犬が行う珍しい仕事3選

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犬は、一般的に人間の2、3歳児に相当する知能を持っているとされるほど、頭の良い動物です。

犬種にもよりますが、理解できる言葉の数は165にも及ぶと言われ、なんと数字も4から5ぐらいまで数えることができると言われています。

 

そんな頭の良さがあったからこそ、犬は狩猟犬などの役割を担いながら、1万年以上昔から人間と共に歩んできたのだと考えられます。

また、現代では人間の文明が進歩することに伴い、犬が担う仕事もますます多様化しているといえるでしょう。

 

例えば、視力にハンデを抱えた人を介助する盲導犬は広く知られており、街中などで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

CMやドラマに出演するタレント犬も、目にしない日はないと言っていいほど社会に浸透しています。

しかし、犬の仕事はこれらのメジャーなものだけではありません。

 

そこで今回は、社会に大きく貢献している犬たちの珍しい仕事について、さまざまな情報をお届けさせていただきたいと思います。

 

災害救助犬

 

最初にご紹介させていただくのは、人の命に密接に関わる大切な仕事である災害救助犬です。

災害救助犬はレスキュードッグとも呼ばれ、さまざまな災害で行方不明になってしまっている被害者を捜索する役割を担っています。

 

特に昨今の日本は、地震をはじめ台風や水害、それらの二次災害である土砂崩れなど、人的被害を伴う大災害が頻発しています。

 

建物の倒壊や地形が崩壊してしまうような災害時は、人が生き埋めになってしまう、流されてしまうといったケースも少なくありません。

そのような状況で被害に遭ってしまった人の生存率は、どれだけ早期に発見されるか、怪我や体力の消耗に対する適切な治療を迅速に受けられるかによって変わってきます。

 

そこで活躍するのが、行方がわからなくなってしまった人々を嗅覚で探す訓練を受けた、災害救助犬なのです。

犬の嗅覚は、人と比べて数千万倍から一億倍にも及ぶほど鋭敏だとされており、地形が崩れて視界が利かなくなってしまったような場所でも、その大いに力を発揮してくれます。

 

また、人間よりも小柄で身軽な特徴を活かして、人間では入り込めないような場所の捜索を担っていたり、泳げることを活かして水難事故の救助でも活躍しているのです。

 

他には、昔ながらの雪山救助犬も活躍しており、遭難だけでなく雪崩に巻き込まれた被害者を探し出すなどの重要な仕事を引き受けています。

しかし、災害救助犬が現在のような高い信頼性を得るまでには、さまざまな紆余曲折がありました。

 

国内では、阪神淡路大震災のときに海外から災害救助犬が派遣されてきましたが、この救助犬たちはあまり活躍することができませんでした。

なぜなら、倒壊した都市に散乱した食べ物の匂いにばかり反応してしまい、人間だけを探し出すことができなかったのです。

 

日本レスキュー協会はこの欠点を改善するべく、食べ物に反応しない救助犬を独自の訓練で育成しました。

日本の災害救助犬は、実戦形式の捜索訓練を数多くこなすことで、世界でもトップクラスの優秀さを誇っているのです。

 

セラピードッグ

 

みなさまは、アニマルセラピーという言葉を耳にされたことはございませんか?

動物たちの無垢な瞳は、人間の傷付いた心を癒してくれるとされ、古くは古代ローマの時代からアニマルセラピーと同様の考え方があったことが記録されています。

 

また、動物によるセラピーは健康を促す効果があるというデータもあり、ペットを飼っている人は飼っていない人と比べて20%通院回数が少ないそうです。

 

アニマルセラピーにより、ドイツでは7500億円、オーストラリアでは3000億円もの医療費削減につながっているとされています。

その中でも盛んに活動が行われているのが、犬による療養効果が期待できるセラピードッグです。

 

犬は人間にとても忠実で愛情深い動物であり、高齢者や障がいを持たれている方、ガンのような重病を患っている方などの療養に、優しく寄り添ってくれます。

 

特に、セラピードッグとしての認定を受けている犬たちは専門的な訓練を受けており、相手に合わせた適度なスピードを保ちながら、人の隣を歩くことが得意です。

人と積極的にアイコンタクトを図り、高齢者がベッドに寝そべる際の介助を行うこともあります。

 

セラピードッグは、ハンディキャップのある方や病気の辛い治療で精神的なダメージを負ってしまっている方に、大きな安らぎをもたらしてくれるのです。

心のケアだけでなく状態の改善にも寄与しており、セラピードッグがリハビリの手伝いをすることで機能回復の手助けになったケースも非常に多く見られています。

心身共に人の手助けとなってくれるセラピードッグたちは、社会になくてはならない存在なのです。

 

また、セラピードッグという仕事は、犬たちにとっても1つの受け皿となっています。

例えば、捨て犬や災害によって家族を亡くしてしまった犬などが引き取られ、丁寧に心身のケアを受けた後に、セラピードッグとしての訓練を受けるケースも多いのです。

セラピードッグという制度は、人にとっても犬にとっても優しいものと言えるでしょう。

 

警察嘱託犬

 

犬が従事している仕事の中でも、特に知名度が高いのが警察犬です。

犬が警察官と一緒に歩き、嗅覚や身体能力を活かして俊敏に活躍する姿を、テレビなどで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

そんな警察犬たちは、直轄警察犬、嘱託警察犬という2つの種類に分かれています。

 

直轄警察犬とは、各地の都道府県警によって飼育され、直に訓練を受けて警察犬として働いている犬のことを指した名称です。

そして、今回ご紹介させていただく警察犬は、もう1つの種類である嘱託警察犬です。

 

嘱託警察犬は、警察ではなく民間の方によって育成されており、警察の審査に合格することで嘱託警察犬としての認定を受け、活動することができます。

現在日本国内で活動している警察犬は1400頭弱存在していますが、実はそのうち約1200頭は嘱託警察犬なのです。

 

県によっては、採用している警察犬のすべてが嘱託警察犬というケースもあり、警察犬の運用において嘱託警察犬はなくてはならない存在といえるでしょう。

また、直轄警察犬と嘱託警察犬の大きな違いとして挙げられるのが、犬種です。

 

直轄警察犬に採用できる犬種は、エアデール・テリア、シェパード、ドーベルマン、ボクサー、コリー、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーだけに限られています。

これらの犬種は、捜査に必要とされる能力が犬の中でも特に高いため、公益社団法人日本警察犬協会によって指定されているのです。

 

しかし、嘱託警察犬は各都道府県によってさまざまな条件があり、場合によっては犬種を問わない場合もあります。

そのため、珍しいケースではチワワやトイ・プードルといった小型の可愛らしい犬が、警察犬として採用されたこともあるようです。

 

また、警察犬の代表的な仕事は足跡の追跡と嗅覚による捜査ですが、これらは専門的に鍛えた分野のみを担当することで、より力が発揮できる仕組みになっています。

警察犬は、犯罪の捜査だけでなく行方不明になった人の捜索などにも役立ってくれるため、警察の捜査においてなくてはならない存在なのです。

 

警察犬たちは、人間だけでは補えない複雑な仕事を行うために日々特殊な訓練を繰り返しており、その訓練内容は多岐にわたります。

嘱託警察犬も民間で同様の訓練を積んでおり、要請があればいつでも出動できる体制を整えているのです。

忠誠心が強く、とても賢い「犬」という生き物だからこそ担える、非常に重要性の高い仕事だと言えるでしょう。

警察犬たちは、私たちの安心安全な暮らしを日々支えてくれているのです。

 

まとめ

今回は、ペットとして馴染み深いワンちゃんたちが担ってくれている、特殊な仕事についてご紹介させていただきました。

 

街中やテレビなどで見かける愛嬌溢れる姿だけではなく、賢く凛々しい姿を見せてくれることも犬の特徴です。

 

もし、仕事に取り組んでいる犬を見かけた時は、ぜひその働きぶりに注目してみてください。

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