大切な愛犬を守る!犬のワクチンが必要な理由と種類や費用について解説

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ワクチンを接種することで、危険なウイルス感染症から愛犬を守ることができます。

 

しかし犬のワクチンには色々な種類があるため、いつ、どれを打っていいのかわからない人も多いですよね。

 

そこでこの記事では、犬が接種できるワクチンの種類について解説します。後半では費用面やタイミングについても触れているので、ぜひ参考にしてください。

なぜ犬のワクチン接種は必要なのか

 

「いぬねこワクチン」が動物病院向けに行った独自調査によると、調査病院の56.8%で過去2年間に何らかの感染症の診断があるという結果が出ました。

 

下記の画像は関東の動物病院を対象にしたデータですが、何らかの感染症が確認された動物病院の割合は、平均的に高いことが見て取れます。

 

(引用:いぬねこワクチン:地域別(都道府県別)犬感染症発生状況マップ

 

前置きはさておき、犬にワクチン接種をするべき理由は、簡潔に言うと「大切な愛犬を感染症から守るため」です。

 

感染症の種類によっては、最悪の場合、死に至るケースもなくはありません。

 

たとえば、「パルボウイルス」というウイルスに感染してしまうと、激しい下痢や嘔吐、脱水などの症状が現れます。

 

とくに、免疫が低い子犬が罹患すると、致死率が高くなるという非常に危険なウイルスです。

 

上記はほんの一例ですが、感染すると危険なウイルスは他にもたくさんあります。

 

こうした状況から愛犬を守っていくために、定期的なワクチン接種は必要となるのです。

犬のワクチンは大きく分けて3種類

 

犬のワクチンは大きく分けて以下の3種類です。

 

  • 狂犬病ワクチン
  • コアワクチン
  • ノンコアワクチン

ここでは3種類のワクチンの特徴を1つずつみていきましょう。

 

狂犬病ワクチン|毎年接種が義務付けられている

狂犬病ワクチンとは、言わずと知れた狂犬病の予防を目的としたワクチンです。
厚生労働省が定める狂犬病予防法により、飼い犬の登録義務と、生後3ヶ月以降のすべての犬に毎年1回の接種義務があります。

第五条 犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者。以下同じ。)は、その犬について、厚生労働省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を毎年一回受けさせなければならない。”
(引用:厚生労働省|狂犬病予防法

犬を飼っているにも関わらず、登録と狂犬病ワクチン接種を怠った場合、20万円以下の罰金が課せられるので、忘れずに接種しましょう。

コアワクチン|免疫力が長期間続く接種推奨ワクチン

コアワクチンとは、一度体内に免疫ができると長期間にわたって免疫力が維持されるワクチンのこと。

 

対象となる感染症には、「犬ジステンパーウイルス」や「犬パルボウイルス」、「犬アデノウイルス2型」などが含まれます。

 

ウイルスに対する免疫のつき方は犬によって個体差がありますが、コアワクチンでは3年に1回程度の接種が目安です。

 

接種は任意ですが、ワクチン未接種だと死亡率の高い感染症が含まれるため、できる限り全員受けるべきとされています。

 

ドッグランやペットホテルなど多くのワンちゃんが集まる場所では、接種証明書の提示を求められることもあるため注意しましょう。

ノンコアワクチン|定期接種が必要なワクチン

ノンコアワクチンとは、免疫の持続期間が短いワクチンで年に1回の接種が目安です。

 

対象となる感染症は「犬パラインフルエンザ」や「犬コロナウイルス」など、コアワクチンに該当する感染症よりも危険性が高くないウイルス。

 

しかし、多頭飼育していたり、多くの犬と関わる機会が多かったりなど、感染のリスクが高い場合には接種をおすすめします。

 

接種の必要があるかどうかは、かかりつけの動物病院で確認しましょう。

犬が接種できる8種のワクチン

 

愛犬を守るために必要なワクチンは感染症ごとに分かれています。

 

ここからは、どのような感染症のワクチンがあるのか見ていきましょう。

1.狂犬病ワクチン

狂犬病は発症すると致死率100%というリスクが非常に高い感染症で、人にも感染する恐れのある「人畜共通感染症」です。

 

そのため、厚生労働省が定める狂犬病予防法で、生後3ヶ月以降のすべての犬に対して、年1回のワクチン接種が義務付けられています。

 

前述したように、狂犬病ワクチンの接種をしなかった場合、20万円以下の罰金を課されることもあるため注意しましょう。

2.ジステンパーワクチン

ジステンパーウイルスは、ワクチン未接種のまま発症すると死亡率が高い病気です。

 

ジステンパーワクチン接種により一度免疫を獲得すると、長期間に渡り免疫力が維持できます。

 

ジステンパーウイルス感染症に罹患すると、消化器や呼吸器症状、または神経症状が現れるのが特徴的です。

 

具体的な症状は発熱や鼻水、嘔吐、下痢、けいれんなど。

 

特にけいれんなどの神経症状が見られると、致死率はより高くなります。

 

仮に回復しても、何らかの神経症状が後遺症として残る事例が多いため注意しましょう。

 

感染経路としては、ウイルスをもった犬のよだれや鼻水、排泄物などの飛沫をはじめ、お散歩やドッグランで感染する可能性も考えられます。

 

そのため、外に出る機会が多い場合などは、積極的に接種した方が良いワクチンです。

3.伝染性肝炎ワクチン

伝染性肝炎は、肝臓などで感染を起こす病気です。

 

犬の肝炎は症状に気がつきにくく、異変に気づいた頃には進行している可能性があります。

 

特にワクチン未接種の子犬だと、いきなり体調が悪化し死に至ることも。

 

伝染性犬肝炎は、適切なワクチン接種での予防が可能です。

 

そのため、免疫力の低い子犬などは、適切な年齢でワクチン接種を受けることが大切になります。

4.アデノウイルス2型感染症ワクチン

アデノウイルス2型感染症(ケンネルコフ)は、乾いた咳が特徴の病気。

 

単独の感染で重篤化することはありませんが、他の細菌やウイルスなどの二次感染を引き起こす場合があります。

 

二次感染が起こると重篤化のリスクが増え、肺炎になることもあるため、甘く見てはいけないウイルスです。

 

アデノウイルスのワクチンを接種することで「伝染性肝炎」と「アデノウイルス2型感染症」の2つを予防できるため、接種が推奨されています。

5.パルボウイルス感染症ワクチン

パルボウイルス感染症は、感染すると死に至る危険のある病気です。

 

主な症状は、激しい嘔吐や下痢、血便など。

 

特に免疫力の低い子犬が罹患すると致死率が高くなるため、早めにワクチンを接種する必要があります。

 

パルボウイルスワクチンを接種する上でのポイントは、2〜3回、もしくはそれ以上の回数を接種することが推奨されてる点。

 

なぜなら、生後2〜4か月頃までの子犬は、母親ゆずりの免疫を持っている場合があるためです。

 

免疫を持っている間はワクチン接種の効果を得にくく、免疫がなくなる時期を待ってから接種しなくてはなりません。

 

免疫がなくなる時期は子犬によって異なるため、複数回ワクチンを接種する必要があるのです。

 

接種時期をより明確にするためにも、一度獣医師に相談しましょう。

6.犬コロナウイルス感染症ワクチン

犬コロナウイルス感染症とは、主に子犬が下痢などの消化器症状を引き起こす病気です。

 

よく勘違いしがちなのですが、犬コロナはヒトに感染することはありません。そもそも、現在流行している新型コロナウイルスとは別の感染症です。

 

また、成犬になると免疫力は自然と高くなるため、万が一感染しても、症状はほとんど見られません。

 

それでも子犬が感染した場合は、下痢や嘔吐、食欲減退などの症状が現れ、激しい胃腸炎を起こします。

 

最悪の場合は死に至るケースもあるため、普段の生活で子犬がいる施設に行くような場合は、念の為ワクチンを接種しておいた方が良いでしょう。

7.パラインフルエンザワクチン

犬パラインフルエンザ感染症は、パラインフルエンザウイルス(CPIV)の感染によって起こる感染症です。

 

主な症状は、咳や鼻水、発熱、食欲の低下など、一般的な風邪のような症状が現れます。

 

パラインフルエンザ単体での感染では、症状がわからないほど軽症であることもあります。

 

しかし、コロナウイルスと同じように他のウイルスと併発すると、アデノウイルス2型感染症の原因になる可能性があるため注意が必要です。

 

犬パラインフルエンザウイルス感染症ワクチンを接種することで、感染予防が期待できます。

 

しかし、パラインフルエンザウイルスは変異することが報告されているため、新しいワクチンを毎年接種する必要があるでしょう。

8.レプトスピラ感染症ワクチン

レプトスピラ感染症は、ネズミなどのげっ歯類、牛・馬・豚などの家畜、寄生虫などの、尿から感染する病気です。

 

症状は犬によりますが、軽いものから腎炎や肝炎などの重症になることも。

 

人間にも感染する可能性があるため、毎年接種をしたほうが良いでしょう。

 

ちなみに、レプトスピラ感染症の発生状況は、地域によってバラつきがあります。

 

(引用:あすなろ動物病院|犬・ワクチン種類の選択をどうするか?

 

上記の画像を参考に、該当する地域への旅行などで訪れる場合は、積極的にワクチン接種を検討しましょう。

犬のワクチンでかかる費用

※動物病院によっては料金が異なる場合があります。

ワクチン接種のタイミング

 

結論からすると、愛犬の状況によってワクチンのタイミングは異なります。

 

以上を前提として、最初に接種するワクチンは6〜8週齢を目安に開始されることが多いです。そして、16週齢以上になるまでに2〜4週ごとに接種することが推奨されています。

 

その後は生後6か月齢、もしくは1歳齢に1回ワクチンを接種するのが一般的。

 

一通りのワクチン接種が終わったあとは、1年に1回の追加接種が基本となります。

 

もちろん持病があったり、体調が優れなかったり、抗体検査で十分な抗体があったりすれば、接種時期は前後することもあるでしょう。

 

ワクチンのタイミングは自己判断できるものではないため、必ず獣医師から総合的な判断を仰ぐようにしてくださいね。

ワクチン接種の注意点

 

ワクチン接種当日は、愛犬の体調を観察しておきましょう。

 

愛犬の体調や機嫌が普段と変わりないのであれば、特に問題はありません。

 

体調が優れなさそうな時やいつもより機嫌が悪いと感じるのであれば、接種予定日を変更することをおすすめします。

 

そして、ワクチン接種を行う時間は午前中がベスト。

 

午前中にワクチンが終われば、ワクチンの副反応で気になることがあったとしても、すぐに病院へ連絡して対応してもらえます。

 

ワクチン接種後は、普段は元気な犬でも多少ぐったりとすることがあります。

 

そのため、長距離の散歩や激しい運動、子犬が興奮するような来客などは控え、疲労の回復を優先させてあげてくださいね。

 

生後1.5~3か月頃の子犬は、初乳からの免疫が徐々に減っていくため、いろんな感染症にかかるリスクが出てきます。これを予防するために子犬へのワクチン接種が必要となります。

大切な愛犬を守るために、定期的にワクチン接種を行おう

犬のワクチンは、感染症から愛犬を守るための大切な予防手段です。

 

ワクチンを怠り愛犬がウイルスに感染してしまうと、最悪の場合は死に至るケースも少なくありません。

 

それくらいウイルスというのは怖い存在です。

 

しかし、どのワクチンをどのタイミングで打てば良いのかを、自分で判断するのは難しいもの。

 

そのため、必ず近くの動物病院に相談し、獣医から指示を仰ぐようにしましょう。