猫が「カカカッ」と鳴く。クラッキングをする意味と3つの理由

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窓の外に鳥を見かけた時などに、猫は「カカカッ」と鳴くことがあります。この現象を「クラッキング」と呼び、はっきりとその生態については解明されていないようです。

この記事では、そんな猫の不思議な生態の1つである「クラッキング」をする意味や理由について解説します。

 

猫のクラッキングとは?

 

猫を飼っている人の中には、猫が不意に出す「カカカッ」というような声を聞いたことがある人も多いと思います。

 

「カカカッ」という破裂音のような声を発する行動は、クラッキングと呼ばれており、猫という生き物の特徴的な所作の1つとして親しまれています。

まずはクラッキングの特徴について、もう少し細かく見ていきましょう。

 

クラッキングの鳴き声

猫の鳴き声といえば、基本的には「ニャー」や「ニャオ」というような鳴き方を思い浮かべるのではないでしょうか。

 

一方で、クラッキングでは小刻みに何かを叩くような「カカカッ」という声であったり、または「アアアアッ」と小さな鳴き声を短く連呼するような声が特徴的です。

普段の鳴き方とはまるで違う声であるため、初めて聴くとびっくりしたり、聴き慣れるまでは違和感を覚えたりするかもしれません。

 

実際に猫がクラッキングしている様子の動画を見てみましょう。

 

 

(引用:モアクリ|カカカカ狩りモードの猫達(猫のクラッキング) | #モアクリ Vlog044

 

クラッキングをしない猫もいる

実際に猫を飼っている方の中には、「うちの子のそんな声は聞いたことがない」と首を傾げられている方がいるかもしれません。

 

実はクラッキングをするかどうかには個体差があり、頻繁にするような子もいれば、全くしないという子もいるのです。

 

自分の猫のクラッキングを聞いてみたいと思われるかもしれませんが、クラッキングを意図的に行わせる方法はありません。

思うようにいかない気ままさも、猫の愛すべき特徴の1つと言えるでしょう。

 

猫がクラッキングをするタイミング

 

猫のクラッキングを意図的に発生させることはできませんが、一般的にクラッキングをすることが多いとされているタイミングはわかってきています。

 

クラッキングを強いてはいけませんが、日常において猫が自然に過ごしている姿を眺める中で、下記のようなタイミングを知っておけばクラッキングを目撃しやすいかもしれません。

ここからは、クラッキングが発生しやすいタイミングをご紹介いたします。

 

窓の外の鳥や小動物を見ている時

SNSなどで「猫 クラッキング」と検索すると、猫がクラッキングをしている動画を見ることができます。

そういった動画の猫の様子のうち、多くの割合を占めているのが、窓際に佇み外を眺めている猫たちです。

猫は屋外にいる鳥や小動物に対して、クラッキングをすることが多いとされています。

 

しかし、小動物を見かける環境は限られているため、ベランダにやってくるスズメ・ハトといった鳥を見ているタイミングで聞くことができるかもしれません。

 

レーザーポインターの光やおもちゃに触れない時

もう1つクラッキングを聞くことが多いタイミングとして挙げられるのは、何かを追いかけているのに触れられずにいる状況の時です。

 

例えば、レーザーポインターから放たれた光の点やヒモで引っぱるおもちゃなど、猫が夢中になって追いかけて遊んでいる時に聞くことが多いと言われています。

光やおもちゃをしきりに追いかけつつ、動きを止めた瞬間などで不意に「カカカッ」とクラッキングの声を漏らすことがあるのです。

 

猫がクラッキングをする3つの理由

 

実はクラッキングをする理由については、猫に関するさまざまな研究が進んだ現代においても、まだはっきりとした原因が解明されていません。

他の猫への合図、体調不良のサインなどとは異なり、意味が明確な行為ではないため、詳細な原因が判然としないのです。

 

しかし、クラッキングの原因と考えられている要素がいくつかわかってきているので、ここでは3つの理由を解説します。

 

1.ストレスに対する反応

クラッキングの原因としてよく挙げられる説の1つが、ストレスに対する反応です。

窓の外に鳥などを見た時、猫が生来持ち合わせている狩猟本能によって「狩りたい」という気持ちが芽生えます。

 

しかし、自由に窓の外に出られない猫の場は、その鳥に手出しすることができません。

このような状況は猫にとってストレスとなり、ストレスに対する反応としてクラッキングが起きているのではないかと考えられているのです。

 

レーザーポインターやおもちゃに対するクラッキングも同様に、狩猟本能をくすぐられているにも関わらず触れることができない、というもどかしさからの反応だと考えられます。

 

2.興奮から生じている反応

クラッキングの理由は、ストレスとは違う側面を持つものだという見方から提唱されている説が「クラッキングは興奮から生じている反応である」というものです。

 

こちらの説も狩猟本能に端を発しているという考え方は同様ですが、こちらは狩れないことへのもどかしさではなく、狩りの前の昂りそのものが原因と考えられています。

 

しかし、猫の心の動きの詳細はわからないため、ストレス由来か興奮由来かという判別は、現代の科学でも解明が難しいポイントなのです。

 

3.警戒心のあらわれ

もう1つの説として考えられているのが、クラッキングは狩猟本能から来るものではなく、敵に対する警戒心の現れではないかというものです。

 

狩猟は敵と相対する行為であり、攻撃性と共に警戒心も高まっていると考えられます。

そのため、外敵に対する威嚇・警戒のサインとして、普段と異なる「カカカッ」という鳴き声が出ている可能性があるのです。

まだ確定ではありませんが、現在の研究段階では、上で挙げた3つの説のいずれかが有力ではないかとされています。

 

クラッキングをしても基本的には心配しなくて大丈夫

今回は猫の鳴き方の1つであるクラッキングについて、さまざまな情報をお届けさせていただきました。

クラッキングは普段とはまったく違う鳴き方なので、事前知識が無い状態で聞くと驚かされてしまうかもしれません。

しかし、クラッキングは正常な反応であるため、基本的には心配しなくても大丈夫です。

ただし、レーザーポインターやおもちゃでの遊びは猫に負担をかけてしまうことがあるため、クラッキングを見たいという理由で過度に遊ばせないようにしましょう。

 

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