猫に寄生するダニについて学んで適切な対処をしよう

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猫に寄生するダニについてご存じでしょうか?

 

ダニは室内で暮らす猫にも寄生する可能性があり、様々な病気を引き起こすやっかいな存在です。

家の中にはダニが多く存在しており、人間にとってもアレルギーの原因になる場合もあります。

 

今回は、飼い主さんや猫の大敵になるダニについてご紹介します。

ダニについて学び予防方法を習得して、飼い主さんと猫の快適な生活を守りましょう。

 

寄生するダニの種類

 

猫に寄生するダニの種類は4種類で、家の中はもちろん外から入ってくる可能性もあります。

ダニの生命力や繁殖力は強いため、湿度が高く酸素がある場所で、皮膚からでるフケやアカなどを糧に大量に発生します。

 

人間の皮膚に寄生しているダニもいるので、飼い主さんと猫にとって厄介な存在です。

まずは、どんなダニの種類がいるのかを知りましょう。

 

1:マダニ

マダニはハーラー器官という虫の触角に似た器官を使い、哺乳類の皮脂に含まれる酪酸の匂い・体臭・体温・動きを察知して人間や動物の血を吸います。

 

マダニの吸血行為は、皮膚を噛んでギザギザの歯を差し込み、セメントのようなものを流しがっちりと固定して大量の血を吸うのが特徴です。

 

無理に引き抜こうとすると頭部だけが残ったり、マダニの消化液が体内に入ったりして感染リスクを招くこともあります。

民間療法などで取り除く方法もありますが、感染症疾患の危険があるので、医療機関を受診して取り除くのがベストです。

 

2:ヒゼンダニ

ヒゼンダニはとても小さく、人間の目で直接みることができないダニです。

顕微鏡で見ると、卵型で4対の足があり、背中には無数のトゲが生えています。

 

人や動物の皮膚を動き回り、肌の接触を通じて簡単に移動するうえに、疥癬(かいせん)という皮膚の病気の原因になることもある危険なダニです。

 

交尾後のメスは皮膚の角層部に疥癬トンネルを掘って進み、数週間にわたって1日2〜3個ずつ産卵し続けます。

 

その卵は3〜4日で孵化し、幼虫はトンネルを出て皮膚の上を移動して繁殖を繰り返します。

皮膚内に掘った穴や毛穴に隠れている場合も多いので、居場所が特定しづらいことも特徴です。

 

また、ミミヒゼンダニという動物の耳に寄生する種類も、猫にとって気を付けたいダニです。

外に出ている猫や多頭飼いの猫同士の接触で、感染する可能性があります。

 

3:ツメダニ

ツメダニは、梅雨や秋口に増殖し夏に活発的に活動するダニで、高温多湿を好みカーペットや畳に潜んでいます。

名前の通り、大きな爪を持っているのがツメダニの特徴です。

ヒョウダニやコナダニの体液を餌としており、それらのダニが発生するとツメダニが餌と間違えて人や動物の皮膚を刺します。

 

それ故にヒョウダニやコナダニが多い環境は、ツメダニが増殖する傾向にあります。

人間や動物の血を吸うことはなく代わりに体液を吸い、刺されると赤く腫れ皮膚炎を引き起こすので、注意が必要です。

ツメダニは視力の良い方であれば肉眼で確認できるほどの大きさで、群がっていれば目にすることもあるでしょう。

 

また、刺されてから1日以上経過してから痒くなるのが特徴です。

痒みは1週間ほど続き、次第に治まっていきます。

 

4:ニキビダニ

ニキビダニは、哺乳類の皮脂の分泌腺に生息し寄生しているダニです。

皮膚上にある分泌腺ごとにさまざまな種類がおり、地球上には4千種類~5千種類ほどのニキビダニがいると言われています。

 

主に毛包部に寄生するので毛包虫と呼ばれることもあり、人の顔に寄生する顔ダニという名前を聞いたことがある方も多いでしょう。

 

産卵から寿命までは約2週間で、ニキビの分泌腺に多く寄生していますが、健康な皮脂にも寄生しています。

通常は害の少ないニキビダニですが、様々な原因で一気に増殖すると皮膚が炎症を起こし、ニキビのような発疹が広がります。

 

ニキビと勘違いしてステロイドを塗ると悪化しますので、注意が必要です。

動物の皮膚に寄生し炎症を起こすと、脱毛や大量のフケが出ます。

 

寄生経路・症状は?

 

ここでは、4種類のダニの寄生経路や猫に寄生した場合の症状を詳しく説明していきます。

似たような症状が出てないかチェックしてあげて、悪化するのを防ぎましょう。

 

1:マダニ

マダニは、主に草むらに生息し、人間や動物が近づくと草から皮膚に飛びついてきます。

猫同士の接触や外で寄生されるといった原因の他に、飼い主が外出した際に服や鞄にマダニがくっつき、それが寄生してしまうこともあるので注意が必要です。

 

大量の血を吸うので、貧血や皮膚炎を起こします。

マダニによって媒介されるライム病・マダニ麻痺・Q熱・日本紅斑熱・ダニ脳炎など治療が難しい感染症の危険もあります。

猫にマダニが寄生しているのを見つけたら、食欲不振・痙攣・関節炎などがないか様子見しましょう。

 

2:ヒゼンダニ

ヒゼンダニは、感染している人や猫との接触、ヒゼンダニがくっついているタオルや衣服などから猫に寄生します。

 

伝染力が強く、猫を抱っこした飼い主さんにもうつる場合がありますので注意が必要です。

猫に寄生すると皮膚疥癬症を引き起こす可能性があり、皮膚炎・かさぶた・脱毛・フケなどの症状がでます。

 

3:ツメダニ

ツメダニはカーペットや畳に生息しており、猫に寄生すると痒みやフケの症状がでるツメダニ症になる可能性があります。

 

寄生部分からフケが出て痒みも出ますが、猫は軽症で済むことが多いです。

しかし、猫から飼い主にうつることがあり、人間の場合は強い痒みの症状がでます。

 

4:ニキビダニ

ニキビダニ症は、猫に元々寄生しているニキビダニが原因で発症する皮膚炎です。

フケや痒みの他に、赤くただれたりかさぶたができたりします。

猫が他の病気や疾患にかかっているときにも発症するので、症状がでたら注意しましょう。

 

予防方法やついてしまった場合の対処法は?

 

ここでは、各種ダニの予防方法やついてしまったときの対処法をご紹介します。

家の中にはたくさんのダニが潜んでいますが、増殖させない方法やコツなどがありますので、参考にしてみてください。

1:マダニ

猫にマダニが寄生しないようにするには、室内飼いをすることが基本です。

マダニに寄生された動物に近づかず、草むらなどにむやみに入らないようにし、帰宅時にマダニがついていないか衣服を確認しましょう。

 

もし、猫がマダニに寄生されていた場合は、動物病院へ連れて行き切除して取ってもらうか、薬で取ってもらうことができます。

 

感染症の心配もあるので、民間療法には頼らず動物病院へ行くのがおすすめです。

 

2:ヒゼンダニ

猫が人や動物との接触によってヒゼンダニに寄生され皮膚上で増殖すると、様々な症状がでます。

耳の後ろに脱毛の症状が出ていたりかさぶたができていたりした場合は、ヒゼンダニの可能性があります。

そういった症状がでたら、動物病院で治療しましょう。

 

塗り薬や投薬で、症状が改善されます。

 

3:ツメダニ

ツメダニは、家の中で繁殖しやすいダニです。

乾燥に弱く湿度を下げることで繁殖が抑えられるので、普段から湿度に気を付けましょう。

 

また、部屋を清潔に保つことも効果的です。

猫のご飯の食べカスなどをこまめに掃除して、対処しましょう。

猫にフケや痒みの症状が出ていたら、動物病院で塗り薬や投薬をしてもらいましょう。

 

4:ニキビダニ

ニキビダニは、全哺乳類に寄生しているダニです。

過度に増殖すると炎症を起こしますが、ステロイド剤を塗ると更に悪化する可能性があります。

自己判断はせずに、動物病院を受診しましょう。

 

まとめ

今回は、猫に寄生するダニについてご紹介しました。

ダニに寄生されると多くの場合は皮膚に何らかの症状が出ます。

そのため、普段のブラッシングなどで異常を見つけたら、動物病院を受診しましょう。

 

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