紅葉が落ちると、あっという間に季節は冬に移り変わり、ぐっと気温が下がります。
ペットを飼っている方にとって、寒さが体に堪えるこの時期に気になるのが、ペットの体調管理です。
言葉を話すことができないペットにとって、小さな変化に気が付くことができるのは飼い主だけです。
ペットは「寒くても身体が毛に覆われているから安心」と油断していませんか?
実は夏と同じくらい、冬は気温への対策が必要になります。
そこで今回は、ペットの冬の対策法をご紹介します。
目次
冬はペットにとっても厳しい季節
気温が一気に下がると、人間は気温の変化に体がついていけずに風邪をひいたり、自律神経のバランスが崩れたりしてしまいます。
ペットも人間と同じように、季節の変わり目は体調を崩してしまいがちです。
では、ペットは寒いときどのような行動をするのでしょうか。
ここからは、ペットが寒がっている合図と冬に注意すべき病気についてご紹介します。
ペットが寒がっている合図
一般的に犬にとって快適な気温は20度前後、猫は18度から26度といわれています。
しかし、この温度を保っておけば大丈夫ということではありません。
なぜなら、ペットは年齢や個体差によっても適温が変化するので、ペットの様子を注意深く見るようにしましょう。
ペットが寒がっている合図としては、以下のような行動があります。
・水をあまり飲まない
・体が震えている
・体を縮めている
・玄関・窓・扉に近寄らない
・外に出たがらない
気温の低い日にこのような行動を取るときは、寒がっている可能性があります。
そのため、すぐに寒さ対策をする必要があります。
仮に寒がっているペットを放置していると、体調不良や病気に繋がってしまうので注意しましょう。
冬に多いペットの病気
ペットは寒さを感じると、水を飲む量が少なくなってしまいます。
そこで多くなるのが、泌尿器の病気です。
飲む水の量が少なくなってしまうと、尿が濃くなり、膀胱結石や結晶ができやすくなります。
他にも、尿路感染症や膀胱炎などの病気も、冬に多くみられる病気です。
特に、高齢であったり、一度このような病気になった経験のあるペットは、よりかかりやすくなるので注意が必要です。
また、尿には体内の不要な老廃物を出すという役割があるため、泌尿器の病気で尿をつくれない、排出できない場合は体内に残って毒になってしまいます。
もし尿が丸一日出ないと尿毒症や腎炎を引き起こして、最悪の場合は命に関わります。
そのため、寒い時期になってペットが飲む水の量が減った場合は、排尿の様子や尿自体を観察するようにしましょう。
何度もトイレに行くのに排尿していない、極端に量が少ない、排尿時に痛そうにしている、尿に血が混ざっているなどの症状がある場合は、泌尿器の病気の可能性が高いです。
すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。
また、呼吸器の病気にも注意が必要です。
例えば、空気が乾燥する冬は、鼻や喉の粘膜が刺激を受けやすくなってしまいます。
そうなると、犬や猫は感染症や呼吸器の病気になりやすいです。
犬の場合は「犬風邪」と呼ばれている、ケンネルコフという呼吸器の病気があります。
ケンネルコフは、ウイルス細菌やマイコプラズマが原因です。
低温と低湿度を好む病原体と、寒さで免疫力が弱っているペット、という好条件が揃う冬にまん延してしまいます。
症状の重さは感染した病原体によってさまざまですが、重症の場合は命に関わるので、風邪だからといって油断せず、症状が重いと感じた際は動物病院への受診をおすすめします。
また、子犬はケンネルコフにかかりやすいので、特に注意しましょう。
猫にも「猫風邪」と呼ばれる病気があります。
猫ウイルス性鼻気管炎と猫カリシウィルス感染症が猫風邪です。
この病気もケンネルコフと同じで、低温と低湿度を好むので、冬に多くなる病気です。
主な症状はくしゃみや鼻水などであり、進行すると目の腫れや充血、鼻づまりなども起こります。
軽い症状に見えるかもしれませんが、鼻づまりで匂いを感じることができないと食欲不振を引き起こすので、注意が必要です。
食欲不振は免疫力をさらに落としてしまうので、風邪が治りにくくなり、軽度の肺炎やウイルス性鼻気管炎などを併発する恐れがあります。
そのため、風邪だからといって放置せず、症状によっては動物病院で診てもらうようにしましょう。
ペットの種類に合わせてしっかりと冬対策しよう!
冬対策は、ペットの種類によって異なります。
そのため、ペットの種類に合わせた適切な対策が必要不可欠です。
ここからは、具体的な冬対策をペット別にご紹介します。
犬の冬対策
犬は、犬種によって被毛の種類が違います。
皮膚を保護するための「オーバーコート」と体温を調節する「アンダーコート」の2種類があり、両方を持つ犬をダブルコート、オーバーコートのみを持つ犬をシングルコートと呼びます。
また、シングルコートよりも体温調節できるダブルコートの犬種の方が、寒さに強いといわれていますが、犬種の原産国によっても寒さへの耐性が変わってくるのです。
具体的な冬対策として、室内ではエアコンを使って室内を適温にすることが大切です。
ドアや窓の近くは、隙間風や冷気が入ってきて冷えてしまいます。
そのため、冬の寒い季節だけでも暖房の温度が届く場所に移動させるなど、工夫するようにしましょう。
それでもペットが寒そうにしている場合は、犬用のこたつやヒーターなどを使用して、暖を取れるようにする必要があります。
犬用の暖房器具は、クッションに包まれており、高温にならないように設計されているので、火傷なども心配することなく使用できるでしょう。
しかし、長時間使用していると低温火傷の危険があるので、小まめに犬の様子を確認しましょう。
また、犬が暑いと感じたときに涼しい場所に移動できるようにしておくことも大切です。
暖房器具で脱水症状にならないよう、水をいつでも飲めるところに置いておきましょう。
猫の冬対策
日光浴を好む猫には、日の当たる場所にベッドやマットを敷いてあげると良いでしょう。
冬は床も冷えているので、直に床に座ると猫の体が冷えてしまいます。
ベッドを置く際は、午前と午後で日の当たる場所が変わるので、部屋の数か所に寝床をつくってあげると快適に過ごすことができます。
この時は、窓やドアの近くにならないような注意が必要です。
暖房を切る夜は一気に冷えるので、屋根付きの寝床にすると冷気を防ぐことができます。
さらに、毛布などを入れて暖かくしたり、猫用のヒーターを使ったりして、寒さ対策をしましょう。
また、暖房器具を使用する際は、猫から目を離さないようにしましょう。
例えば、猫が近寄りすぎないよう、ストーブなどにはカバーやチャイルドガードをつけておく必要があります。
トイレや水を置いてある場所も暖かくして、移動しやすいようにすると良いでしょう。
もし寒い場所にトイレや水があると、限界まで行かなくなってしまい、脱水症状や膀胱炎を引き起こす可能性があります。
そのため、トイレや水の置き場所を暖かい部屋に増設することも一案です。
まとめ:厳しい寒さも事前に対策して安心!
今回は、ペットの冬対策についてご紹介いたしました。
気温の下がる冬は、ペットにとっても厳しい寒さとなります。
ペットが寒がっている状態を放置していると、体調を崩すだけではなく、病気に繋がってしまうこともあるので注意が必要です。
そのため、寒いと感じた日はペットの様子を確認してあげることが大切です
ペット用のヒーター・ベッドは、インターネットショッピングやホームセンターなどで販売されているので、事前に準備して寒い冬を健康に過ごしましょう。
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