愛猫とじゃれ合っていると、歯を立てて甘噛みしてくることがあります。
今まで楽しそうにしていたのに、急に噛まれると驚く方も多いはずです。
また、愛猫に何かしてしまったのではないかと思い、不安になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、猫の甘噛みにはさまざまな理由があることをご存じでしょうか。
実は甘噛みをそのままにしておくと、危険な場合もあるのです。
そこで今回は、猫が甘噛みしてくる理由についてご紹介します。
目次
猫の甘噛みって何?
猫の甘噛みとは、飼い主の手や腕に歯を立てて噛んでくることを指します。
ご飯などを食べる時の噛み方と違い、完全に顎を締めないで緩く噛んできます。
また、噛みついたあとにそのまま何度か口を動かして、さらに噛んでくることもあります。
猫が甘噛みする時期は、子猫から2歳ほどまでといわれていますが、遊びが好きな子は2歳を過ぎても甘噛みを行う場合があるのです。
では、猫はなぜ甘噛みをするのでしょうか。
猫が甘噛みしてくる理由
歯の生え変わり
子猫から成猫へ成長する過程で、歯が乳歯から永久歯へ生え変わります。
生え変わるときに歯がムズムズしてかゆくなるので、そのストレス解消に甘噛みをする子が多いようです。
永久歯は、早い場合で生後3カ月から生え始めます。
その後、生後6か月から7カ月にかけて生え揃っていきます。
そのため、生後3カ月から7カ月の子猫が飼い主の手や指を甘噛みしてくる場合は、歯の生え変わりが原因である可能性が高いです。
猫が過ごしている部屋に乳歯が落ちていないか、口の中が出血して口臭が気にならないかをチェックしてあげましょう。
また、歯の生え変わり時期の甘噛みは永久歯に生え変わった時点で治まることが多く、成長過程の一貫なので、特に心配する必要はありません。
猫の狩猟本能
猫には狩猟本能がありますが、飼い猫の場合は外で狩りを行う必要がありません。
しかし、飼い主と遊んでいるときにその本能が刺激され、甘噛みを行う時があります。
例えば、飼い主が手や指を素早く動かすと、猫は狩りをしている気分になるため、興奮して甘噛みをしてしまうことが多いようです。
また、手や指の甘噛みをそのままにしておくと、猫は噛みついていいものと思ってしまいます。
その状態を放置していると、成猫になっても噛み癖がついているため、飼い主がケガをする原因になります。
放っておいて欲しい
猫は気まぐれな性格です。
例えば、飼い主の元に構ってほしそうによってきたのに、いざ身体を撫でると急に甘噛みされたというご経験はありませんか?
これは「もう触らないで欲しい」「触り方に不満がある」という意味の甘噛みです。
このような理由の甘噛みを、愛撫誘発性攻撃行動といいます。
そのため、もし撫でているときに甘噛みされたら、すぐに触ることをやめましょう。
また、尻尾をパタパタと動かし始めたり、耳を伏せたりするのは、イライラしているサインです。
甘噛みされたくない場合は、撫でながら猫の様子を観察してみましょう。
愛情表現
猫は、触ってほしくないという拒否の理由でも甘噛みをしますが、反対に愛情表現でも甘噛みをします。
甘噛みは猫にとってスキンシップの1つであり、親子や兄弟間などでもよく見られる行動です。
そのため、普段猫のお世話をする飼い主を母親と思い、甘えて甘噛みをしてくることがあるのです。
飼い主に撫でられて気持ちが良かったから、そのお返しに甘噛みをします。
また、お腹が減った、遊んで欲しいなど、気持ちを表現するときにも甘噛みを行います。
発情期
オス猫が繁殖期を迎えると、飼い主の手や家具などに噛みつくことがあります。
これは、ネックグリップと呼ばれる行動です。
子猫の首筋を母猫が噛むことで子猫が大人しくなることを「不動化反射」といい、これは子育ての時期に必要な行動です。
それと同様に、交尾の時はオス猫がメス猫の首筋を噛んで、大人しくさせます。
このようなネックグリップを、飼い主に行う場合もあるのです。
ネックグリップは本能的な行動であるため、叱ってやめさせることはできません。
猫の甘噛みへの対処法
遊ぶときはおもちゃを使う
猫は、遊んでいると狩猟本能が刺激されます。
そのため、飼い主の手や指で遊んでいる場合は、甘噛みすることが多くなってしまいます。
しかし、可愛いからといってそのままにしておくと、成長しても飼い主の手や指を噛む癖がなくなりません。
また、成猫の甘噛みは噛み痕になるだけではなく、出血などの怪我に繋がります。
仮に免疫力が落ちている時に噛まれると、噛まれた部分が腫れあがるパスツレラ症になる危険性もあるので、注意が必要です。
猫と遊ぶときは、手や指ではなくおもちゃを使うようにしましょう。
痛いことを伝える
猫は素早く動くものに反応して、甘噛みを行います。
そのため、場合によっては猫の前を通り過ぎる際の足の動きに反応して、噛まれることもあります。
その時は、「痛い!」という言葉をはっきりと発してみましょう。
「痛い」ということを、リアクションで伝えることがポイントです。
猫同士でコミュニケーションを取る場合、じゃれ合いながら嚙む力の加減を覚えていきます。
例えば、子猫の甘噛みの力が強いと親猫は悲鳴を上げ、噛む力が強かったことを教えるのです。
これと同じ行動を取ることで、猫に今の甘噛みは痛かったということを伝えるようにしましょう。
噛まれた箇所を口の中に入れる
甘噛みされて痛みを感じると、反射的に手を引っ込めてしまいます。
しかし、手を引っ込めてしまうと、猫は獲物が逃げてしまうと勘違いして興奮するのです。
それが、より強く甘噛みをする原因になります。
そのため、甘噛みされた際は、手を引っ込めるのではなくそのまま口の中に押し込むようにしましょう。
そうすると、猫は我に返って甘噛みをやめてくれます。
また、甘噛みをすると口の中に手を入れられるという嫌な経験を覚えるため、甘噛みを減らすことができるのです。
遊ぶ時間を増やす
遊ぶ時間が足りないストレスから、甘噛みする場合もあります。
その時は、猫の狩猟本能を満たしてあげられるおもちゃなどで、遊んであげることが大切です。
猫じゃらしやジャンプして遊ぶようなおもちゃなど、多種多様なおもちゃが販売されているので、猫に合ったおもちゃでストレスを発散させてあげましょう。
一度その場所から離れる
もし、おもちゃで遊んでいても甘噛みがひどい場合は、一度その場を離れてみましょう。
興奮している状態から一度離れて冷静になることによって、猫は落ち着きます。
その後、落ち着いた様子を確認したら、再び遊びを再開してあげましょう。
そうすることで「甘噛みすると遊んでもらえなくなる」と学習するため、甘噛みをやめさせることができるかもしれません。
まとめ:甘噛みに適した対処をして、幸せな猫ライフを送りましょう
猫が甘噛みしてくる理由は、さまざまです。
甘えたい、構って欲しいという理由から、放っておいて欲しい場合もあるため、状況によって変化するといえるでしょう。
また、甘噛みを放っておくと思わぬ事故に繋がる可能性もあるので、甘噛みを行う理由を理解して、必要な場合はやめさせることが大切です。
適切な対策を行って、愛猫とより良い関係性を構築し、幸せな猫ライフを送りましょう。
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