ここ数年は空前の猫ブーム。かつてペットの飼育数は犬が1位でしたが、いまやその数は猫に追い抜かれました。ところが、野良猫を見かけると笑顔になる猫好きがいる一方で、野良猫の存在に困り果てている人も…。
猫が悪いわけではありません。すべては野良猫という存在を生み出した人間の責任です。しかし、だからと言って野良猫問題を放置するわけにはいきません。野良猫に頭を悩ませたとき、私たちはどう対処するべきでしょうか。
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野良猫が引き起こす困った問題の数々
自分に実害がなければ、野良猫を見かけても「可愛いな」ぐらいにしか思いませんよね。しかし、野良猫の引き起こす困った問題で頭を悩ませている人にとっては、野良猫は可愛いどころか厄介な存在でしかありません。
- きれいに手入れしている花壇や砂利にフンをされ、窓を開けると悪臭が漂ってくる。
- 車のボンネットが猫の足跡だらけ。洗車してもすぐに汚されて、傷をつけられたこともある
- 生ゴミを入れたゴミ袋を荒らされ、中身をぶちまけられて掃除が大変。
- 夜中に発情期のオス猫の鳴き声がうるさく、春と秋は睡眠不足でイライラする。
どの問題も一度や二度なら我慢できるかもしれません。しかし、事はそう簡単ではないのが頭の痛いところ。なぜなら野良猫にはそれぞれにテリトリーがあり、野良猫が引き起こす問題はかなりの頻度で繰り返されるからです。
猫が引き起こす問題は、「フンや散らかされた生ゴミを片付ければいい」という単純な方法ではなかなか解決できません。というのも猫のフンや尿に汚染された土、ぶちまけられて腐敗した生ゴミなどは、悪臭の原因になるだけではなく、ウィルス感染など衛生面での問題まで生じさせてしまうからです。
こういった頭の痛い問題が続けば、これまでは猫が嫌いではなかった人も、野良猫を腹立たしい存在だと思うようになっても無理はありません。
保健所は『動物愛護管理法』の対象『猫』をみだりに捕獲できない
野良猫問題に頭を悩ませているからといって、簡単に駆除することはできません。猫は『動物の愛護及び管理に関する法律』の対象となる動物。すなわち、飼い猫・野良猫の違いに関わらず、法律で守られている愛護動物であり、 みだりに殺したり傷つけたりすれば処罰の対象になるからです。
では、保健所に連絡すればすぐに野良猫を駆除してもらえるのかといえば――。
保健所で野良猫を捕獲したり、処分することはしません。なぜなら前述した通りに、猫は『動物の愛護及び管理に関する法律』の対象となる動物だからです。
保健所はケガや病気の野良猫を保護することはあっても、保健所から出向いて健康な野良猫を捕獲することはしません。野良猫を捕獲した人が保健所に持ち込んだ場合などに引き取るこはあっても、それはあくまでもイレギュラーなケース。
基本的には住民や動物愛護団などと協力しあい、「野良猫」を地域の人々が見守る「地域猫」となれるよう、トラブル解決を目指すような対処をすることがほとんどです。
だからこそ、各自治体では「猫を庭などに入らせない方法」や「外飼いしている猫の飼い主の方へ」という形での情報発信に努めているわけですね。
超音波発生機は野良猫の追い払いに有効!しかし万能ではない
一昔前は野良猫対策として「水を入れたペットボトル」を並べたりしたものですが、残念ながらこの方法には効果がないことが判明しています。
現在、野良猫に対して最も効果があるとされているのは「超音波発生機」です。これは、人間にはほとんど聞こえない高音域の超音波を発生させる機械を設置することで、聴覚の優れた猫を追っ払うという方法。要するに、人間には聞こえないけれど猫には大音量で聞こえる音で脅かして、野良猫が近づけなくするわけですね。
超音波は野良猫対策にかなり効果があるとされていますが、残念ながら万能というわけではありません。たとえば、超音波はかなり広い範囲に効果がありますが、敷地の中に大きな壁や障害物になるものがあると、その向こう側には届きません。また、耳が遠くなった老猫や聴覚に障害のある猫を追い払うことも難しいようです。
しかし、自分の縄張りを守りたい猫が超音波を我慢して粘ったとしても、超音波を流し続けることで縄張りをあきらめさせる可能性は高い傾向にあります。猫の体に傷を付けずに追い払えるという点では、野良猫対策グッズとしてかなり有効ではないでしょうか。
まとめ
現在、動物愛護団体などでは保護した子猫の里親は探しても、成猫は避妊手術・去勢手術後に元いた場所に戻すという方法をとることがあります。この方法の利点は、野良猫自体はいなくならないものの、長い目で見れば野良猫の数は減らせるという点。
地域猫と住民の平和な共存が成立する世の中を目指したいですが、安易に猫を捨てるようなモラルの低い人がいなくならない限り、本当の意味で野良猫問題を解決することはできません。これこそが真に悩ましい問題なんですよね。
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