メスのネコちゃんを家族にむかえた場合、避妊手術をさせるか悩みますよね。外にふらっと遊びに出かける習性のネコちゃんは、飼い主さんが気づかないうちに、妊娠をさせられてしまう危険性がつきまといます。
メスのネコちゃんの避妊手術は、望まない妊娠を避けるだけでなく、病気の予防や、発情期によるストレス軽減などのメリットも。
ネコちゃんの避妊手術が重要とされる理由と、避妊手術の方法や流れを解説します。
目次
猫の避妊が大切な3つの理由
メスのネコちゃんの避妊が必要な理由には、望まない妊娠の回避、発情期のストレスや異常行動の軽減、病気の予防の3つです。
望まない妊娠で生まれてくる子猫を増やさないため
ネコちゃんは、交尾の刺激で排卵がおこなわれるため、交尾をすると高確率で妊娠をしてしまいます。ネコちゃんは、飼い主さんの知らないうちに、見ず知らずのネコと交尾をして妊娠をしてしまう可能性も考えらえるでしょう。
ネコちゃんの妊娠期間は2か月と短いため、飼い主さんが妊娠に気づかないうちに、子猫を産んでしまうことも。外で産んでしまった場合、ネコちゃんたちは、野良猫として殺処分される運命にあります。
望まない妊娠は、生まれてくる新しい命を奪うことにもなりかねないのです。
発情期に猫がかかえるストレスや異常行動をなくすため
メスのネコちゃんは春から夏にかけて一年に2回から3回の頻度で、発情期をむかえます。発情期になると、ネコちゃんはオスのネコちゃんを呼ぶために大きな声で鳴いたり、外へ出たがったり、おしっこをかけるスプレー行動したりと、普段とは違う行動がみられるように。
普段と違う興奮状態のネコちゃんは、外で思わぬケガや事故にあってしまう可能性も高くなります。また、発情がストレスになり、体調を崩してしまうことも。
避妊手術をおこない発情自体を無くすと、同時に発情にともなう異常行動やストレスも無くなります。
病気の発症を予防するため
卵巣や子宮など生殖器の病気は、ネコちゃんの年齢があがるにつれて発症する確率が高くなります。避妊手術で、卵巣や子宮を摘出することで、卵胞嚢腫(らんぽうのうしゅ)や子宮蓄膿症などの生殖器疾患を予防が可能です。
また、ホルモンの影響を受けなくなるため、乳がんをはじめとする乳腺腫瘍の発症リスクも低下します。
外で知らないオス猫に妊娠させられる危険
ネコちゃんの避妊手術をおこなわないと、飼い主さんが知らないうちに、見知らぬオスのネコちゃんに妊娠させられてしまう場合があります。
知らない猫と交尾をしてエイズ感染症がうつる危険がある
ネコちゃんが交尾で感染してしまう病気のひとつに、猫エイズウイルス感染症があります。見知らぬネコちゃんが猫エイズウイルス感染症のキャリアであった場合、交尾でうつされてしまう危険性があるのです。
猫エイズウイルス感染症は、発熱や下痢、リンパ節の腫れなどの症状が出る急性期と、10年ほどの無症状のキャリア期を経て、猫エイズウイルス感染症を発症します。その後は、貧血や腫瘍、著しい体重減少を起こし、数か月で命を落としてしまいます。
室内飼いでも、外からオス猫が侵入することも
外に出なければ見知らぬオスのネコちゃんと交尾をする危険性がないと、室内でネコちゃんを飼っている飼い主さんは安心されるかもしれません。
しかし、オスのネコちゃんが勝手に入ってきてしまったり、発情期に、オスのネコちゃんと交尾したくて脱走してしまったりする場合も。そのため、ネコちゃんは室内飼いであっても、知らないネコちゃんに妊娠させられる危険性があるのです。
猫の避妊手術の方法を解説
ネコちゃんの避妊には、動物病院での手術が必要です。ネコちゃんの避妊手術の流れや方法を解説します。
避妊手術までの流れ
ネコちゃんの避妊手術は、発情期が来る前の生後半年ごろにおこなうのが一般的です。ネコちゃんの避妊手術は全身麻酔をかけておこなわれるため、手術の前日12時間前から絶食が必要です。
避妊手術の方法は、生殖器の摘出手術
ネコちゃんの避妊手術は、おなかを開けて生殖器を摘出する開腹手術と。傷が小さく目立たない、腹腔鏡手術があります。どちらの方法で手術をおこなうかを、事前にかかりつけ医や動物病院に確認しておきましょう。
避妊手術の場合、卵巣と子宮を一緒に摘出する方法が一般的です。しかし、若いネコちゃんの場合は、卵巣のみを摘出する場合もあります。
猫の避妊手術は望まない妊娠だけでなく、病気やケガ、ストレス軽減にも有効
ネコちゃんの避妊手術の効果は、望まない妊娠や、望まれない子ネコちゃんの誕生を防げるだけではありません。発情期に起こりうる異常行動の防止やストレスの軽減にも避妊手術は有効です。
知らないネコちゃんと交尾をして、病気を移されてしまう心配からも解放されるでしょう。
ネコちゃんが快適にすごせるために、避妊手術を検討してくださいね。