っておこう
そもそも、犬にとってお散歩とはどのような時間でしょうか。
- 外界にあふれている様々なにおいや音の情報に触れる
- いろいろな地面の感触を楽しむ
- 知らない人や犬とすれ違うことでワクワクしたりドキドキしたりする
- 適度に体を動かして運動不足を解消する
犬はお家の中という、あまり変化の起こりにくい空間で長い時間を過ごしています。だからこそ、外へ出るお散歩は気持ちが浮き立つような時間のはず。
ところが犬の散歩コースが定番化してしまうと、精神的な刺激がどんどん得られなくなっていきます。その結果、お散歩の時間は単なる運動不足解消と排泄の時間へと変わることに。
だからこそ、一度愛犬にお散歩コースを決めさせてみると、いろいろなことに気づけますよ!と言っても「今後はずっと愛犬の好きなように歩かせたほういい」という話しではありません。
お散歩で外へ出た愛犬がどんなことに興味を持つのか、どんな場所は嫌がるのかを知るために、あえて愛犬にお散歩コースを決めさせてみるのです。
愛犬はお散歩コースの何に強く反応している?
まずは、いつもとまったく違うルートを選択します。一度も通ったことのない道や滅多に行かない場所があるなら、あえてそこへ連れ出してみましょう。定番のルートに慣れていたワンちゃんは戸惑うかもしれません。
しかし、しばらく歩いていると、ワンちゃんは興味の対象を見つけるはず。飼い主さんはひたすら観察に徹してください。
近づくと危険、あるいは明らかに汚染されたものでない限り、においを嗅ぎたいだけ嗅がせてあげましょう。また、ワンちゃん自身が嫌がったりよけたりするものにも注目。すると、愛犬の好みの傾向がだんだんと見えてくるのではないでしょうか。
- 道の左端から右端へ急に移動したのはなぜ?
- 突然立ち止まった理由は?
- 犬に吠えられた時の反応は無視?それとも驚いた?
- 自動車や自転車とすれ違う時は上手にやり過ごせた?
- 人や犬とすれ違うときの様子は?
- においを熱心に嗅いだ場所と興味を示さなかった場所の違いは?
- 舗装した道路、砂利道、土の道など、地面の違いで歩き方は変化した?
- 知らない道を歩くことを楽しんでいる?それとも怯えている?
1回や2回ではなかなかリサーチしきれません。しかし、毎回ルートを変えて何度か試していると、どのような状況なら愛犬の好奇心を満たしてやれるのか、だんだん理解できるようになるはずです。
定番のお散歩コースは飼い主さんが歩きやすい道だった?
もしも愛犬が好きなように歩いたお散歩コースが、飼い主さんにとって歩きにくい道だったとしたら…。マンネリ化していたいつものお散歩コースは、ひょっとしたら飼い主さんにとって「都合のいい道」だったのかもしれません。
車通りの少ない道は愛犬の安全を確保しやすいし、きれいな舗装路は悪天候でも歩きやすいですよね。でも人通りが少ないから排泄させやすい、と思ったことはありませんか?あるいは愛犬の足が土で汚れるのが嫌だから、土の上を歩こうとしたワンちゃんを引っ張って戻したことは?
こんな風に考えてみると、これまで深く考えずに歩いていた犬のお散歩コースは、無意識に飼い主さん自身の歩きやすさを前提に決めていたのかもしれません。
お散歩コースに潜む危険は飼い主が見分けて新たなルート作りを
愛犬が好奇心をそそられるものがわかったら、新たなお散歩コースにはそのエッセンスを取り入れてあげましょう。
- 草の上を歩くと楽しそうだったので川沿いの土手道をコースに取り入れる
- 道沿いの電柱や街路樹の根元は気が済むまで嗅がせることにする
- 幼児の甲高い声が苦手そうなので保育園の横の道はパス!
散歩コースの注目ポイントが決まったら、数パターンはルートを作ってあげましょう。お住まいの立地的に難しい場合は、ルートを逆回りするだけでも新鮮味が加わるはずです。
ただし、ルート上に危険な箇所がないかは飼い主さんが見分けてあげましょう。
- 車通りが多い道なのに歩道がない
- ゴキブリ駆除のホウ酸団子やネズミ駆除の毒餌を道端で見かけたことがある
- 家の前を通ると狂ったように吠えたてる大型犬がいるので怖い
こういった道は犬のお散歩コースに取り入れるには不安があります。できるだけ危険な要素を事前に排除したうえで、新たなお散歩コースを作り出しましょう!
まとめ
犬にとってのお散歩は、耳や鼻に新たな刺激を受けながら、適度に体を動かせる楽しい時間です。毎日のお散歩がウキウキしたものになれば、ワンちゃんは心も体も活性化されて、いつまでも若々しくいられるはず。
愛犬の長生きは、楽しい毎日が積み重なっていくものなんですよね!