その行動認知症かも、犬の認知症について解説

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みなさまは犬の平均寿命がどれくらいか、ご存知でしょうか。

 

犬の平均寿命は、体のサイズによっても異なりますが14歳ほどと言われています。

昭和の末頃の記録では犬の平均寿命が8歳未満であったため、平成を経て令和に至る現在において、犬の寿命は飛躍的に伸びたと言えるでしょう。

 

これは、医療技術の進歩や餌の良質化、飼育環境の向上などが理由と考えられています。

大切な愛犬と長く一緒にいられることは嬉しいですが、その一方で認知症が発症するという問題もあるのです。

 

そこで今回は、犬の認知症についてさまざまな情報をお届けいたします。

 

犬の認知症、どんな症状が現れる?

 

認知症とは、老化に伴って脳細胞が衰えることにより認知能力や運動能力などが大きく低下、あるいは機能しなくなってしまう症状のことです。

 

また、犬の認知症は人間の認知症と似ています。

例えば、認知症を発症してしまった犬が以前とはまるで様子が変わってしまった、ということも少なくありません。

 

認知症を発症するかどうかには個体差があり、早い場合は12歳程度から発症してしまうこともありますが、反対に平均寿命の14歳を大きく上回る高齢になっても認知症にならないという犬もいます。

 

認知症になりやすい犬種

認知症の発症率は、犬種によって異なると言われています。

 

中でも、特に認知症を発症しやすいと言われている犬種は、柴犬、秋田犬、甲斐犬などの日本犬たちです。 

日本の犬種が認知症になりやすい理由は明らかになっていませんが、発症率が高いというデータが存在しているため、日本犬を飼っている方はより気を配ってあげましょう。

 

また、メスに比べるとオスの方が認知症になりやすいというデータもあるため、事前にチェックしておきましょう。

 

認知症の症状は?

犬の認知症には、いくつかの特徴的な症状が見られます。

 

代表的な症例としてまず挙げられるのは、その場をぐるぐる歩き回ったり、目的地を定めずに無作為に前へ進もうとする旋回・徘徊です。

 

例えば、高齢の愛犬が家の中で意味もなくぐるぐる回っている、散歩中にふらふらとおかしな方向へ歩こうとしている場合は、認知症を疑ってみる必要があるかもしれません。

 

他にも、運動能力の低下に伴い、体が小刻みに震えるといった症状が出る場合もあります。

一度や二度でなく繰り返しおかしな震えが見られる場合は、注意して様子を観察しておきましょう。

 

また、発症に気付きやすい症状として、夜間に鳴き続ける夜鳴きが挙げられます。

鳴く理由は、寂しい、体の調子が優れないなどさまざまですが、夜間の鳴き声が過度に続くようであれば、認知症から来る夜鳴きの可能性が考えられるでしょう。

 

夜鳴きと関連した症状として、昼夜が逆転した生活リズムになることも挙げられます。

認知症の犬は、自律神経が乱れてしまっていることが多いため、昼に眠り、夜に活動するという生活リズムになっていることがあるのです。

 

自律神経の乱れは、異常な食欲、無気力、怒りっぽくなるなどの症状が現れることもあるため、老犬の様子が普段と違っており、行動や情緒がおかしい場合は認知症の可能性を疑ってみましょう。

 

認知症の治療や介護はどうすれば?

 

もし愛犬が認知症になってしまった場合、どのように接し、どのようにお世話をしてあげれば良いのでしょうか。

 

認知症が発症する前後は、行動パターンや性格などが大きく変化してしまうこともあるため、それまでの接し方ではうまくコミュニケーションが取れなくなり、困惑してしまう方も少なくありません。

 

ここからは、愛犬が認知症になった時に備えて、治療や介護に関する情報をご紹介いたします。

 

認知症の治療

認知症になってしまった犬は、治療することができるのでしょうか?

 

犬の認知症は、人間の認知症と同様に完治させることはできません。

動物病院を受診して、認知症の症状を見ながら、進行の度合いに応じた治療を施していくことになります。

 

認知症の症状を抑制するには十分な睡眠が不可欠であるため、夜によく眠れるよう日中にしっかりと活動させることが有効です。

 

また、DHAなどが豊富に含まれた餌による食事療法も、治療の選択肢の1つとして挙げられます。

症状が進行している場合は、脳の神経伝達物質を増加させる薬を投与して、症状の改善を試みる場合もあります。

 

認知症が発症した際は、これらの治療を症状の状態に合わせて施しながら、認知症との付き合い方を模索する必要があるのです。

 

認知症の介護

犬の介護において重要なことは、適度な運動と睡眠です。

 

例えば、認知症で元気がないことを理由にぐったりした様子のまま放置していると、脳に与えられる刺激が少なくなり、さらに認知症が進行してしまいます。

 

しかし、飼い主が積極的に外へ連れ出し、たくさん言葉をかけて触れあいの時間を設けることで、症状の緩和が期待できることもあります。

 

また、認知機能と運動能力の低下により、トイレの粗相が増えることもあるでしょう。

失敗の頻度にもよりますが、してはいけない場所で排泄をしてしまうようになった場合は、オムツを積極的に利用するのがおすすめです。

 

他にも、運動能力が低下することが原因で、転んだり周囲のものにぶつかるなどして怪我をするケースも少なくありません。

 

家の中のぶつかりやすい場所や尖った角にクッションを付けてあげるなど、過ごしやすい生活環境を作ってあげるとよいでしょう。

 

認知症の犬の介護において、最も家族が負担に感じがちなことは、生活リズムの乱れによる夜間の活動と夜鳴きです。

 

夜間の鳴き声がうるさくて眠れないと、体力や気力が損なわれてしまい、犬に当たってしまうという事態を引き起こしかねません。

 

そんな時は、常に家庭だけで対応しようとするのではなく、老犬の預かりに対応している動物病院やペットホテルを利用して、安眠できる日を設けてあげることも一案です。

 

介護は長期戦になることも多いため、決して無理はせず、犬にとっても家族にとっても負担の少ない形を模索していくのがよいでしょう。

 

認知症の予防ってできるの?

 

認知症は老化に伴って起きる現象ですが、愛犬にはずっと元気でいてほしいものです。

 

認知症を絶対に防げるような完全な予防法は存在しませんが、いくつか有効とされている方法はあります。

長い間元気な愛犬と暮らしていくためにも、認知症の予防についての情報をチェックしていきましょう。

 

新鮮な刺激を与える

認知症は脳の老化現象であるため、脳への刺激が少なくなると老化が早まってしまいます。

ペットとして飼われている犬は、同じ景色の中で生活していることがほとんどです。

 

そのため、長く生きるほど周囲の環境に慣れてしまい、生活の中で受ける刺激が少なくなるといえるでしょう。

 

例えば、毎日の散歩コースを複数用意して頻繁に入れ替えてみたり、休日は少し遠くに連れて行くなどを行うことで、愛犬に新たな刺激を与えてあげられるでしょう。

 

もし、他の犬を怖がらない子であれば、ドッグランもおすすめです。

 

たくさん遊んであげる

犬にとっては、基本的に飼い主家族だけが日常的に接する人たちです。

そのため、飼い主と遊ぶ時間は脳に大きな刺激を与えてくれる、大切な時間といえるでしょう。

 

長く一緒に暮らしていると交流が少なくなってしまうこともありますが、愛犬の年齢が上がってきた時こそ、積極的に遊んであげましょう。

 

例えば、おもちゃで喜んでくれるタイプの子であれば、定期的に新しいおもちゃを買い与えてあげるのも有効です。

 

マッサージをしてあげる

飼い犬が老齢の域に差し掛かると、散歩や遊びに興味を示さないことがあります。

しかし、外に行きたがらないからといって放置してしまうと、老化が進んでしまいかねません。

 

もし無理に連れ出すことが難しい場合は、手足などを頻繁にマッサージしてあげましょう。

マッサージによる皮膚や血管への刺激は脳を活性化させるため、認知症予防に有効とされているのです。

 

まとめ:認知症かなと思ったらまずは動物病院へ

今回は、犬の認知症についてさまざまな情報をお届けさせていただきました。

 

犬が認知症になった際の介護は容易ではありませんが、どんな時も愛情を持って接してあげることが大切です。

 

大切なペットのためにも、認知症の症状や予防について事前にチェックしておきましょう。

 

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