動物保護団体からネコちゃんを譲渡してもらった飼い主さんはもちろん、大のネコちゃん好きな人なら「保護猫のために何か力になりたい!」と一度は考えるものです。
保護猫に関わるボランティアの種類は、たくさんあります。この記事では代表的な3つの保護猫ボランティア活動と、その内容をご紹介します。
目次
預かりボランティア
保護団体でボランティア活動をするというと、真っ先に思い浮かぶであろう、預かりボランティア。保護したばかりのネコちゃんを自宅で一時預かりして、トイレトレーニングをしたり、人慣れ訓練をさせたりするボランティア活動です。
子猫を預かった場合には離乳食作りや、離乳をさせながらドライフードが食べられるまでに育て上げなければなりません。また、風邪や病気にかかっている状態でネコちゃんを預かったとしたら、病院に連れて行ったり、投薬や目薬をさすなどの処置をしたり、手間も時間もかかります。
しかし、なかなかネコちゃんをペットとして迎え入れることが難しいような人でも、預かりボランティアならばできるということもあります。例えば一人暮らしの人や、高齢者だけの家庭でも、預かりボランティアならさせてもらえることも多いのです。
ネコちゃんを飼いたいけれど飼えないという状況の人でも、まずはじめられるボランティア活動としては、預かりボランティアという選択肢があります。
預かったネコちゃんの医療費やフード、猫砂などにかかる費用は、保護団体が支払ってくれる場合がほとんど。ただし、ネコちゃんが預かりボランティアの家の家具やカーテンなどに爪で傷をつけたり、トイレを失敗して床のカーペットを汚してしまったりしても、多くの場合は自己負担になってしまいます。保護団体に弁償してくれと申し出るような預かりボランティアは、かなり少ないでしょう。
ミルクボランティア
保護団体は、生後間もない赤ちゃん子猫を保護することもよくあります。本来ならば子猫はママ猫の母乳を飲んで大きくなるのですが、生まれてすぐにママ猫に育児放棄されてしまうネコちゃんも。
また、外飼いをしているペットのネコちゃんが自宅で出産してしまったからといって、子猫を捨ててしまうような無責任な人も、悲しいですが少なからず存在するのです。
こういったときには、ミルクボランティアの出番です。生後間もない子猫は、2~3時間おきに哺乳瓶でミルクを与えないと、 死んでしまいます。それに生後2週間くらいまでは、排泄のお手伝いをする必要性もあり、ミルクボランティアの存在は欠かすことはできません。
ネコちゃん好きな人なら、一度くらいはミルクボランティアに憧れるのではないでしょうか。小さく可愛らしい子猫の時期に、そばについて面倒を見られるなんて、まるで夢のようなボランティアに見えます。
しかし、現実はそう甘くはありません。2~3時間おきにミルクを与えるということは、どんなに疲れている日でも、自分だけゆっくり眠ることは不可能。また、会社勤めの人にとっても、どう考えても難しいボランティア内容になります。
現実的には、専業主婦の人や時間が自由になる在宅ワークの人しか、ミルクボランティアはできないということに。「子猫はかわいい!子猫のためなら頑張れる!」という気持ちだけでは、ミルクボランティアはできないのです。
譲渡会場スタッフのボランティア
さて、ミルクボランティアから預かりボランティアの手を経て、小さな命のバトンリレーは続きます。
最後にバトンを渡すべき人はもちろん、生涯にわたって保護猫の面倒を見てくれる、里親さんです。里親さん候補の人たちは、保護団体が運営するブログやSNSでの情報を見て、譲渡会にいらっしゃいます。
そこでは、譲渡会場スタッフのボランティアが活躍します。保護猫が入ったケージの前で足を止めてくれた人には、そのネコちゃんの生い立ちや性格、好きなフード、既往歴などを説明しなければなりません。その役割を担うのが、譲渡会場スタッフのボランティアです。
預かりボランティアから全匹のネコちゃんの情報を聞き取り、それを覚えておくスキルや、里親さん候補の人に安心感を持ってもらえるような人柄が必要なのが、譲渡会場スタッフのボランティア。
譲渡会は週末や祝日に開催されることが多いため、会社勤めをしている人にも人気の高いボランティア活動になります。仕事が休みの日を使って、保護猫のためのボランティア活動をしたいと考える人は、譲渡会場スタッフがいいかもしれません。
特に人当たりのいい人や、営業職や接客業をしている人などは、譲渡会場スタッフのボランティアは向いているでしょう。今までの人生経験や、仕事でのスキルを活かすこともできます。
まとめ
これら3つのボランティア活動のほかにも、保護団体はたくさんの人手を必要としています。地道な捕獲、動物病院への運搬作業、ネコちゃんを保護しているシェルターを掃除するボランティアなども。
保護団体のブログやSNSなどを見ると、ボランティアスタッフの募集は頻繁に見つけられます。自分には何ができるか、何ができないかをよくよく考えて、興味を持った保護団体に問合せをしてみるのもいいかもしれません。
ただし、軽々しい気持ちからの応募は厳禁。その保護猫の一生を左右することにつながるのが、ボランティアスタッフという立場なのです。