ブラッシングやシャンプーのついでに、愛犬の耳掃除をするという方は多いのではないでしょうか。
しかし、耳の中を触られるのが苦手な犬もいますので、簡単に耳の中をふき取るだけで耳掃除を終わらせていませんか?
犬は後ろ足を使って耳を掻くことはできますが、耳の中まで自分で綺麗にすることはできません。
今回は、犬の耳掃除の必要性や役割、掃除をしなかった場合にどのような健康被害があるかをご紹介します。
愛犬の耳掃除をしている方もしていない方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
犬に耳掃除は必要?
清潔さや匂いが気になるという理由から、愛犬の耳掃除をしている方も多いでしょう。
ここでは、犬の耳掃除が必要な理由をご紹介します。
なんとなく耳掃除をしていた方は、参考にしてみてください。
雑菌の繁殖を防ぐ
犬の耳掃除が必要な主な理由は、雑菌の繁殖を防ぐためです。
梅雨から夏にかけての多湿な時期や水遊び・シャンプー後は、耳垢腺から雑菌の栄養源となる油分が分泌されます。
雑菌が増殖すると、耳の中がただれたり、炎症を起こす外耳炎になったりするため、治療が必要である可能性もあります。
外耳炎は、一般的には薬で治療しますが、最悪の場合手術が必要になる危険な病気です。
愛犬の健康を守るためにも、シャンプー後や水遊び後のケアは忘れずに行いましょう。
外耳炎などのトラブル時のケア
愛犬の耳から異臭がしたり、膿が出ていたりという症状があるときは、外耳炎の可能性があります。
外耳炎になったら自然治癒を待つのではなく、動物病院を訪れましょう。
外耳炎の初期段階であれば、点耳薬などが処方されます。
そして、自宅で薬を塗ってあげる際には、耳の中の膿などを綺麗にしてから薬を投薬しましょう。
また、耳に触れると痛がる場合は、無理やりふき取ろうとしないように気を付けてください。
耳を清潔に保つことで、治療もスムーズに進みます。
外耳炎などのトラブルチェックのためにも、普段から愛犬の耳の中を観察するのもおすすめです。
清潔に保ち匂いを抑える
愛犬の身体を清潔に保つことは、健康管理になります。
健康な犬は、耳を嗅いでも臭いがありません。
しかし、愛犬の耳を嗅いだときに異臭がする場合には、耳垢がこびりついていることも考えられます。
また、犬種によって耳垢がたまりやすい犬もいます。
例えば、耳が立っている犬は、風通しがよく耳垢がたまりにくいでしょう。
一方で、トイプードル・ミニチュアダックスフンド・ゴールデンレトリバーなどの耳が垂れている犬種は、注意が必要です。
他にも、耳が立っている犬種でも、耳垢腺から油分が出やすい犬もいます。
気になる方は、かかりつけの動物病院などで相談しましょう。
犬の耳を掃除しなかったらどうなる?
健康な犬であれば、耳掃除をしなくても健康を維持することが可能です。
しかし、健康な犬でも耳垢は蓄積されます。
そして、犬がかかりやすい病気の1つが外耳炎です。
外耳炎は様々な原因でかかる病気ですが、耳垢で繁殖した雑菌が原因となることもあります。
つまり、犬の耳を掃除しなかった場合は、外耳炎のリスクが高まるのです。
愛犬がしきりに首の後ろを掻いていたり、頭をぶんぶん振り回したりしていたら、外耳炎の可能性がありますので耳の中を調べてみましょう。
初期の段階であれば1週間~2週間ほどで治療が完了しますが、症状が重い場合には治療に1ヵ月以上の時間がかかったり、手術が必要になる場合もあります。
そのため、普段から耳掃除をして、外耳炎を予防しましょう。
また、耳が垂れている犬種や皮膚が弱い犬種はこまめな耳掃除が必要と言われています。
子犬の頃に耳の感染症にかかった経験がある犬も、定期的なケアが必要です。
愛犬の耳をチェックして、適切な耳掃除をしましょう。
犬の耳を掃除する方法
犬の耳掃除グッズを使用した耳掃除や、オーソドックスな方法などをご紹介します。
耳の中を触られるのが苦手な犬も多いので、おやつを使って耳の中を触られることに慣らすトレーニングも忘れないようにしましょう。
タオルドライ
犬の耳掃除の頻度は、健康な犬であれば月1、2回程度にしましょう。
あまり耳の中を触りすぎるのも、外耳炎や皮膚炎の原因になります。
愛犬をシャンプーした後に、タオルを指に巻いて耳の中をぐるっと一周撫でると耳掃除ができます。
このとき、強く擦らないように注意してください。
健康な犬であれば、水分をふき取る耳掃除だけで清潔な耳の中を保てます。
適度な回数で優しくふき取るのが、基本の耳掃除です。
また、普段から耳に触らせてくれるトレーニングをして耳の状態を確認するようにしておけば、耳掃除をするときも落ち着いてできるでしょう。
顔や耳の外側を撫でながらリラックスさせて、耳掃除を行いましょう。
イヤークリーナー
犬専用のイヤークリーナーを使用した耳掃除も、手軽で人気があります。
使用方法として、コットンに染み込ませてふき取るものや、耳に数滴垂らして耳をつまむだけのものもあります。
イヤークリーナーは、耳が立っている犬種や健康な犬には必要ありません。
耳が垂れた犬種や外耳炎が、再発するような犬におすすめの耳掃除方法です。
コットンに染み込ませるタイプのものは、ひたひたになるまで染み込ませて汚れがつかなくなるまでふき取ります。
その際には、コットンの繊維が耳の中に残らないように注意してください。
イヤークリーナーを人肌に温めておくと、耳の中に入れても犬が驚かないのでおすすめです。
耳の中に直接液体を入れるタイプのイヤークリーナーは、販売されているものによって使用方法が異なります。
例えば、数滴垂らすものや、耳の中を満遍なく濡らすぐらいクリーナーを使用するものもあるので、犬の耳の形や汚れ具合によって選ぶとよいでしょう。
イヤークリーナーで浮かせた耳の汚れを犬が頭をぶるぶるさせることで落とす速乾性のタイプやふき取りタイプなどの種類もありますので、使いやすいものを選んでください。
また、イヤークリーナーの中にはプロ向けのパウダータイプがあります。
こちらは、耳の中に毛が生えやすい犬種の被毛を抜くためのパウダーで、使用した後専用のクリーナーが必要になります。
耳掃除としてご自身で愛犬の耳の毛を抜く方もいますが、炎症の原因になることが多いことも覚えておきましょう。
耳の毛のケアは、専門家であるトリマーさんにお任せしましょう。
耳掃除用ウェットティッシュ
犬用の耳掃除に適したウェットティッシュで優しく汚れをふき取る方法もあります。
人間と同じように綿棒を使用する方もいますが、綿棒の綿が耳の中に残ってしまう場合もあるのでおすすめしません。
また、犬の耳掃除を人間用のウェットティッシュで代用するのも、危険です。
アルコールが使用されているウェットティッシュを使うと、耳の粘膜からアルコールを吸収してしまい、アルコール中毒になる犬もいます。
他にも、アルコールを使用したものは、洗浄力が高い反面、リスクもあるということを覚えておくとよいでしょう。
犬には、猫のように毛づくろいの習慣はありませんが、舐めても問題ない成分のものを選ぶと安心です。
また、耳掃除嫌いな犬の中には、匂いで耳掃除を察知して逃げてしまう子もいます。
察知されないように素早く準備して、無香料タイプのウェットティッシュでサッと耳掃除を済ませるとよいでしょう。
使用方法は、指に巻きつけて耳の中を優しくふき取ります。
ウェットティッシュに汚れがつかなくなったら、耳掃除完了です。
まとめ
今回は、犬の耳掃除についてご紹介しました。
愛犬の健康を気遣う飼い主さんは、ぜひ耳掃除を実践してみてください。
健康な犬であれば耳掃除の必要はないと言われていますが、耳の垂れた犬種や皮膚の弱い子などは定期的な耳掃除が必要です。
日本は多湿な気候なので、梅雨の時期のケアとして耳掃除をするのもおすすめです。
また、現在は犬の耳掃除グッズの種類も多く、様々なメーカーから販売されているため、利用してみてはいかがでしょうか。
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犬の耳掃除についての不安や他にも疑問点がございましたら、無料相談フォームからお気軽にご連絡ください。