犬や猫などのペットを飼う際は、一定の時期を迎えると去勢をするかしないかという選択肢が出てきます。
しかし、「去勢って本当に必要なの?」「どうすればいいか分からない」という疑問や不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
去勢手術はメリットも多くありますが、リスクも伴う行為です。
狂犬病ワクチンのように義務とされていないからこそ、疑問に思う方もいるでしょう。
去勢手術を行う際は、どんな効果が得られるのか、どんなリスクを伴うのかを考えて、決定することが重要といえます。
この記事では、ペットの去勢の必要性や重要性をお伝えしていきます。
目次
なんで去勢が必要?
去勢手術とは、精巣などの生殖器官を取り除き、繁殖機能を失くすための手術です。
オスの場合は、外科手術により精巣を摘出します。
メスの場合は正確には避妊手術と言い、子宮や卵巣といった繁殖に関わる臓器を摘出します。
また、病院によっては卵巣のみを摘出する場合もあるため、注意が必要です。
去勢手術はペットの性別に関わらず、繁殖機能という本能的なものを奪うことになるため、ためらってしまうという方もいるかもしれません。
ここでは、なぜ去勢手術が必要なのかをご説明していきます。
犬や猫などで去勢手術がされていない場合は、繁殖したい欲求や縄張り意識など、本能的な部分が色濃く行動に出るようになります。
そして、家の中で飼われていると本能的な欲求を解消できる機会もないため、ストレスを抱えてしまう恐れがあるのです。
ストレスを抱えることは、ペットに快適に暮らしてほしいと考える方が、気になる点の一つではないでしょうか。
さらに犬の場合は、脱走してしまったり、ドッグランなどの遊び場に出かけたりした際に交尾に及んで、他の犬を妊娠させる恐れもあります。
メスの場合は、ヒートなど発情期にあたる時期にオスの犬を興奮させてしまい、襲われる危険が高くなります。
散歩の際には、他の犬と遭遇しないかなど非常に気をつかうことになるため、飼い主の負担も大きくなることでしょう。
そのため、ペットに対する精神的なケアも重要になります。
また、多頭飼いしている場合は、生殖機能が残っていることで、望まない繁殖を引き起こしやすいです。
猫の場合は、発情期の影響で大きな声で鳴いてしまい、騒音問題に発展することも考えられます。
このように生殖機能を残すことによって、起こりうる様々なトラブルのリスクがあるのです。
飼い主の努力で防げるケースもありますが、発情期などの見守るしかない場合もあるため、去勢手術は必要という認識が高まっています。
去勢しないで困ること
「未去勢によるトラブルが起きないように防げば、無理に手術をする必要はないのでは?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
また、全身麻酔によるリスクや生殖機能をなくしてしまう点を踏まえると、避けられるなら避けたいと考える方もいるかと思います。
そこで、未去勢によるトラブルのほかに、去勢しないと困ることについて紹介いたします。
メリット・デメリットを比較して、去勢手術を判断する材料にしてください。
去勢をしないことによるデメリットで代表的なのは、「問題行動が起きる恐れがある」ことです。
例えば、猫の場合は猫自身の性格にもよりますが、去勢していない個体に、攻撃性や縄張り意識が強く残ることがあります。
その結果、多頭飼いの場合は、他のペットに危害を加えたり、ケンカしたりします。
縄張りの主張のために、家の中でマーキングを行う恐れもあるのです。
トイレトレーニングだけでは対処できないリスクがあるため、室内飼いを検討している場合は、去勢手術をした方がペットも飼い主もストレスを抱えずに済むでしょう。
また、犬の場合も発情期の他の犬と遭遇すれば、激しく興奮して襲ってしまう危険性もあります。
縄張り意識が残っているため、他の犬にマウンティングをして優位に立とうとしたり、噛みつくなどの攻撃をしたりするリスクも考えられます。
このような状況で散歩に行けば、その度にトラブルを招く危険性があるのです。
去勢により、ペットが持つ本能的な攻撃性が和らげば、問題行動も収まり、落ち着いた子になりやすいです。
ペットも飼い主も安心して過ごしたいなら、去勢手術を受けることで、大きなメリットが得られます。
また、「精巣腫瘍」をはじめ、生殖機能を残していることによる病気を患うリスクもあります。
男性ホルモンに影響される疾患や精巣がんなどを防ぎたい場合は、去勢手術をした方が安心です。
メスで避妊手術を行なわない場合も子宮に腫瘍ができるなど、病気のリスクはオス・メス両方にあります。
病気を患った年齢によっては、高齢などを理由に手術が難しいケースもあるため、苦労するかもしれません。
このように、病気になる確率を少しでも低くしたい場合は、去勢手術は重要といえます。
自治体の補助制度はある?
去勢手術をしようと決めた方の中には、去勢手術に関する費用が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
去勢手術の費用は、動物病院のほか大型犬や小型犬など、ペットの体の大きさによって異なります。
一般的に、オス犬の場合は入院なしで2万円~3万円です。
メス犬の場合は、1泊入院で3万円~5万円程度です。
また、術後の状態によっては入院が伸びるケースもあるため、事前に動物病院に費用を確認しておくと安心できるでしょう。
そして、一般的な費用をふまえて「自治体の補助制度を利用できないかな」と思う方もいるのではないでしょうか。
愛知県の名古屋市を例に上げると、市指定の獣医師に補助券を提出することで、費用の一部を補助してもらえる制度が用意されています。
オス犬の場合は名古屋市から1,600円、公益社団法人名古屋市獣医師会から3,200円、メス猫の場合は名古屋市から2,100円、公益社団法人名古屋市獣医師会から4,200円など、補助金額が定められているため確認しておきましょう。
また、補助券がなくなれば交付も終了されて補助が受けられなくなるため、手術時期の調整なども重要になります。
上記の他にも、東京都品川区で飼い猫の去勢手術費の一部助成、京都府京都市にて犬や猫の手術費用の補助など、全国さまざまな自治体で補助を行なっているようです。
お住まいの地域の自治体で利用できる補助制度がないか、ぜひ確認してみてください。
また、動物病院によって補助制度が利用できるかどうかや、自治体によっては補助できる件数に限りがある点などにも、注意が必要です。
手術を依頼したい病院が、補助制度の利用対象に該当しているかなどを確認してから、申請するようにしましょう。
まとめ
去勢手術は強制でないからこそ、飼い主の方は迷ってしまうでしょう。
「ペットの本能を大切にしたい」「健康に過ごしてもらうために去勢手術を受けさせたい」など、色々な考え方があります。
今回の記事でお伝えした情報をもとに、飼い主が後悔しない選択をしてあげることが重要です。
また、去勢手術をはじめ、手術の内容によっては、年齢制限が発生する可能性もあります。
他にも、ペットが高齢の場合、年齢により去勢手術が受けられないケースもあるでしょう。
本サイトでは、ペットに関する無料相談を実施しています。
去勢手術ができない場合でも、運動量や食事量に配慮するなど、予防方法が考えられます。
また、去勢により太りやすくなるケースがあるため、今後のペットの健康状態に気を付けてあげることが大切です。
「ペットの健康のためにできることがないか」などの困ったことがあれば、無料相談フォームよりご連絡ください。