犬に関する「ヒート」という言葉を耳にされたことはありますか。
ヒートは、犬が持つさまざまな生態の中でも重要性が高いものですが、まだ犬を飼ったことがない方にとっては聞き慣れない言葉かもしれません。
ヒートとは、犬の中でもメスの犬に起きる現象であり、人間の生理に相当するものです。
しかし、犬の生理と人間の生理は大きく仕組みが異なっています。
そのため、犬を飼うのであれば前もって知識を持っておく必要があります。
そこで今回は、犬のヒートに関するさまざまな情報をご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ヒートとは発情期のこと
人間の生理と犬のヒートの最も大きな違いとして挙げられる点は、その役割です。
人間の生理は、妊娠しなかった場合に充血した子宮内膜が剥がれ落ちて排出されることで生じる現象ですが、犬の場合は全く異なります。
犬のヒートは発情期にあたる現象であり、その前後には発情前期、発情休止期、無発情期などのサイクルが存在しています。
これらのサイクルの中で交尾と受精が行われると、体内の臓器や器官が妊娠の準備を進めていくのです。
ただし、陰部から出血があるという点は人間と同様です。
そのため、細かい仕組みを知らずにいると、人間の生理と同じという錯覚に陥りがちですが、役割そのものが違うことから必要な対処も異なります。
そのため、妊娠しなかった際に生じる人間の生理と、妊娠のための準備である犬のヒートの違いを認識することで、愛犬のヒートにも対応しやすくなるでしょう。
発情が起こるのはいつごろ?どれくらい続くの?
犬の発情は、1歳に満たない年齢から始まります。
犬のサイズによって始まる時期が異なり、小型犬の場合は生後6ヶ月から10ヶ月ごろ、大型犬の場合は10ヶ月から12か月ごろが大まかな目安です。
もちろん、個体によって時期が異なるため、上記はあくまで目安と認識しておきましょう。
そのため、いつヒートが来てもいいように準備しておく必要があります。
犬を飼うのが初めての方にとっては、まだ飼育に慣れていない時期に最初のヒートが来ることになります。
慣れない世話に戸惑ってしまうため、ヒートに関する知識は事前に押さえておきましょう。
ヒートはどれくらいの間隔で来るの?
人間の生理は、おおよそ月に1度のペースで訪れますが、犬のヒートはこれと異なり、半年に1度のペースで訪れます。
発情前期、発情期、発情休止期、無発情期が半年周期でぐるぐると回っており、これらを繰り返すことで、生殖のサイクルが生み出されているのです。
これらも個体によって多少の差異が発生しますが、発情前期、発情期、発情休止期、無発情期というサイクルは犬種や体格に関わらず、すべての犬に共通しています。
そのため、正しくサイクルが循環していないようであれば、動物病院を受診してみましょう。
ヒートが続く期間は?
ヒートが続く期間はどれくらいなのかという点も、犬を飼っていく上で気になるポイントでしょう。
基本的に、ヒートは20日前後続くものだとされています。
そのため、人間より長めに感じられるかもしれません。
また、体調や気持ちが安定している無発情期は、1年間のうち8ヶ月ほどを占めています。
個体差はありますが、その期間は落ち着いて飼育することができるため、過度に心配をする必要はありません。
犬の生理は半年に1度という周期と併せて、1つ1つのスパンが長いものだと認識しておくと良いでしょう。
ヒートになっている期間中は、普段と異なる点がいくつか出てくるため、お世話をする上で知識と心構えが求められます。
ヒート中の犬の生態
以前は、犬の生理には人間のような体調不良は伴わないと考えられていましたが、研究が進むにつれて、生理によって体調不良になってしまう犬もいることが判明しました。
この点については個体差が非常に大きいため、飼い主が普段との違いを敏感に感じ取る必要があるでしょう。
また、ヒート中の犬は、基本的に精神面が不安定になります。
ヒートになっていない時期とは気性が変わり、普段は穏やかな性格をしている子が突然よく吠えるようになったり、落ち着きがなくなったりするケースが多く見られます。
飼い主がいつものように触れる、撫でるといった仕草をしようとして吠えられてしまう場合があるため、驚くかもしれません。
しかし、これは愛犬の性格が変わってしまったわけではなく、あくまでヒート中の一過性のものに過ぎません。
ヒートの期間は20日程度であるため、日数の経過に伴い、次第に元の性格へ戻っていくでしょう。
ヒート中に様子が違うようであれば、構いすぎずに適度に放っておいてあげるのも大切なことです。
もちろん、個体によって傾向が異なるため、具合が悪いという不安感から甘えてくる子もいます。
そのため、様子を慎重にうかがいながら、自分の愛犬に適した接し方を見つけていくことが大切です。
また、場合によっては食欲の減退なども見られるため、あまりに食べないようであれば病院に連れていきましょう。
ヒートが起こったらどのように対処すべき?
ヒート中の対応について、もう少し詳しく見ていきましょう。
ヒート中は陰部からの出血があるため、室内犬であれば家の中が汚れてしまう可能性があります。
この出血は、色が濃く少し粘り気があるため、ケガなどの出血と見間違えることはないでしょう。
そのため、犬が移動する範囲のカーペットや家具などは、汚れてもいいものと取り換えておく、または汚れないように覆っておくなどの工夫が必要です。
ただし、小型犬は出血が少なく自分で舐めとって綺麗にするため、あまり家が汚れないという場合もあります。
中型以上の犬は出血量がそれなりに多いため、嫌がらない子であれば生理用のオムツなどの使用を検討しても良いでしょう。
また、ヒート中に特に注意したいことは、散歩などの外出です。
先ほどご紹介させていただいた通り、ヒートは交尾や受精の受け入れ態勢が整っている期間です。
ホルモンの分泌によって、オスを惹き付けてしまうため、通りすがりのオス犬に覆い被さられるなどのトラブルに注意する必要があります。
そのため、ヒート期間は他の犬と出くわしやすい夕方などの時間帯の散歩を避けて、夜の時間帯に散歩に連れて行ってあげるように配慮しましょう。
最後に、最も注意しなければならないことが、犬が自由に行動できるドッグランのような施設です。
このような施設は他の犬と無防備に触れ合えるため、飼い主の目の届かないところで、不慮の妊娠をしてしまうというトラブルがよく起きます。
メスの犬を飼っていく上で、ヒート中は他の犬との接触を避けることが、常に意識しておきたいポイントと言えるでしょう。
まとめ
今回は犬の生理、ヒートについてのさまざまな情報をご紹介いたしました。
犬は人間と異なる生き物ということを意識しながら、常に適切な対応をしてあげることが大切です。
ヒート中は、犬も不安になっていることが多いので、飼い主は正しい知識を持って対処してあげるように心がけましょう。
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