保護猫をペットに迎え入れる覚悟について考えよう

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最近になって「保護猫」という言葉を、耳にすることが増えてきました。ブリーダーやペットショップからネコちゃんを購入するということを控え、あえて保護猫を迎え入れようかと考える人が多くなってきている傾向です。

 

ネコちゃんはひとつの命を持った、生き物です。ペットショップでお金を出して、命を単に「買う」よりも、いろんな背景を持った保護猫を引き取って育てるほうが、ネコちゃんのためになるという考え方もあります。

保護猫ってどんな猫?どんな経緯で保護猫になるの?

保護猫とは、読んで字のごとく「保護をされた猫」のこと。決まった飼い主さんがいないネコちゃんのことです。まだ生まれたばかりのような小さな子猫もいますし、年をとった老猫もいます。

 

保護猫となってしまった経緯は、そのネコちゃんによってさまざまです。野良として外で生きていた猫、飼い主さんから捨てられた猫、飼育放棄された猫、飼い主さんを亡くしてしまった猫、迷子になった猫、多頭飼育崩壊やブリーダー崩壊によって飼い主さんがいなくなってしまった猫、行政の殺処分センターに持ち込まれてきた猫…。実にさまざまな、つらい過去や複雑な事情を背負っています。

 

保護猫とはどんな場所で出会えるの?

昨今では、ペットを飼いたいという人々の意識が変わっきています。ペットショップでネコちゃんを購入するくらいなら、保護猫を引き取って、一匹でも多くの命を殺処分から救ってあげたいという考え方の人が増えてきました。それでは、そんな事情を持った保護猫とは、どんなところに行けば出会うことができるのでしょうか?

 

保護猫と出会える場所は、実はたくさん存在しています。まず、保護猫活動をしている団体が開催している「譲渡会」です。子猫から成猫まで、たくさんの保護猫が、一生の飼い主さんになってくれる人との出会いを待っています。

 

譲渡会にいる保護猫たちは、保護猫団体の「預かりスタッフ」が一定の期間預かって、人と生活をすることにある程度順応させてくれている場合がほとんど。そのため、そのネコちゃんが保護猫となってしまった経緯、人馴れ具合、好みのペットフードやおやつ、性格や個性など、気になることを聞くことも可能です。

 

また、インターネットの里親募集サイトやTwitterやインスタグラムなどのSNSで里親を探している人から、保護猫を引き取るということもできます。募集をかけている側にもいろんな人がいて、拾って保護したもののペット不可住宅で飼うことはできない人、経済面での困窮で飼うことができなくなった人、結婚や引っ越しなどの環境の変化で飼いきれなくなった人などなど…。さまざまなです。

 

近年増えてきている「保護猫カフェ」で、運命のネコちゃんと出会う飼い主さんもいます。通常の猫カフェは、純血種のネコちゃんとその場で触れ合うだけ。しかし保護猫カフェにいるネコちゃんは、みんな保護猫です。そして、保護猫カフェにいるネコちゃんは、新しい飼い主さんを探している子たちになります。

 

おもちゃで遊んであげたり触れ合ったりすることで、そのネコちゃんと自分との相性を見ることができます。引き取りたいくらい気に入ったネコちゃんが見つかったら、保護猫カフェのスタッフさんとお話をしてみましょう。

 

ペットショップにいる猫とはどう違う?

ペットショップで売られているネコちゃんは、ブリーダーが繁殖させた子たち。ペットショップにいる純血種のネコちゃんも、もちろん可愛らしいです。提示されている金額を支払うとすぐにでも自宅に連れて帰ることができます。しかし、命あるものに人間が値段をつけることに疑問を持つ人も。すでに諸外国では、ペットショップでの生体販売を法律で禁じている国も、たくさんあります。

 

一方、保護猫のほとんどはミックス猫(雑種)です。中にはペットショップで買ったものの、飼いきれなくて飼育放棄されてしまったような、純血種のネコちゃんもいます。

 

いずれにしても、保護猫はいろんな事情を持っている子ばかり。前の飼い主さんから捨てられたり虐待をされていたような、つらい過去を持つネコちゃんは、心に大きなトラウマを抱えています。そのため、なかなか人に懐くことができない子もいるでしょう。

 

更には目の見えない子、足がない子、治らない病気にかかっている子なども。しかしどの保護猫も、本当に可愛いネコちゃんです。多少手がかかるとしても、一緒に暮らしているうちに、その子の個性のひとつとして、受け入れられるでしょう。

 

まとめ

保護猫をペットに迎え入れるのは、ある程度の覚悟と意識が必要です。譲渡条件が厳しくて、すぐには引き取れるネコちゃんが見つからないということもあるかも知れません。

 

特にお子さんのいるご家庭では、ぜひ保護猫を迎えるということも視野に入れてください。さまざまなつらい過去を持つ保護猫の命を救えたという経験は、お子さんにとって価値がある経験になるはずです。

 

保護猫は、保護をされなければ命を失っていたり、一生幸せになることができなかったりしたネコちゃんたち。そんな保護猫を家族の一員として迎え入れるということは、お金には代えられない素晴らしい行動ではないでしょうか。