犬を飼い始めるまで知らなかったという方が多いのが、犬の生理です。
人間以外で生理が来る動物は比較的珍しく、哺乳類なら必ず来るというものではありません。
人間と犬を除くと一部のサルやネズミ、コウモリなどの動物だけに限られており、犬に生理があることを知らずにメスの犬を飼い始めると、不意の出血に戸惑ってしまうかもしれません。
そこで今回は突然の生理に驚かないために、犬の生理に関するさまざまな情報をお届けいたします。
目次
犬の生理が始まる時期
一般的に、犬の生理が始まるのは生後6~10ヶ月頃までです。
犬の生後6ヶ月は人間に換算すると11歳くらいであるため、人間と同じようなタイミングだと言えるでしょう。
生まれてから少し経ったタイミングの子犬を飼い始めると、まだ子犬との生活に慣れていないうちの生理に慌ててしまいがちです。
子犬のうちから生理が始まるものだということをしっかりと認識しておくことで、適切に対処することができるでしょう。
犬の生理が続く期間
犬の生理はどれくらいの期間続くのでしょうか。
実は、人間の生理と犬の生理はその様子が大きく異なるところがあり、犬の生理期間は非常に不安定なものなのです。
犬種や個体によって差があるため、自分の飼い犬はどれくらいの周期なのかをしっかり把握しておく必要があります。
これを人間の生理と同じようなものだと捉え違えてしまうと、愛犬に思わぬ負担を強いてしまうことになりかねません。
ここからは犬に訪れる生理の具体的な周期や期間について、見ていきましょう。
犬の生理は半年に1回
人間の生理と大きく異なる点として、犬の生理は基本的に半年に1回ほどの間隔で訪れるものだという点が挙げられます。
人間の場合はおよそ月に1度の間隔で訪れますが、人間と犬とではサイクルも体の状態も、かなり異なります。
犬の生理は別名でヒートとも呼ばれ、これは発情を意味しています。
人間の生理とは違って、犬の生理は子宮内膜が充血し、受胎準備が整ったことを示す現象です。
人間の生理は妊娠しなかったことで起きる、犬のヒートは妊娠するために起きる、という違いを認識しておきましょう。
また、犬の生理はいくつかのサイクルに分かれています。
発情前期、発情期、発情休止期、無発情期を経て、再度発情前期に戻っていくというサイクルが1年間を通して行われるのです。
発情前期は発情の準備期であり、妊娠するために必要な体内の臓器や器官が準備を始めます。
フェロモンを含んだ尿でマーキングを行うため、室内犬の場合はマーキングに注意が必要です。
発情期は交尾を行う時期であり、この時期に犬は受精することが可能になります。
発情休止期はその名の通り発情が止まる時期で、妊娠と分娩、授乳などを行うのもこの時期です。
無発情期は、1年のうち4~8ヶ月を占めており、この期間には卵巣が動きを止めています。
生理が起きるのはこのサイクルのうち発情前期と発情期であり、あわせて20日前後が平均的な生理の期間です。
排卵を前に控えたタイミングを皮切りに、陰部から粘り気のある出血が見られます。
しばらく日にちが経って、発情期が中ごろを過ぎるころには血の色が薄くなり、出血量も少なくなっていくため、基本的に出血そのものを心配する必要はありません。
無発情期の長さがどの程度かは個体差があるため、犬と過ごしていくうちに、その子のサイクルを徐々に把握していくのが良いでしょう。
小型犬の初めての生理は6~10ヶ月ごろ
初めて生理が来るタイミングは、飼っている犬のサイズでおおまかに予測することもできます。
基本的に体が小さい犬の方が早めに生理が訪れると言われており、生後6~10ヶ月ごろを目処に生理が来る子が大半です。
あくまで目安であり、5ヶ月ほどで初めての生理を迎える場合もあるため、いざ生理になってしまった時の備えは5ヶ月を迎えるころには済ませておくとよいでしょう。
大型犬の初めての生理は10~12ヶ月ごろ
一方、大型犬の場合は小型犬に比べて初めての生理が遅めです。
目安としては生後10~12ヶ月ごろで、飼うのに慣れたころに来てくれるという印象でしょう。
ただし小型犬に比べて出血量は多くなりがちなため、十分に備えをしておく必要があります。
生理が続く期間そのものにはサイズ差はあまりなく、個体差によって左右される部分が多くなっています。
一度経験することで愛犬の生理の傾向がわかるようになりますが、初めての生理にはしっかり心構えしておくと良いでしょう。
なお、小型犬も大型犬も、一般的なタイミングを数ヶ月過ぎても生理が来ないという場合には、一度動物病院に連れて行き相談することをおすすめします。
犬が生理になったらしてあげるべきこと
以前は犬の生理に痛みや辛さは伴わないと考えられていましたが、研究が進んだ結果、個体によっては生理になると不調になってしまう子もいることが明らかになりました。
もし、自分の愛犬が生理になってぐったりとしていたら、辛くないようしっかりとケアしてあげたいところですよね。
しかし、人間の生理とは仕組みが異なるため、どうしてあげればいいのか迷ってしまいがちです。
ここからは犬の生理のケアのために、飼い主として知っておきたい知識をいくつかご紹介します。
生理中の犬との接し方
人間と同じように、生理中の犬は気持ちが不安定になることがあります。
普段は穏やかな子でも突然吠え出したり、暴れたりといった行動に驚かされることがあるかもしれません。
これは生理中特有の行動であり、基本的には短期間で収まるものだということを覚えておきましょう。
犬が多少普段と違う行動をしても強く叱らず、ゆったりと構えて広い心で受け入れてあげることで、愛犬も落ち着いた気持ちで過ごすことができるはずです。
また、個体差はありますが、生理中の犬は食欲が低下することもあります。
あまりにも少食になっていたり、全く食事に手を付けてくれない場合には病院への相談も考えなければなりませんが、多少食欲がないくらいなら様子を見ても良いでしょう。
他にも飼っている犬がいる場合、生理中は喧嘩になりやすいため飼い主が気を配る必要があります。
未去勢のオスの犬がいる場合は不慮の妊娠が起きてしまう可能性もあるため、同じ部屋に入れないなどの注意が必要です。
おむつ・マナーパンツの使い方
生理中はおりもので床やカーペットなどを汚してしまうことがあるため、おむつやマナーパンツを履かせておきましょう。
しかし、血が出ている状態でおむつやマナーパンツを長時間履かせたままにしていると、かぶれてしまう場合があるため、こまめに拭いて清潔な状態を保ってあげましょう。
また、小型犬の場合は基本的に出血量が少ないため部屋が汚れにくく、舐めとるなどして自分で綺麗な状態を保つ子もいます。
この場合はおむつやマナーパンツが必要ない場合もあるため、出血量などを見ながら調整していくのが良いでしょう。
注意しておきたいポイント
生理中は、散歩に連れていく際に注意が必要となります。
生理中の犬は性ホルモンによってオス犬を惹き付ける特徴があり、散歩中に他のオス犬に会った際に覆い被さられるなどのトラブルが起きるかもしれません。
犬を散歩させている人が多い夕方などの時間帯を避け、細心の注意を払いながら散歩しましょう。
また、リードを外した犬が自由に行動できるドッグランに入れてしまうと、突発的な交尾によって妊娠するリスクがありますので、生理中は避けた方が良いでしょう。
他にも、生理の出血が2週間を過ぎても止まらない場合は、慎重に経過を観察しなければいけません。
一向に収まる気配がないようであれば、何かしらの疾患を抱えている可能性があるため、動物病院に連れて行ってあげることをおすすめします。
まとめ
今回は犬の生理について、さまざまな情報をお届けさせていただきました。
犬を飼い始める前は、生理があることを知らなかったという方も少なくありません。
人間のものとは仕組みが異なるため、知識がないままに接していると驚くこともあるでしょう。
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