犬がご飯は食べないのにおやつは食べる場合、何かしらの不満があるのかもしれません。
この記事では、犬がご飯は食べないのにおやつは食べる原因とその対処法を7つ解説します。
おやつだけを食べる理由を知り、愛犬のために適切な対処を取りましょう。
目次
ご飯は食べないのにおやつは食べる5つの原因
犬がご飯は食べないのにおやつを食べるという場合、次のような原因が考えられます。
- おやつのほうが気に入っている
- わがままを言って気をひきたい
- おやつの食べ過ぎで満腹
- 濃い味に慣れてしまった
- フードを食べづらく感じている
上記の原因について一つひとつ見ていきましょう。
おやつのほうが気に入っている
犬はとても頭の良い動物です。
ご飯よりもおやつの方が美味しいということを学習すると、犬は「出されたご飯を食べなければもっと美味しいものがもらえるのかも?」と期待します。
出されたご飯を食べない愛犬を心配をして何か食べさせようとおやつをあげると、「ご飯を食べないとおやつをもらえる」と学習。
犬はいっそうご飯を食べなくなり、おやつばかりを食べるようになってしまうのです。
わがままを言って気をひきたい
愛犬に構う時間や余裕がないことが続くと、気を引きたい・心配されたいからとわざとご飯を食べない姿を見せることがあります。
ご飯を食べないと「体調が悪いのかな?」「もしかして病気なのでは?」と心配をしてしまうもの。
頭の良い動物である犬は「ご飯を食べなければ構ってもらえる!」と考え、ご飯を食べずにおやつばかりをねだるようになってしまいます。
おやつの食べ過ぎで満腹
おやつを与えすぎている場合や、おやつにお腹が膨れるものを選んでいる場合、もしかすると「ご飯を食べない」のではなく、ご飯を食べられないのかもしれません。
愛犬に与えているおやつの量を把握することができていますか?
チワワやポメラニアンなどの超小型犬は、想像以上に胃袋の許容量が限られています。
飼い主にとっては「少し」でも、愛犬には満腹になっている可能性も。
さつまいもなど水分や食物繊維を多く含むものはお腹が膨れやすいため、よりいっそう注意するようにしてくださいね。
さつまいもの正しい与え方は「犬の下痢はさつまいもが原因?食べたら治る?さつまいもの正しい与え方」の記事で紹介しています。
与える量などの参考にしてみてくださいね。
濃い味に慣れてしまった
人間の食べ物ばかりを与えていると、濃い味に慣れてしまったためにドッグフードを食べなくなっている可能性も。
人間の食べ物には、犬用のフードに対して糖分や塩分が多く含まれています。
また、犬用おやつとして売られている商品は、美味しさや食いつきなど嗜好性を重視して製造されがちです。
対して、総合栄養食と表記されているドッグフードは犬の健康を第一に作られているため、比較的薄味に作られています。
そのため、塩気や甘みを好む味覚を持つ犬は、薄味のドッグフードよりもより味の濃い人間の食べ物やおやつに食いつきやすくなってしまうのです。
フードを食べづらく感じている
ご飯は食べないのにおやつだけを食べる場合、犬はフードを食べづらく感じていることも考えられます。
愛犬のご飯としてドライフードを与えている方は多いはず。
柔らかなウェットフードに対して、ドライフードは固く・大きいものが一般的です。
また、ドライフードはウェットフードに比べて水分量が少ないため匂いも控えめ。
そのため犬は食欲がそそられず、ドライフードを苦手に思っている可能性があります。
また、老犬の場合は好き嫌いではなく、食べたくても食べられずにいるのかもしれません。
犬の老化は歯やあごにあらわれやすく年齢を重ねると咀嚼する筋力の衰えによって、今まで通りに噛むことができなくなってしまいます。
ドライフードの硬さを食べづらく感じ、柔らかくて食べやすいものばかり好んで食べているといった理由も考慮したほうが良いでしょう。
おやつは食べてもご飯を食べないと考えられる問題点
ご飯を食べなくともおやつさえきちんと食べていればカロリーも摂れているだろうし、大丈夫なのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、おやつだけを食べてご飯を食べないということは、犬にとっても飼い主にとっても良くない点が多くあります。
ここからは、どのような問題点があるのか確認しておきましょう。
必要な栄養素を摂取できない
おやつはご飯の代わりにはなりません。
総合栄養食とされるドッグフードは犬に必要な栄養バランスを考えて作られています。
必要な栄養素はドッグフードさえ食べれば摂取できるのです。
しかし、おやつとして売られているスナックなどの商品は、栄養成分よりも嗜好性を重視して作られています。
例えば、塩分が多く含まれている市販のスナックなどを主食とした場合、塩分の消費量が少ない犬は塩分を多く取り過ぎることになってしまうのです。
また、人間がスナック菓子などおやつばかりを食べていると生活習慣病になるように、犬も偏った栄養補給をしていると病気になってしまいます。
栄養が足りなかったり反対に多かったりすることで、痩せ細る・肥満の恐れがあるので注意が必要です。
おやつが用意できない事態の際に困る
もし犬が病気になってしまった場合、食事管理をするよう獣医師から言われることも十分考えられます。
そのような場合、好き嫌いが激しい状態だと栄養食を与えることができません。
おやつ以外にも食べてくれるものを増やし好き嫌いをなくしておくことで、治療の幅を広げることに繋がります。
また、災害時などは限られた食材でやりくりをしなければならない時も、食べられるものが多ければ食事の選択肢が増えるでしょう。
いざという時に食べ物の選択に幅があると愛犬のご飯が手に入れやすくなります。
ウェットフードに比べて長く保存の利くドライフードは備蓄向きかつ比較的手に入りやすいため、特にドライフードには慣れさせておいたほうが安心です。
ご飯を食べずにおやつは食べる犬への対処法7選
どうしてもご飯を食べない時、体調不良・病気などの原因により食欲が低下しているという可能性もあります。
目に見えないだけで病気が潜んでいる場合もあるため、ぐったりとしていたり、原因が思い当たらない場合はぜひ病院へ行ってみてくださいね。
ご飯を食べずおやつばかりを食べるのに、体調にも異常がない、元気そうに走り回っているといった場合、それは犬のわがままな行動の一つかもしれません。
犬がご飯を食べずおやつばかりを食べる場合には、次のような工夫がおすすめです。
- おやつの量を減らす
- ドッグフードを少し温める
- ドッグフードにひと手間加える
- ドッグフードを変更する
- 食事をダラダラさせない
- おやつをドッグフードにする
- ご飯をフードから手作りにする
原因が犬の好き嫌いにある場合、改善が可能です。
愛犬の健康のためにも工夫をこらしてみましょう。
1.おやつの量を減らす
犬は学習能力の高い動物のため、美味しいものであるおやつをいろいろな方法で得ようと常に模索しています。
犬がおやつを求めるようになるのは学習能力の高さゆえですが、反対に、学習を利用しておやつを減らしご飯を食べさせるということも可能です。
方法としては、まず、おやつの量を決め、決めた分だけを与えるようにしてください。
犬に「これ以上おやつはもらえない」と学習をさせるのです。
犬が「もらえない」と諦めるまでおやつを与えないようにし、出されたご飯を食べずおやつばかりをねだる場合は無視しましょう。
可哀想だと思う気持ちが出てきてしまうかもしれませんが、愛犬の健康のためを思いグッとこらえて心を鬼にしてください。
犬に我慢するということを教えることが大切です。
2.ドッグフードを少し温める
味覚を司る味蕾の数が人間が約1万個あるのに対して犬は1,700個ほどしかなく、味覚を感じる力が人間より弱めです。
一方で嗅覚は人間の100万倍〜1億倍ととても敏感。
そのため、犬はご飯の美味しさを味よりも匂いで判断することが多いです。
ドッグフードを少し温めるという方法では、温めることで香りが立つため犬の食欲をアップを狙うことができます。
若い頃より匂いを感じ取りにくくなった老犬にもこの方法がおすすめです。
ドッグフードを温める場合、次のような方法があります。
- 電子レンジで温める
- 全ての材料をまんべんなく混ぜ、ドライヤーで軽く温める
ドライフードを温めてみても食べなかった場合は、ドライフードより香りが立ちやすいウェットフードを使ってみるのもひとつの手かもしれません。
3.ドッグフードにひと手間くわえる
固い食感を好まない犬や老犬のためドライフードを食べられずにいる場合、ふやかしたり小さくすることで食べるようになることがあります。
ふやけることで匂いが強くなるため、食欲を増すことも可能です。
また、ドッグフードにトッピングをするという方法もあります。
たとえば、次のようなものがトッピングにぴったり。
- ウェットフード
- 無糖のプレーンヨーグルト
- 茹でた鶏むね肉、鶏ささみ
- 生の馬肉
- カボチャやニンジンなどの蒸し野菜
ドッグフードにこれらをプラスすることで食欲が刺激されるかもしれません。
混ぜ合わせることで、一緒にドッグフードも食べてくれるという効果を狙うことも可能です。
4.ドッグフードを変更する
与えているドッグフードの味が好みではなかったり味に飽きたりしている場合、ドッグフードを変更するのもひとつの手かもしれません。
人間も苦手なものを食べるのは避けたいですし、同じものばかり食べていると飽きてしまうものですよね。
犬がドライフードを好まない場合には、「総合栄養食」と表記されているウェットフードを利用してみるのもおすすめです。
しかし、ウェットフードにはドライフードより比較的価格帯が高く、開封後日持ちしにくいというデメリットがあります。
商品の説明や栄養成分表をチェックし、新鮮な肉や魚を使ったフードを選択してみましょう。
もし今与えているご飯が開封後しばらく経ったものであれば新品を与えてみるという方法もあります。
風味の新鮮な餌であれば案外あっさりと食べてくれるかもしれませんよ。
5.食事をダラダラさせない
食事をダラダラとさせないことも大切です。
皿の中にご飯を入れたままにしていると、犬はいつでも好きなときに食べられると思ってしまい、ご飯よりもおやつや遊びを優先してしまいます。
おやつよりご飯を優先させたい場合、次の方法を試してみてください。
(1)フードを20~30分ほど出しておき、時間内に食べない場合は処分する
(2)フードをきちんと食べるまで1を繰り返す
処分するのは心苦しいかもしれませんが、フードを出したままにしておくことは衛生上良くありません。
また、一度皿に出したフードを保管し直すことも、雑菌が繁殖する原因になるため避けましょう。
犬はちゃんと本能的には食べなくてはいけないと理解しているため、お腹が空くと高確率で食べてくれます。
ただし、脱水症状を避けるためにも、水だけは必ず与えてください。
6.おやつをドッグフードにする
おやつとして与えるものを食事と同じドックフードにしてみる方法が一番愛犬にとってストレスのない方法かもしれません。
おやつとしてドッグフードを与えることで、だんだんと味に慣れさせることができます。
おやつから栄養補給もできるので、栄養が不足するといった心配もないでしょう。
注意点として、おやつ代わりにドッグフードを与える場合は、その分、ご飯の量も減らすようにしましょう。
フードの食べ過ぎは肥満の原因になるためです。
7.ご飯をフードから手作りにする
ご飯をフードから手作りにするという方法もあります。
手作りのご飯はドライフードに対して比較的食いつきが良く、きちんとした知識があれば適切な体調管理が可能です。
また、手作りした料理を美味しく食べる姿に喜びを感じ、愛犬とのコミュニケーションの機会も自然と増えるでしょう。
手間にはなりますが、フードをどうしても嫌がる子には手作りをしてみると良いかもしれません。
ただし、これらの守るべき基本を抑えることが大事です。
- 栄養バランスを考える
- 食べてはいけない食材を使わない
犬には犬の健康でいられる栄養バランスがあります。
人間と同じ味付けは絶対に避け、塩分や糖分を与えすぎないようにしてください。
また、人間がよく食べているものでも、犬には毒になる成分が含まれていることがあるので注意するようにしましょう。
犬に与えてはいけない食材については「犬が食べてはいけないものは?ペットを守るために知るべき危険な食べ物」の記事で詳しく解説しています。
食材の善し悪しを理解した上で、ぜひ手作りご飯を作ってみてください。
愛犬がご飯を食べないなら健康のために改善しよう
愛犬がご飯を食べないと心配になり、おやつだけでも食べてくれるとホッと安心しますよね。
しかし、犬も人間と同じで、食事に偏りがあると病気になりやすい生き物です。
偏食を改善することで犬の病気を未然に防げますし、何かトラブルがあった場合にも食事の選択に幅があると安心できるというメリットがあります。
愛犬の健康のためにも、おやつの量を減らしたり、ドッグフードにひと手間加えたりして、しっかりと食事をとれるように改善していきましょう。