様々な場所で視覚障害を持つ方が、盲導犬と一緒に歩いているのを見かけたことがある方も多いでしょう。
盲導犬は、視覚障害を持つ方を安全な道に誘導するように訓練された犬で、現在900頭以上の盲導犬が活躍しています。
1才~10才までの健康なゴールデンレトリバーが多く活躍しており、視覚障害を持つ方と支え合って暮らしているのが特徴です。
今回は、訓練センターを卒業した盲導犬のお仕事についてご紹介します。
街中で出会う盲導犬に出会ったときに心がけて欲しい行動などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてお子様や身近な人に教えてあげてください。
正しい知識を知って、全ての人が住みやすい街にすることを目指しましょう。
目次
盲導犬とは
盲導犬とは、視覚障害者を安全な道に誘導する犬です。
交通機関など多くの方がいる場所から飲食店などで、障害物や曲がり角があった際に立ち止まって誘導します。
多くの盲導犬は、ゴールデンレトリバーとその交配種が盲導犬として活躍しています。
盲導犬訓練センターで生まれた子犬は1才の誕生日まで、ボランティアのパピーウォーカーさんのもとで愛情いっぱいに育てられるのです。
幼少期に人と多く触れ合い、たくさん可愛がってもらった子犬は、人間のコミュニティーや犬としての社会性を身につけ、盲導犬の訓練に適応しやすくなります。
様々な条件を満たした方が、パピーウォーカーとして子犬を育てるボランティアに参加することが可能です。
基本的なしつけを行ったり人間の家族と触れ合ったりしながら、約1年間パピーウォーカーさんと自由に暮らします。
子犬が1才になる頃にパピーウォーカーさんとお別れして盲導犬候補になり、訓練センターでの訓練の生活が始まるのです。
盲導犬訓練は約1年間続けられ、その間3回のテストで健康面・犬の性格・社会性の適性がチェックされます。
そして、厳しいチェックをクリアした盲導犬候補が、正式な盲導犬になれるのです。
訓練方法は、褒められることを覚えて犬の社会性を伸ばす訓練・実技訓練・パートナーとなる視覚障害者との4週間の共同生活があります。
この共同生活は訓練センターの敷地で行われ、様々な実地訓練が行われます。
盲導犬の訓練だけではなくパートナーになる方の訓練もあり、犬と人間の共同生活について学びます。
お互いに支え合って生きていくことを学ぶ実地訓練なので、4週間という長い時間をかけて信頼関係を築くのです。
盲導犬とパートナーになる方は、パートナーの生活環境や盲導犬候補の性格などをみて、訓練センターがマッチングします。
共同生活のテストをクリアしてようやく、盲導犬になるのです。
訓練が厳しいと言われていますが、訓練は盲導犬候補が楽しんでできるように工夫されています。
盲導犬になる基準は厳しいですが、盲導犬の訓練が厳しいということではありません。
不合格になった盲導犬見習いは、ボランティアの方に預けられて新しい家族のもとで暮らします。
盲導犬の主な仕事内容
盲導犬の主な仕事内容は、視覚障害者であるパートナーを安全に誘導することです。
普段私たちが歩いている道は、目が見えるからこそ普通に歩けます。
ですが、障害物・段差・曲がり角などは、視覚障害のある方にとっては危険要因です。
障害物や曲がり角などで一旦立ち止まる訓練を受けている盲導犬が一緒であれば、パートナーに気づかせるために様々な動作で知らせてくれます。
盲導犬の主な仕事
1:角を教える
2:段差を教える
3:障害物を教える
4:道の端を歩く
5:パートナーに指示された方向に歩く
6:目的地に着いたら知らせる
これらの役割が主な仕事ですが、慣れてくるとドアや改札などに誘導してくれる盲導犬もいます。
そのため、盲導犬は場所を言えばそこまで誘導してくれると勘違いしている方も多いのですが、パートナーが覚えている道順にある角や障害物を知らせるのが仕事です。
どの曲がり角を左右どちらに曲がればよいのか、パートナーが把握しているからこそ盲導犬は成り立っています。
また、盲導犬は特別なハーネスを装着しています。
ハーネスとは、パートナーと盲導犬の負担を減らし、スムーズな誘導ができるように工夫されたツールです。
この特別なハーネスを付けて歩いている犬を見かけたら、パートナーを誘導している盲導犬であることを覚えておきましょう。
盲導犬の主な仕事は誘導ですが、パートナーとの絆を育むことも大事な役割でしょう。
盲導犬のごはん・ブラッシング・耳掃除・月1~2回のシャンプー・動物病院の定期検診や予防接種などは、基本的に視覚障害のあるパートナーが責任を持って行います。
そうすることで、盲導犬との信頼関係が深まりパートナーに希望と喜びを与えると言われています。
パートナーとの最高の関係を築き、不自由のない日常生活を送ることが盲導犬の一番の役割かもしれません。
盲導犬と街で出会ったら
先ほども書いたように、盲導犬は特別なハーネスを着けています。
そのような盲導犬を見かけたら注意するべきポイントがいくつかありますので、ご紹介します。
1:盲導犬に触らない・声をかけない・口笛を吹かない
ハーネスを付けた盲導犬は、パートナーを誘導中です。
これらの行為は盲導犬の気をひく行為になるので、よそ見したり誘導をやめたりしてしまう原因になります。
盲導犬のよそ見は障害物の見落とし、段差や曲がり角の知らせが遅れてしまうことに繋がり、大事故になってしまうこともあるのです。
こういった事故を防ぐためにも、ハーネスを付けた盲導犬がそばに現れても見守るようにしましょう。
動物が好きなお子様がいる方は、ぜひお子様に盲導犬のことを教えてあげてください。
2:食べ物やお水を勝手に与えない
盲導犬は、毎日適切な分量のフードやお水を飲むタイミングが決まっています。
勝手にごはんやお水を与えると生活のリズムが狂い、いつも通りの仕事ができない場合もあります。
食べ物やお水をもらい排泄のタイミングなどが狂うと、視覚障害者であるパートナーの負担になるといえるでしょう。
また、食べ物やお水をちらつかせられると集中力が途切れ、事故の原因にもなるため注意が必要です。
3:休憩しているときも静かに見守る
盲導犬が単体でパートナーを待っているときも、ハーネスを付けているときは仕事中です。
撫でたり気をひいたりすると、指定の場所から離れてパートナーが困る事態になる可能性もあります。
また、犬は目をじっと見つめられると嬉しくなって静かにパートナーを待つことができません。
仕事に集中させてあげるためにも、静かに見守りましょう。
もし、街中で盲導犬に出会っても上記の3点を心がけてください。
誘導中やパートナーを待っているとき以外にも、パートナーの足元で休憩していることもあります。
このような場合でも、気を引く行為をすると盲導犬が勝手に動き、パートナーの方がびっくりしてしまいます。
どのようなときでも、ハーネスを付けている盲導犬を見かけたら静かに見守ってください。
ですが、盲導犬がいても視覚障害者の方が困っている場合には声掛けや手助けをしましょう。
信号が青でも立ち止まっていたり、駅などの騒音が多い場所で電車に向かって歩いていたりする場合があります。
そのような場面に遭遇したら、大きな声で知らせてあげてください。
まとめ
今回は、盲導犬のお仕事についてご紹介しました。
盲導犬にはたくさんの役割があり、ハーネスを付けた盲導犬は誘導中ということが理解できたのではないでしょうか?
視覚障害のある方が安心して行動できる街をみんなで作りあげましょう。
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