猫が好きで好きで仕方ないのに、なぜかちっとも猫に懐かれない人がいます。その反対に、とりたてて猫好きではないはずなのに、どういう訳か猫の方から近寄ってくる人も…。
「こんなに猫が好きなのに懐いてもらえないなんて…」と自分にガッカリしてしまうかもしれませんが、そんな必要はありません。猫に懐かれない人の行動には、単純に猫が苦手としている何かがあり、そのことに本人が気づいていないだけのことなんです。
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猫に懐かれない人が無意識にしている行動
猫は「うるさい」「次に何をするかわからない」「自由を束縛しようとする」人が苦手です。「猫が好き」「猫を可愛がりたい」「猫のために何かしてあげたい」という、人間側の思惑で猫が好感度を高めてくれるわけではありません。
- 猫の姿が視界に入ると、どうしてもナデナデ・モフモフしたくなる。
- 猫のために何かしてあげたくて、部屋の中をウロウロすることがある。
- 猫の姿が見えないと、名前を連呼して探してしまう。
- 愛猫の可愛い姿をSNSにあげたいから、しょっちゅう写真を撮りまくっている。
- 隙あらば猫を抱っこしたい。
こういった行動はすべてNG。なぜなら、猫は自分が飼い主に近寄りたい時以外は、基本的に放っておいてほしい生き物だからです。
せっかく外の景色を眺めているのに、「可愛い!可愛い!」と大騒ぎされるのは騒音でしかありません。猫が抱っこされたい時以外の抱っこも、猫にとっては体を拘束されるのと同じです。それが飼い主だろうと何だろうと、イヤなものはイヤなのでしょう。
とは言え、猫に無理強いしたことない…、と困惑されている方もいるはずです。では、こんな行動に思い当たることはありませんか?
- 急いでいる時、バタバタ足音をさせて猫の近くを通り過ぎたことがある。
- 冷蔵庫の開け閉めをする時、無意識にバタンと音をさせている。
- 急に大きな声で笑ったり、興奮して手足をバタバタさせることがある。
猫は人間の大声やドタドタした動作が嫌いです。テレビを見て大笑いする、手を叩いて喜ぶ、テレビの音が大きい、スマホで話す時の声が大きい等、無意識の行動が猫を遠ざけているのかもしれません。
猫は「物静か」で「しつこくない」人が好き
猫に好かれやすいのは、基本的に声のトーン落ち着いていて、動作がおっとりとしている人です。エネルギーがほとばしるような、良い意味でも悪い意味でも圧迫感のあるタイプより、物静かな人のそばにいたがります。
警戒心の強い猫が穏やかなお年寄りの近くでくつろげるのは、つまりそういうことなんですよね。大好きな猫を思う存分愛でたい気持ちは理解できなくもありませんが、猫との距離を縮めたいならその気持ちをぐっと抑えなければなりません。
猫に懐かれるために、次のことに気をつけてみましょう。
- 猫を高い位置から見降ろさない。(圧迫感を与えない)
- 猫をじっと見つめない。(威圧しない)
- 猫が近寄ってくるまでは、自分からは決して手を出さない。(警戒させない)
- 猫の近くで手足をバタバタさせない。(驚かさない)
- 猫がいる部屋では不必要に足音をさせない。(うるさくしない)
- 無理矢理抱っこしようとしない(しつこくしない)
こういった気遣いをしてもなお猫が近寄ってこないとしたら、あなたから発するニオイが嫌なのかもしれません。これはなにも、あなたの体が臭いと言っているわけではありません。猫はとても嗅覚の優れた動物です。思いもよらぬニオイを嫌がっている可能性があります。
- 香水
- 柔軟剤
- ヘアケア
- タバコ
- アルコール臭
- コーヒーの香り
- 部屋に置いている芳香剤やお香
人間にとっては良い香りでも、猫には近づきたくない不快なニオイなのかもしれません。愛猫との距離がなかなか縮まらないと悩んでいるなら、自分の周囲にある「香りやニオイ」を一度リセットしてみましょう。
かまわれ過ぎると猫はストレスで体調を崩すことも…
最初は嫌がられても、頑張っていろいろしてあげれば、いつかは猫も理解してくれるはず…。こういった飼い主の独りよがりは、ネコちゃんにストレスをかけるだけです。いつまでたっても猫が懐かないばかりか、体調を崩す原因にもなることも。
次のような行動に心当たりがあるなら、猫がストレスを感じているかもしれません。
- ごはんを食べる量が減った。
- 水をあまり飲まなくなった。
- 以前より長い時間グルーミング(毛づくろい)するようになった。
- 手足やシッポを噛むようになった。
- トイレ以外の場所でオシッコやウンチをするようになった。
- 以前より夜中に暴れまわることが多くなった。
猫はとてもデリケートな生き物です。ネコちゃんが自分から近づいてくるようになるまで、飼い主さんは辛抱強く待ってあげましょう。
まとめ
猫が好きすぎると、猫に好かれにくくなってしまうのはなんとも皮肉です。しかし、本当の猫好きなら猫のために待てるはず。オヤツやオモチャでムリヤリ気を惹こうとするのではなく、まずは「この人は自分に嫌なことをしない」と理解してもらうことが先決です。
猫ちゃんが近寄ってくるようになったとしても、まだ焦ってはいけません。猫に懐かれるキーワードは「猫が嫌がることをしない」「しつこくしない」これに尽きるのです。