愛犬が突然痙攣を起こしてしまうと、とても心配になり、焦ってしまいます。
しかし、愛犬に異常が起きた場合でも、飼い主は冷静に対応しなければなりません。
そこで今回は、愛犬が痙攣を起こしたときにとるべき対応や考えるべきことをご紹介いたします。
愛犬にもしものことがあった場合に備えるためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
犬の痙攣とはどんな状態?
犬が痙攣を起こしている状態とは、一体どのような状態なのでしょうか。
痙攣が起きている間は、体を動かすために脳から出される電気信号が一時的に制御できなくなっています。
そのため、体が震えて意識がなくなるほか、失禁する、大量の唾液を出す、歯を食いしばるなどの症状が起こります。
また、突然倒れて足をバタバタと動かすこともあるでしょう。
このような症状は、総合して「発作」とも表現します。
痙攣は突然起こるようにも見えますが、実は痙攣を起こす予兆と考えられる犬のしぐさがあります。
それは、痙攣が起こる数時間前から数分前まで落ち着かなくうろうろと動き回ったり、物陰に隠れて不安げな表情を見せたりするなどです。
痙攣が起こってからは、数時間から数日にわたり体の動作がぎこちなくなるような症状が見られます。
一方で、犬が起こす痙攣の中には、特に心配のない痙攣もあります。
例えば、過度な運動による筋肉疲労が原因で起こる痙攣や、寝ている間に四肢をバタバタと動かして走るような動作をする痙攣は、多く見られるのです。
これらについては、特に心配のない痙攣といえるでしょう。
このように、犬の痙攣にはさまざまなタイプがあるため、事前にチェックしておきましょう。
犬が痙攣を起こしたときにとるべき対応
愛犬が痙攣を起こすと、多くの飼い主が驚きます。
では、もし愛犬が痙攣を起こした場合は、どのような対応をとるべきなのでしょうか。
ここからは、犬が痙攣を起こしたときの対応をご紹介いたします。
むやみに触れてはいけない
突然痙攣を起こすと、慌てて愛犬に触れてしまうかもしれません。
しかし、愛犬が痙攣を起こした場合は、むやみに触れないようにしてください。
特に顔の周辺は、触れないように注意しましょう。
意識の有無に限らず、痙攣は犬自身の意思で調節することができません。
そのため、飼い主が噛まれて怪我を負うような、不測の事態が起こる可能性もあります。
もし室内で痙攣を起こした場合は、犬がぶつからないように周囲の物を移動させて場所を確保します。
屋外で起きた場合は、犬のお尻の方を支えつつ、しばらく留まることのできる場所に移動させることがベストです。
座薬の抗けいれん薬を用いる
愛犬が痙攣を起こした場合は、薬を用いるという手段があります。
仮に痙攣が20分以上続くと神経障害が起こり、命の危険にさらされることもあります。
過去に愛犬が痙攣を起こし、そのときに処方された座薬の抗けいれん薬を持っている場合は、状況を判断して使用しましょう。
また、薬を使用する際は、素手ではなくビニール手袋などを使ってください。
病気が原因で痙攣を起こしていることも考えられるので、すぐに動物病院を受診しましょう。
「てんかん」の場合は発作が治まるまで見守る
「てんかん」と診断されている犬の場合は、対応方法がイレギュラーになります。
この場合は、周囲の物に当たって怪我をしないように注意しつつ、発作が治まるまで見守りながら待つようにしましょう。
発作が起きている最中に声を掛けたり抱き上げたりしてしまうと、症状が深刻化してしまいかねません。
そのため、てんかんの場合は静かに見守ってあげるようにしてください。
てんかんの発作は、直ちに病院に行く必要のないケースが多いものの、長時間続いたり、最初の発作が治まる前に次の発作が発生したりする場合もあります。
もし長時間続くような場合は、すぐに病院へ連れていきましょう。
犬の痙攣から考えられる病気
犬が痙攣を起こした場合は、どのような病気が考えられるのでしょうか。
ここからは、犬の痙攣から考えられる病気を具体的に見ていきましょう。
てんかん
犬の痙攣において最も多い原因が、てんかんです。
最初の痙攣は6カ月から3歳までの若い年齢で起こります。
その多くは、明確な原因が特定できていない痙攣が起こる「特発性てんかん」という病気です。
特発性てんかんでは、一生涯にわたって痙攣が1度のみ起こっておさまる犬もいれば、初めて痙攣を起こしてからその後何度も痙攣を繰り返す犬もいます。
そのため、痙攣がひんぱんに起こるときは、抗てんかん薬を服用して痙攣をコントロールする必要があります。
慢性腎不全や中毒
本来、血液中に含まれる尿素窒素は腎臓で処理されて排泄されます。
しかし、このような処理が上手くいかず、尿素窒素が体に溜まり過ぎて痙攣を起こす可能性があるのです。
このような痙攣が起こるということは、慢性腎不全がかなり進んでしまっている状況といえるでしょう。
そのため、痙攣が見られるようになってから数週間ほどで、死に至ってしまうケースもあります。
最悪のケースを避けるためにも、血液検査を含めた健康診断を定期的に行うようにしましょう。
検査の結果、尿素窒素の値が上昇していることが判明した際は、排泄を補助する補液治療などが必要になります。
他にも、中毒により犬が痙攣を起こすケースもあります。
例えば、殺虫剤に含まれる有機リン酸塩・カルバミン酸塩、鉛や自動車の不凍液に含まれるエチレングリコール、カタツムリの駆除に使用される成分であるメタアルデヒドは要注意です。
万が一これらの物質を摂取してしまった場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
水頭症や脳の炎症
水頭症の多くは、生まれつきある頭蓋骨内部の異常が原因です。
また、水頭症に罹る可能性が高い犬はマルチーズやチワワ、ヨークシャー・テリアなどの小型犬です。
水頭症の特徴としては、子犬の頃から頭が大きい、斜視で目が外側を向いているといった外見的な特徴のほか、普段からぼんやりとしていたり気分が沈んでいるような様子が挙げられます。
診断はCTやMRIで行われ、ときには痙攣などの神経障害が発見されるケースもあります。
水頭症の場合は、ステロイド剤や抗てんかん薬を生涯服用する必要があるのです。
他にも、脳の炎症が原因で痙攣が引き起こされることもあります。
例えば、若い犬で水頭症など先天性の障害がない場合は、脳に炎症が起きていることが考えられるのです。
また、高齢犬で内臓の病気がなく、突如として痙攣が起きる場合は脳内に腫瘍ができている可能性もあります。
脳内に腫瘍があると、痙攣が起きる前にぼんやりとする、いきなり老けたように感じられるという症状も見られます。
さらに、パグに多くみられることからその名がつけられた「パグ脳炎(壊死性髄膜脳炎)」など、特定の犬種において起こる病気が原因である可能性もあるので、事前にチェックしておきましょう。
まとめ
今回は、犬が痙攣を起こしたときにとるべき対応や考えられる原因などをご紹介いたしました。
愛犬が痙攣を起こすと不安に駆られてしまいますが、対応のポイントや原因を事前に調べておくと安心です。
痙攣が起こった場合は、可能な限り早く動物病院に診てもらうことが大切です。
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