愛犬が下痢になると病気かと不安になりますが、環境の変化を敏感に感じ取るワンちゃんがストレスで下痢を起こすのはよくあること。
動物病院へ行く前に数日家で様子を見ることもあるでしょう。
今回は犬が下痢になった時に与えたい食事や対処法、考えられる3つの原因を紹介します。
目次
愛犬が下痢になったときに与えたい食事【食材編】
愛犬が下痢になってしまったときの食事では、できるだけ胃腸に負担のかからないものを選びましょう。
成犬が下痢を起こした場合、半日ほど絶食した後に少量で栄養を摂れる食材を与えます。
特におすすめなのは、次の食材です。
- 鶏ささみ・鶏むね肉・白身魚
- 葛湯(くず湯)
- さつまいも・カボチャ
どれも比較的簡単に手に入れられる食材であり、下痢をしているワンちゃんに負担をかけないもの。
犬の状態に応じて食材を選んでください。
鶏ささみ・鶏むね肉・白身魚|高タンパク質&低脂肪
まず、鶏ささみや鶏むね肉、白身魚などの高タンパク質であり、低脂肪の食材がおすすめ。
動物性タンパク質が多く消化しやすいため、犬にとって消化しやすい食材です。
また、低脂肪であることも弱った胃腸にとっては優しい効果。
与える際、サルモネラ菌などの菌や食中毒を回避するために加熱することは大切ですが、加熱しすぎるとタンパク質の性質が変わり、逆に消化が悪くなります。
肉の表面の色が変わるくらいまで茹でたり、低温加熱調理をしたりしてから、小さく食べやすい大きさに切って与えましょう。
葛湯(くず湯)|整腸効果や消炎作用が期待できる
本葛をお湯に溶いてとろみをつけた「葛湯(くず湯)」は、腸の粘膜の保護や消炎作用、体を温める効果が期待できます。
本葛は高カロリーのでんぷん質のため、消化にもいい食材。
葛湯にして冷ましたものを与えることで、食欲ない犬や咀嚼する元気がない犬でも舐めることで栄養補給・水分補給が叶うでしょう。
さつまいも・カボチャ|食物繊維が豊富
さつまいもやカボチャには食物繊維が豊富に含まれているため、胃腸の働きを促します。
胃腸の動きをよくすることで便を固める効果が期待できるため、下痢症状を解消できる可能性が高いでしょう。
加熱したうえで、食べやすいように小さなサイズに切って与えてください。
ただし、大量に与えてしまうと胃腸の負担が大きくなってしまうので注意。
犬の体重によって適切な量が変わるため、ワンちゃんの状態を見ながら判断しましょう。
さつまいもを犬に与える際の注意点やおすすめの食べさせ方は「犬の下痢はさつまいもが原因?食べたら治る?さつまいもの正しい与え方」の記事も参考にしてくださいね。
愛犬が下痢になったときに与えたい食事【フード編】
下痢を起こしてから半日ほど絶食のあと、ドッグフードを与える場合にはそのまま与えずにお湯でふやかしてあげるのがベター。
お湯でふやかすといっても熱湯をかけたりするのではなく、30〜40度ほどのぬるま湯に15分ほど浸せばOKです。
熱湯でふやかすと栄養成分が壊れる可能性があるため、必ず少しぬるめのお湯でふやかしましょう。
ワンちゃんに食べさせる時は、ふやかすために使ったぬるま湯も一緒に与えることで、お湯に溶け出た栄養を摂取しながら水分補給もできます。
ふやかしたドッグフードを使用する際は、作り置きしないようにしてください。
夏場は傷んでしまったり、酸化などが原因で下痢を悪化させたりする可能性があるためです。
必ず食べさせる直前に加工しましょう。
普段与えているドッグフードの中に以下のようなフードがあれば、優先して与えると下痢の解消につながるかもしれません。
- グルテンフリーフード
- 低炭水化物のフード
- 栄養補給ができるフード
- 腸内細菌を整えるフード
ただし、普段使っていないにもかかわらず、下痢だからといって新しくフードを用意するのはNG。
犬はフードの変化でストレスを感じることがあり、下痢を悪化させる可能性があるためです。
あくまでも“これまでに食べたことがあるフード”の中から選びましょう。
下痢になったときにできる食事以外の対処法
下痢になったときには、消化にいい食事を意識することと並行して次のような対処もおこなっていきましょう。
- 常温の水で水分補給
- お腹をあたためる
- できるだけ自宅で安静にする
胃腸が弱って下痢になっている時は、冷たいものやカラダを冷やす食材、ジャーキーなどの脂っこいものは避けるのが鉄則です。
水分補給は必ず常温の水を用意し、一気飲みしないように少しずつ与えましょう。
下痢をすることで脱水症状を起こしやすい状態になるため、水分はいつもよりこまめに与えてください。
また、お腹を温めることも下痢には有効です。
一時的に腹巻きをさせたり、リラックスする場所にブランケットを敷いてあげるなど、できるだけお腹が冷えないような状態にしておきましょう。
また、下痢で体力を消耗していることも多いためお散歩はお休みして、自宅で安静に過ごさせてあげてください。
犬が下痢になる原因は?考えられる3つの理由
犬が下痢になってしまう原因には次のようなものが挙げられます。
- 食事やおやつ
- ストレス
- 病気や感染症
下痢を引き起こした理由によっては、すぐに受診したほうがいい場合や、原因となる事象を解決してあげる必要があります。
まずは、原因として考えられる3つについて見ていきましょう。
原因1.食事やおやつ
犬が下痢をしたからとお腹に優しい食事を意識しても、そもそも下痢になった原因が食事やおやつの可能性もあります。
たとえば次のような点に思い当たりませんか?
- 消化しにくい食材を与えた
- 食事時間が不規則
- 冷たい水を与える
特に気をつけたいのが食事のタイミング。
喜ぶからといって、決まった食事の時間以外にもおやつをダラダラと与えることは避けたほうがいいでしょう。
お腹の中に食べ物が入っている時間が長くなることにより、消化不良を起こして下痢になる可能性が高まるためです。
食事やおやつのタイミングはしっかりと決め、それ以外には与えないことを意識しましょう。
原因2.ストレス
犬は、人間以上に敏感に変化を感じ取ります。
いつもと違うフードやおやつ、近所での工事や来客、季節の変わり目にも敏感に反応し、そのことがストレスとなり、下痢を引き起こすことも。
ストレスが原因で下痢をしている場合、ワンちゃんがストレスに感じていることを取り除くことが最重要です。
たとえば、違うペットフードに移行するのであれば、一気に変えると犬にとってはストレスになります。
最初はこれまでのフードに少し混ぜる程度から始め、徐々に割合を増やしていくといいでしょう。
原因3.病気や感染症
下痢を起こす原因の中ですぐに対応が必要なのが、病気や感染症によるものです。
病気やウイルスによる感染症などの場合、下痢以外の症状が出ることが多い傾向にあります。
- 嘔吐
- 血便が見られる
- 体重減少
- 食欲減退
- 下痢が3日以上続く
- 明らかにぐったりしている
このような症状が見られるときには、何かしらの病気や感染症の可能性も考えられるため、動物病院を受診したほうが安心です。
特に、子犬やシニア犬は重症化しやすいため、できるだけ早く受診しましょう。
犬が下痢をしたら、消化によく栄養のある食事を!
犬の下痢は、数日間様子を見ても問題ないことがほとんど。
愛犬が下痢をすると心配になりますが、少し胃腸を休ませるために消化しやすい食事を与えてあげましょう。
鶏ささみのような高タンパク質の食材は消化しやすい食材。
食欲があまりなく、噛んで食べる元気もないほどであれば、葛湯を用意してあげると栄養補給と一緒に水分補給も叶います。
下痢が続くと脱水症状になりやすいため、できるだけこまめに水分を与えましょう。
お水は常温のものを用意し、胃腸を冷やさないように気をつけてくださいね。
もし、自宅で経過観察をしている間にゼリー状の便が出てくるようなら、大腸でトラブルが起こっている可能性があります。
詳しくは「犬の下痢がゼリー状になる原因とは?必要な対処法と家でできるケア方法」で解説していますので、気になる方はチェックしてくださいね。
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