新型コロナウイルスが各地で猛威を振るう中、不要不急の外出を控えなければならないなど、日常生活にさまざまな支障が出ています。
そんな中、人間以外にもコロナ禍の影響を受けている動物がいます。
その動物とは、猫です。
実はコロナ禍の影響で、ノミが発生しやすくなっているのです。
では、なぜそのような状況が起きているのでしょうか。
そこで今回は、コロナ禍とノミの発生の関係についてご紹介します。
猫に発生しているノミに疑問をお持ちの方の、参考になれば幸いでございます。
目次
なんでノミが発生しやすくなっている?
ノミにはたくさんの種類がありますが、猫につくのは「ネコノミ」と呼ばれる種類のノミです。
ネコノミの体長は1.5mmから4mmで、オレンジ色や褐色をしています。
すばしっこくて活発に動くため、猫の毛の間を自由に動き回り全身のどこからでも吸血を行います。
ノミは普段草むらなどの直射日光が当たらない場所に居るので、室内飼いの猫には関係ないと思っていませんか。
実は、その考え方は間違っているのです。
室内飼いの猫にも、ノミが付くことはあります。
では、なぜ室内に居る猫にノミが付着するのでしょうか。
ノミは体温や二酸化炭素を察知し、人間に付着して室内に侵入します。
そこから、猫に付着して吸血するのです。
他にも、一緒に飼っている犬から移ったり、一軒家の場合は窓から侵入したりと様々な理由があります。
しかし、コロナ禍で外出を控えている人が多い中、ノミが発生しやすくなっているのはなぜなのでしょうか。
原因となっているのは、実はネズミなのです。
ネズミはノミの温床と言われており、ネコノミだけではなく人間の血を吸う「イエダニ」などたくさんの種類のノミが付着しています。
新型コロナウイルスの感染が拡大して、緊急事態宣言により多くの飲食店が休業や時間短縮営業を行っています。
すると、普段は飲食店でエサを探していたネズミは、エサを確保することができなくなり、新たな場所にエサを探し始めるのです。
そのため、エサを求めて道路脇に捨てられているゴミ袋に集まるネズミの姿などが、確認されています。
普段は警戒心が強くあまり人前に出ないネズミですが、人間が休業や時間短縮営業、外出自粛によりいないため、表に出現しています。
人通りの少ない道路は、エサを探すネズミにとって都合の良い場所になってしまったのです。
ですが、人通りが少なくなったとはいえ、全く人間が通らないわけではありません。
仕事や急を要する外出で歩いている人とネズミが接触し、ネコノミが人間に付着して自宅に持って帰り、飼っている猫に寄生してしまう場合があります。
また、道路だけでなく人が少なくなったショッピングモールなどの大型施設にもネズミが発生している事例や、暮らしで出るゴミを漁るために私たちの住まいにもネズミが増えてきています。
そのため、飼っている猫とネズミが接触する機会が多くなっているのです。
今後も新型コロナウイルスによる緊急事態宣言など、飲食店やショッピングモールなどに影響があると考えて良いでしょう。
それに加えて、新型コロナウイルスの感染が収まったとしても、良いエサ場を見つけたネズミが住宅地に住み着いてしまうかもしれません。
ノミの温床と言われるネズミ対策はもちろんのこと、室内飼いだからといって油断することなくネコノミのケアをしっかりと行うことが大切だといえるでしょう。
ノミの発生で起こる人畜共通感染症
ネコノミには、猫だけではなく人にも影響を及ぼす感染症があります。
ネコノミと呼ばれていますが、吸血するのは猫だけではなく、人間や犬なども吸血するので注意が必要です。
人間がネコノミに吸血されると、アレルギー反応を起こして、かゆみや腫れを引き起こします。
症状としては、かゆみが1カ月も続く場合があるほか、色素沈着を引き起こしたり、掻いて細菌に感染することもあります。
そのため、ネコノミに噛まれたら、皮膚科の受診が必要です。
また、「猫ひっかき病」と呼ばれる感染症をご存じでしょうか。
「バルトネラ菌」という菌を持ったノミが血を吸うことで、バルトネラ菌が猫にうつります。
その後、バルトネラ菌に感染した猫が人間を引っ掻くことで、人間が「猫ひっかき病」を発症します。
猫にとってバルトネラ菌は常在菌なので、感染しても症状が出ませんが、人間が感染すると重篤な症状を引き起こす大変危険な病気です。
具体的には、引っ掻かれた傷口が化膿して発熱するほか、数週間から数カ月の間にわたってリンパ節が腫れ上がり、場合によっては痙攣発作や意識障害を起こした結果、脳症になってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
ノミの吸血が原因であるため、猫ひっかき病にかからないためには、ノミのケアが大切です。
他にも、猫の爪を短く切ることも予防策として挙げられます。
また、興奮して噛まれたり、傷口を舐められることも猫ひっかき病の原因になります。
このように、人間に重篤な症状を発症させる猫ひっかき病を避けるためには、愛猫とのふれあい方を工夫することが大切です。
ノミに噛まれた時の猫の症状
ネコノミは、小さくて気付きにくいですが、猫がネコノミに噛まれると様々な症状が発症します。
例えば、猫がネコノミに刺されると激しいかゆみに襲われるので、頻繁に掻きむしるようになります。
傷1つ1つは小さいですが、ネコノミの繁殖力はすさまじく、傷が増えるとかゆみも増えるため、猫にとってはかなりのストレスといえるでしょう。
さらに、ネコノミの出す唾液によってアレルギー反応を起こして、皮膚炎になることもあります。
同じ場所を何度も掻きむしることで傷になり、そこから二次感染症を起こすことも珍しくありません。
また、ネコノミはサナダムシの一種である瓜実条虫の幼虫を、体内に持っている場合があります。
グルーミングの時に、瓜実条虫の幼虫を持っているノミを猫が食べてしまうと、瓜実条虫が猫の腸内に寄生して、成虫になってしまいます。
瓜実条虫は、猫の体内で50㎝にまで成長することもありますが、症状として異常を起こすことはありません。
瓜実条虫の一部が排泄物と共に出てくるので、その時に肛門付近を気にする様子があります。
排泄物に米粒のようなものが付着している場合は、瓜実条虫に寄生されていると判断して良いでしょう。
しかし、寄生している瓜実条虫の数が多い場合は、食欲が落ちてしまったり、下痢などの症状に加えて痙攣などの神経症状も起こるため、放っておかずに動物病院で診察してもらいましょう。
他には、血を吸うネコノミによって貧血を起こす猫もいます。
多くのネコノミに刺された猫や、体の小さい子猫などは、貧血になりやすいので注意が必要です。
また、猫の毛に艶が無くなる場合も、ネコノミに噛まれた時の症状の1つです。
最近猫の毛がガサガサしていると気が付いたら、ネコノミがいないかをチェックしてあげましょう。
まとめ
今回は、新型コロナウイルスの拡大により、飼い猫に影響があるノミの発生が多くなっている事情について、ご紹介しました。
猫はもちろん、放っておくと人間にも被害を及ぼすネコノミは、コロナ禍によって意外な場所から増えています。
可愛い愛猫を守るためにも、ネコノミ対策をしっかり行って、健康を守っていきましょう。
ネコノミ対策などを適切に行うことで、愛猫がより快適に暮らせる環境づくりを考えて見ましょう。
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