室内犬は家の中で動き回っているから、お散歩はあまり必要ない――という考え方は間違っています。犬のお散歩は運動することだけが目的ではありません。体を動かすことはお散歩の目的の一つですが、精神面を健やかに保つことも散歩の目的として重要です。
とは言え、室内犬をどの程度お散歩させればいいのか、散歩の後の衛生面はどうすればいいのかなど、改めて考えてみると、実はわかりにくいことがたくさんありますよね。
目次
大型犬だけじゃない!小型の室内犬にもお散歩は必要
室内犬と一口に言っても、犬のサイズは超小型犬から超大型犬までと様々です。室内犬として飼っていても、超大型~中型ぐらいまでのサイズなら、毎日のお散歩が日課になっているのではないでしょうか。
ところが、小型犬と超小型犬の飼い主さんは、時として犬のお散歩を後回しにすることがあるようです。もちろん、単純に「体を動かす」ということだけなら、家の中を走り回るだけでも、体が小さな室内犬には十分かもしれません。しかし、犬の散歩は体を動かすとともに、犬にとっては情報収集や新しい発見など、精神的な充足を得る場でもあるのです。
家の中の環境は、一年を通してあまり大きな変化はありませんよね。しかし一歩外に出れば、目の前に広がる世界は毎日変化の連続です。
風で運ばれてくるにおい、通り過ぎる車や自転車、行き交う人や他の犬など、そのすべてが犬にとっては新鮮な情報です。ワクワクしたり驚いたりすることが、犬の好奇心を刺激してくれるからこそ、犬はお散歩が大好きなんですよね。
だからこそ、サイズに関係なく室内犬にも毎日のお散歩は必要です。もちろん、適切な散歩の時間には違いがあり、小型犬は大型犬ほど長い時間歩かせる必要はありません。犬種や年齢によって違いはありますが、小型の室内犬は毎日20~30分程度お散歩に連れ出せば十分です。
お散歩のあと犬の足は拭いたほうがいい!でも洗いすぎはNG
室内犬をお散歩させた後、家に上げる前にどの程度足をきれいにすればいいか迷いますよね。何もせずにそのまま家に上げるツワモノの飼い主さんもいますが、衛生面を考えると多少なりとも拭いたほうがいいですよ!
毎回きれいに水やお湯で洗い流せばきれいに汚れは落ちますが、洗いすぎは犬の肉球を傷めるのでNG!濡れたまましっかり乾かさないと、蒸れて雑菌などがわきやすくなり、皮膚病の原因になることもあります。
お散歩のあと犬の足をどの程度きれいにするかは、汚れの程度によって変えましょう。
- 目に見える汚れがない、あるいはわずかにホコリがついた程度
→ 硬く絞った濡れタオルや、ペット用のウェットティッシュで足先を拭く
- 雨天などで足がドロドロに汚れている
→ 犬の足をしっかり水洗いしてからよく乾かす
愛犬の足の裏をきれいにしようとするあまり、ゴシゴシ拭いたりガシガシ洗いすぎると、肉球の傷や炎症の原因になるのでやめておきましょう。清潔にしようとするあまり、毎回シャンプーをつけて犬の足裏を洗う飼い主さんもいるようですが、肉球のバリアを弱めることになるので逆効果です。
爪の間に入り込んだ泥汚れがとれない時や、何か不衛生なものを踏んでしまった時はきれいに洗ったほうがいいですが、その時も強く擦るような洗い方はNG。犬の足の裏は実はとてもデリケートです。
ウンチをしても犬のお尻はあまり汚れない
お散歩から帰ってきた犬の足は適度にきれいにしたほうがいいですが、トイレの後はどうでしょうか。衛生面を考えると、足以上に肛門や陰部をきれいにしたほうがいいように思えますが、実はそうではありません。
そもそも、犬がウンチをしたあとの肛門は、さほど汚れて見えませんよね。たまに「ウンチの切れが悪いな!」ということはあっても、すっきりウンチをした後の肛門はきれいなまま。
これは、犬のように四足歩行の動物の肛門は、そもそもウンチが出しやすい作りになっているからです。人間の肛門ほど筋肉が発達していないので、かえって楽に排泄できるんですね。つまり、犬の肛門はお腹が緩かったり下痢をしているのでなければ、毎回拭く必要はないのです。
むしろ、あまり拭きすぎると肛門に傷がつき、可哀想なことになりますよ!どうしても肛門の汚れが気になるときは、ペット用のウェットティッシュなどで軽くポンポンと叩く程度で十分です。
陰部の汚れも同様ですが、オシッコが飛び散ってお腹や内股に付着している場合は、早めに拭き取ってあげましょう。悪臭を防止するだけではなく、皮膚病を防ぐ効果が期待できます。
まとめ
室内犬と幸せに暮らすなら、不潔はよくありませんが、潔癖すぎるのもNGです。お散歩のあとに足をきれいにするのも、トイレの後にお尻をきれいにするのも、すべて「ほどほど」が最適。私たち人間が思っているほど、実は犬の足もお尻も汚れていません。