春は子猫が産まれるシーズン。もしも野良猫を保護したら?

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暖かくなってくると、野良猫たちが繁殖シーズンを迎えます。そして梅雨時期から初夏にかけて「子猫を拾っちゃった!」なんていう人が多く現れるのもこの時期です。

 

もしも自分が子猫を保護することになったなら、どのように行動したらいいのでしょうか?この記事では、そんな疑問にお答えしていきます。

 

野良猫は、主に春に子猫を生みます

去勢・避妊手術を済ませていない野良猫は、年に数回の繁殖期があります。その中でも子猫が数多く生まれてくるのが、春先です。

 

ママ猫から母乳をもらって大事に育てられた子猫も、やがて離乳し、生後3ヵ月ほどで親離れします。同時に兄弟猫たちともお別れし、独立するのです。

 

「思いがけず子猫を保護してしまった!」というのは、それよりも小さな子猫が道端で1匹だけはぐれていたり、風邪をひいて弱っていたりする場合が多いもの。そうでなければ、ママ猫が子猫を必死に守っているので、人間が素手で拾ったりすることは難しいはずです。

 

子猫だけが、ママ猫から見放された状態で見つかったということは、そのネコちゃんは弱っている可能性が大きいです。自然の摂理で、ママ猫は他の健康な子猫たちを守るために、体の弱い子や小さすぎる子は見捨てることがあります。

 

子猫を保護してしまったらどうしたらいい?

思いがけず子猫を保護してしまったら、できるだけ早く、動物病院で健康状態を診てもらいます。そこまで弱り切っていなければ入院はさせず、保護主さんの自宅で面倒を見ることになるはずです。

 

梅雨時期などで子猫の体が濡れ、冷えてしまっていたら、何はともあれ保温が必要です。いらないタオルで体の水分を拭いて、乾いたタオルに包んであげてください。小さな子猫ならキャットケージがなくても、大きめのダンボール箱に入れておけます。

 

春でも特に寒い日で体が冷え切っているならば、ペットボトルの空容器にぬるま湯を入れ、簡易式の湯たんぽを作ってそばに置くのがいいでしょう。

 

先住猫がいるときは、お互いにビックリさせてしまわないように、別室に保護した子猫を隔離します。保護したての子猫が、猫エイズや猫白血病などの感染症を持っている場合もあるので、感染防止の意味でも隔離しておいたほうが無難です。

 

動物病院で体重を計ってもらうと、だいたいの月齢が予想できます。獣医師さんに、その月齢ならミルクを飲ませるのか離乳食をあげたらいいのかなど、わからないことは何でも質問しておきましょう。

 

ミルクと言われたならば、子猫用ミルクを買って哺乳瓶やエサ皿から飲ませます。離乳食と指示されたなら、子猫用のドライフードやウェットフードをミルクと混ぜ、フードプロセッサーやブレンダーですりつぶすと、簡単に手作りすることができます。

 

もう歯が生えている月齢なら、子猫用ドライフードやウェットフードをそのまま与えられるので、少しは楽でしょう。

 

飼い続けるか、里親さんに託すかを決めましょう

特に大きな病気もなく子猫の体力が回復してきたら、里親さんに託すのか、そのまま自分で飼い続けるのかを決めなければなりません。お世話をしているうちに情もわき、可愛くて手放しがたくなる気持ちはわかります。

 

しかし一人暮らしの場合、ペット不可の決まりがある住宅住まいのことがほとんどでしょう。ペット不可住宅で、その決まりを破って子猫を飼い続けるのは、決しておすすめできません。絶対に、トラブルのもとになるからです。

 

そうすると里親さんを探すことになりますが、どうやって見つければいいのでしょうか。

 

子猫はとても愛らしいので、保護猫の里親募集サイトやSNSで募集をかければ、すぐに多くの応募がくるはず。ここで気をつけるべきは、里親詐欺ではないかということです。

 

里親詐欺とは猫好きを装い、里親さんになるふりをして子猫を手に入れ、虐待したりときには殺してしまったりする人間のこと。悲しいことに、こういった事件は頻繁にニュースにもなっています。

 

親切な里親さん候補と、里親詐欺とを見分けるポイントとしては、以下のようなことがあります。

 

  • 自宅に訪問させてくれるか(子猫は里親さんの自宅まで届けるのが基本。駅などでの引き渡しは絶対に避けてください)
  • 免許証など身分証明書のコピーを取らせてくれるか
  • 子猫の成長を、定期的に写真つきで報告してくれるか
  • 譲渡証明書に署名捺印をしてくれるか(保護猫の譲渡証明書のテンプレートは、ネットからダウンロードできます)

 

これらのことを提案してみて、少しでも渋るそぶりを見せる人は怪しいと思ってください。快くすべての条件を承諾してくれる里親さん候補の中から、一番信頼できる人を選んだほうがよいでしょう。

 

まとめ

毎年のように、春から初夏にかけて、子猫を保護してしまう人は少なからず現れます。思いがけず子猫を保護してしまっても、慌てず冷静に対処してください。

 

保護猫の子猫を引き取りたいという人はとても多いので、里親さん候補もたくさん見つかるはず。素敵な里親さんに小さな命をつなぐことができれば、素晴らしいですね。