近年、癒しを求めて猫を飼う方が増加傾向にあります。
猫を飼っていると「何で毛玉を吐くのだろう」と疑問に思うことがあるのではないでしょうか。
実は、それは「毛玉吐き」と呼ばれる行動です。
そこで今回は、猫の毛玉吐きについて徹底解説いたします。
毛玉吐きの基本知識やそれを防ぐ方法、普段とは異なる毛玉を吐いた場合の対処などについてお伝えいたします。
これから猫を飼おうとお考えの方や、既に猫の毛玉吐きに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
なんで毛玉吐きをするの?
毛玉吐きは異変だと思う方もいるかもしれませんが、猫が毛玉吐きをすることは正常な生理反応です。
胃の中に溜まってしまった毛玉を吐き出すために行われます。
猫は自身で毛繕いをするものですが、猫の舌にはブラシのような棘が存在します。
そのため、毛に付着した汚れと共に毛を飲み込んでしまうのです。
飲みこんだ毛の中でも、便と共に排泄される毛は少量であり、多くは消化されずに体内に残ってしまいます。
そして結果として、体内に残った毛を毛玉吐きとして口から吐き出さざるを得なくなるのです。
また、短時間に飲みこんだ毛量が多ければ、それだけ毛玉は発生しやすくなり、毛玉を吐く回数も増加します。
毛の生え替わり時期である『換毛期』には抜け毛が増えるため、毛玉も増加しがちです。
そのため、夏毛に替わる春先あるいは冬毛に変わる秋頃には要注意です。
他にも、室内で生活をしている猫は気温面での変化が少ないため、季節を問わず換毛が起こる可能性もあります。
そして、短毛種の猫よりも長毛種の方が毛量が多く、毛玉を吐きやすいことも覚えておきましょう。
また、猫が吐くということは胃液あるいは唾液といった水分が失われることになるため、猫の体に負担もかかっています。
それだけでなく、猫が飲みこんだ毛が吐き出せないほどに大きな塊となり胃に留まってしまうと、『毛球症』という病気に罹る可能性もあります。
何回も嘔吐していたり、食欲が低下していたりなどの症状があった場合には、一度獣医師に相談してみると良いでしょう。
事前に毛玉吐きを防ぐことはできる?
猫の毛玉吐きを防止するためには、日頃から毛繕いによる毛の飲み込み量を減らすことがポイントです。
毛玉の量を減らすためには、日々のブラッシングも大事になります。
なぜならブラッシングをすることで、過剰に毛を飲み込まないように効率的な除去を行うことができるからです。
それだけでなく、飼い主とのスキンシップにもなり、血行促進およびリラックス効果も期待できます。
また、飼い主にとっては猫の皮膚状態をチェックする機会にもなり、健康状態の把握にも一役買ってくれるでしょう。
ブラッシングの頻度は、短毛種は2週間から3週間程度、長毛種は毎日行うことが目安です。
短毛の猫の場合は、毛が短いため皮膚までの距離も近くなります。
そのため、皮膚を傷付けない先端が柔らかい素材のものが適しているため、できるだけラバーブラシを使用するようにしましょう。
ラバーブラシは、抜け毛や汚れを取り除いてくれる効果があります。
猫にとっても先端を心地よく感じることができるため、マッサージ効果があるといえるでしょう。
ブラッシングが終わると、ブラッシングにより浮いてきた抜け毛が、体毛の表面に残ります。
そのため、猫がその残った毛を舐めて飲み込んでしまわないように、水で濡らしたタオルで優しく拭いてあげましょう。
もしくは、コロコロクリーナーで除去をする方法もあります。
猫が長毛種の場合は、櫛が長く奥まで入るスリッカーブラシかコームを使用するのがおすすめです。
まず、軽くブラシで表面にある抜け毛、あるいは汚れを除去します。
そしてコームを使い、奥で絡まっている柔らかな毛をほぐすようにしてとかしていきましょう。
毛が絡まっている場合や毛玉ができている場合には、無理に引っ張ってはいけません。
少しずつ、周りからほぐしていくようにしてください。
毛の質が軟らかい種類の猫の場合は、金属でできたスリッカーブラシを用いると毛を傷めてしまうことがあります。
そのため、先端が丸くなっているブラシ、あるいは獣毛ブラシを使用するのも選択肢の1つです。
また、毛玉を防止するなら毛玉除去剤を使用する方法もあります。
毛玉除去剤は、便と共に毛を排泄させることを目的として作られた予防薬です。
使用すると、猫の体内で毛玉が作られるのを防止できるため、ブラッシングが苦手な猫への対策として有効だといえるでしょう。
チューブタイプのサプリメントとなっていて、ワセリンや流動パラフィンが主成分です。
他にも、猫草を用いる方法も一つです。
猫草はイネ科の若い草で、エン麦や小麦、大麦などの様々な種類の猫草があります。
食物繊維が主成分であり、猫の胃を刺激して吐きやすくすることができます。
ただ、猫草は刺激が強いことから、消化不良を起こしてしまう可能性がある点に気を付けなければいけません。
1歳を過ぎた成猫に与える場合でも、柔らかな若葉のみを食べさせるようにし、1日に1本のみとするようにしましょう。
そして、胃腸が弱くなっている時には、猫草を与えないように気をつけてください。
それ以外にも毛玉の対策をするなら、毛玉を吐かせないために調整されたフードを用いる方法も挙げられます。
「ヘアボールコントロール」あるいは「毛玉ケア」と表示され、販売されています。
毛玉ケア用の食事は、食物繊維を増量して消化管の働きを促進させて、便と共に排泄させるために作られたフードです。
普段の猫の食事をこうした毛玉ケア用のフードに切り替えて、毛玉が体内に溜まるのを防止すると毛玉吐きの予防に役立ちます。
なお切り替える際には、突然替えるのではなく徐々に時間をかけて慣らしていくようにしてください。
もし愛猫が毛玉を吐いて困っているなら、これらの上記の手段で対策をしてみてはいかがでしょうか。
いつもとは違う毛玉を吐いた!?
日常的に毛玉を吐く猫もいるため、吐いた後に食欲がある場合には問題ないと言えるでしょう。
しかし、毛玉吐きの後に少しだけ餌を与えた際に食べなかったり、すぐに吐いてしまったりする場合には体に異変があることが考えられます。
他にも、頻繁に吐くあるいは咳き込むことがある、吐こうとするのに毛玉を吐きだせない場合には注意しましょう。
これらの症状があった場合、胃の中から取り出せないくらい大きな毛玉となってしまう『毛球症』となっている可能性があるため、動物病院で診てもらうことを推奨します。
また、普段よりも毛繕いをする場合や体調に何かしらの異変がある場合、過剰にフケが出ている場合にも動物病院の診察を受けた方が良いでしょう。
毛球を除去することで症状は落ちつきますが、再発させないためには日頃からのケアが大切です。
まとめ
今回は猫の「毛玉吐き」について、様々な情報をご紹介しました。
猫が毛玉を吐いてしまうことは、異常があるから起こるというわけではありません。
しかし、あまりにも頻繁に毛玉を吐くようであれば心配になる方もいるでしょう。
毛玉吐きの対策をするのであれば、ブラッシングや毛玉対策用のフードを用いる方法などが挙げられます。
愛猫が何度も毛玉を吐いていて可哀想という場合には、ぜひ対策をしてあげてください。
また、本サイトではペットに関するご相談を無料で承っております。
ペットに異変があったり毛玉吐きについて不安があったりなど、もしペットのことでお悩みであれば、無料相談フォームよりお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。