「高齢者は、保護猫の里親さんに応募をすることができない」。これは、よく耳にすることです。それでも、どうしても保護猫を引き取りたいと願う高齢者の方も少なくはありません。
どうして高齢者だと、里親さんになれないのでしょうか。また、どのようにしたら高齢者でも保護猫を引き取れる可能性が出てくるのか、その方法をご説明します。
目次
自分の年齢とネコちゃんの年齢を考える
ネコちゃんという生き物の寿命は、長い子で15~20年ほどです。保護猫は雑種のことが多いので、一般的に純血種のネコちゃんよりも長生きともいわれます。
引き取った保護猫のことは、最期の最期まで飼い主さんが面倒を見ることが最善の方法です。しかし15年後・20年後に、あなたは何歳になっていらっしゃるでしょうか。
どんなことがあっても、ネコちゃんを残して飼い主さんのほうが先に亡くなってしまうわけにはいきません。残されたネコちゃんが路頭に迷ってしまいます。
そう考えていくと、人気の高い子猫を引き取ることは諦めたほうがベター。子猫は、この先20年近くも生きる可能性が高いからです。
ちょっと大きくなったヤング猫さんや、年をとって落ち着いたシニア猫さんも、とってもかわいらしいもの。子猫のようにやんちゃ過ぎないので、イタズラをされる心配も少なく済みます。また、お留守番をさせやすいというのも、大人猫さんの魅力のひとつです。
ヤング猫~シニア猫は、子猫よりも里親さん候補からの応募も少ないと予想されます。高齢者である里親さんの、ゆったりとした生活に寄り添ってくれる、落ち着きのある大人猫さんも視野に入れて保護猫を探してみるというのはいかがでしょうか。
後見人をはっきりとさせる
保護猫団体のボランティアスタッフさんたちは、その保護猫を終生飼育してくれる里親さんを探しています。途中でコロコロと飼い主さんが変わることは、保護猫にとって環境も変わるし大きなストレスもかかってしまい、良くないことだらけ。
自分に万が一のことがあったと仮定して、後見人(飼い主さんが入院したり亡くなったりしたあとに、そのネコちゃんを引き続き飼ってくれる人)をはっきりさせておくとベストです。里親さんに応募をする際に、保護猫団体さんから信頼を置かれやすくなります。
後見人は、できるだけ自分のお子さんや親族(甥・姪など)、血がつながっていて年の若めな人が望ましいです。同い年くらいの友人・知人などだと、ちょっと心もとないかもしれません。
お子さんがもしもネコちゃんが好きなら、保護猫を引き取りたいことと、高齢者なので後見人をお願いできないか相談してみましょう。お子さんも賛成してくれたなら、後見人の件は無事解決ですね。
情報収集し、保護猫譲渡会で話を聞いてみる
シニア猫さんでもいいと決め、後見人も子どもにお願いできた。それでは、まず里親さんになるために必要な情報を収集することにしましょう。
保護猫団体さんによって、里親さんに応募できる条件は変わってきます。高齢者だけの家庭は絶対にダメなのか、場合によっては高齢者も検討してもらえるのか…。各保護猫団体の方針や活動内容なども、公式ブログやホームページなどでしっかりとチェックします。
高齢者の応募を受け付けてくれる保護猫団体さんが決まり、気になるネコちゃんを見つけたなら、里親さん募集の譲渡会場に足を運んでみます。気になるネコちゃんがやはりかわいく、ぜひうちにお迎えしたいと強く思えたならば、近くにいるボランティアスタッフさんに声をかけてみましょう。
ボランティアスタッフさんは、そのネコちゃんは高齢者の応募を受け付けているかや、好みのペットフードや性格などを教えてくれる、頼れる存在です。なぜそのネコちゃんをお迎えしたいのかや、ちゃんとした後見人にお願いできていることなど、熱意を込めて伝えてみてください。
もっといい方法は、後見人を連れて一緒に譲渡会に行くことです。これは保護猫団体さんにも信頼されやすくなり、後見人にも引き取り候補のネコちゃんを見てもらえる、いいチャンスとなります。
まとめ
このように、自分自身が高齢者でも、保護猫の里親さんになることをすぐに諦めなければいけないというわけではありません。なかなか引き取り手の見つからないシニア猫さんなど、応募を受け付けてくれている保護猫はたくさんいます。
シニア猫だと長く一緒に暮らせないからと、ためらう気持ちもあるかもしれません。しかし、保護猫をお迎えするということは、そのネコちゃんの最期を看取ることも立派な役目のひとつです。
万が一にも、自分自身のほうがネコちゃんを残して倒れてしまってはいけません。保護猫の命を引き受けるということは、かわいく癒されることばかりではないのです。
その覚悟を持てるという高齢者のかたには、じゅうぶんに里親さんになれる資格があります。是非とも、自信をもって里親さんに応募をしてみてくださいね。