ワンちゃんがケガをすると、飼い主さんだけでなくワンちゃん自身がパニックになってしまうことがあります。落ち着いて応急処置をするためには、基本的な知識とケガの手当に使えるグッズを備えておくのが一番です。
この記事では、ケガの応急処置の方法だけでなく、傷口の洗浄に使える生理食塩水の作り方についても紹介しています。いざという時に慌てないため、日頃から備えておきましょう。
目次
犬がケガをしたら①まずは噛みつきを防ぐ
ケガをしたワンちゃんは、いつもより攻撃的になります。さらなる痛手を負わないよう、本能的にそうなるのです。普段は大人しいワンちゃんでも急に噛みつくこともあるので、応急処置の前には口輪をつけましょう。
唸ったり噛みつきそうな態度をとったり、手に負えないように感じたら、毛布やタオルを被せて病院に連れていきます。くれぐれも無理をしないようにしましょう。
口輪が無い時の対処法
口輪が無い場合は、リードや柔らかいロープで鼻から口先の部分を巻き、耳の後ろで結んで固定します。鼻先が短いワンちゃんは、タオルで口元を巻き耳の後ろで固定しましょう。いずれの場合、紐やタオルを首に巻き付けないように注意が必要です。
犬がケガをしたら②患部の清潔を確保する
患部の清潔を確保するのが、ケガの早期回復には重要です。傷口を綺麗にするだけでなく、ワンちゃんが患部を舐めるのも防ぐ必要があります。ワンちゃんには傷口を舐める習性があるため、舐めないように患部を保護するまでを応急処置だとみなしましょう。
ワンちゃんがケガをした時の応急処置の流れ
1.患部の毛を刈って傷を確認
ケガの部位の毛を刈ることによって、傷の状態を確認できます。また、毛についた汚れによる患部の化膿や毛が傷口を刺激するのを防ぐことも可能です。患部の経過観察は数日から数週間必要になるため、毛を刈っておくと毎日スムーズに行えます。
2.水で汚れを流して止血
患部を露出させたら、傷口の汚れを洗い流します。ぬるめの水でも問題ありませんが、痛みを感じにくい生理食塩水で洗い流すのがおすすめです。温水1カップに小さじ2杯の塩を入れ、塩が溶けるまでかき混ぜたら完成。傷口に優しくかけて洗浄しましょう。
こびりついた泥などの汚れが気になる場合は、ガーゼで擦らずにトントンと優しく叩いて落とします。
患部を清潔なガーゼやコットンで覆って、指で優しく抑えて止血します。市販の止血剤を使うのもおすすめです。
止血ができなかったり、他の動物に噛まれた場合はすぐに病院に連れていきましょう。動物の口内には多くのバクテリアがいるため、感染症に繋がる恐れがあります。傷口の深さに関わらず、必ず受診しましょう。
3.エリザベスカラーや包帯で傷舐めを防ぐ
傷口を舐めるのは、痛みや痒みを和らげようとするワンちゃんの習性です。しかし、ばい菌によって化膿したり、舐め過ぎによって傷口が広がったりすることもあります。患部が安定するまでは、エリザベスカラーでワンちゃんの行動を制限したり、包帯などで患部を覆いましょう。
包帯で患部を覆う際は、下に皮膚にくっつかないガーゼを使うと、取り替える際の痛みが少ないのでおすすめです。
犬がケガをしたら③人間の消毒液は「絶対に」使わない
ワンちゃんのケガの手当で、消毒液が用いられている記事はたくさんあります。しかし、人間用のオキシドールなどの消毒液は絶対に用いてはいけません。ワンちゃんは人間より痛みに敏感。刺激の強さで、暴れてしまう危険性があるのです。
また強すぎる消毒液は、皮膚に必要な菌や細胞にまでダメージを与えます。傷の治りを遅くする原因ともなるため、最近では通常のケガ程度では消毒液を使わないお医者様もいます。
もしケガの患部が清潔かが気になるなら、うがい用イソジンを希釈したものを使用します。傷口の色味など患部の状態に不安があれば、自己判断はせずにお医者様の指示を仰ぎましょう。
まとめ
ワンちゃんがケガをしたら、飼い主さんの応急処置が重要となります。パニックになるワンちゃんを落ち着かせつつ、スムーズな応急処置をするには日頃の備えが重要です。人間とワンちゃんでは、応急処置グッズも異なります。ワンちゃん用の処置グッズも箱やカバンにまとめておくと便利です。
・混乱したワンちゃんに噛まれないよう対策する
・患部を清潔にする
以上の2点を抑えれば、応急処置としては十分です。傷が深い場合や他の動物に噛まれた場合には、応急処置後にお医者様に診てもらいましょう。