昭和や平成の初期の頃と比べて人とペットの関係性は大きく変化し、近年はペットも家族の一員として暮らしている家庭が増えています。
その中でも特に猫は人気の高く、新しく猫と暮らし始めたという方も多くいるでしょう。
そんな猫の冬の寒さ対策について、気になる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、冬場の寒さ対策として猫に服を着せても良いのかという点について、詳しくご紹介させていただきます。
目次
服を着せるメリット
猫に服を着せることは、メリットもデメリットもあります。
「猫に服を着せたらより可愛くなる」という点は大きなメリットであり、大好きな猫を自分の思うように着飾ってあげるのは楽しいものです。
SNS映えもするため、色々な服を着せてみたくなる方も多いのではないかと思います。
しかし、猫の服には可愛いというメリット以外にも多くの利点があります。
ここでは、実利的なメリットとデメリットについてチェックしていきましょう。
保温性
猫に服を着せるメリットとしてまず挙げられるのは、体を布で覆うことによって得られる保温性です。
人間が服を着るのと同じように、猫も体を布で覆ってあげることで体を温かく保つことができます。
猫は元を辿れば砂漠地帯の出身であり、暑さよりは寒さに弱いという特徴を持っています。
特に毛が短い品種は冬が苦手で、しっかりと温度管理をしてあげないと風邪などの体調不良の原因になってしまいかねません。
冬場になるとヒーターの前など暖かい場所からじっと動かなくなる子もいるため、冬の寒さに困っている姿はなんとかしてあげたくなるものです。
そんな寒さへの対策の1つとして、服を着せるのは有効な手段だと言えるでしょう。
保湿性
冬は人間と同じように猫の肌も乾燥しがちです。
毛並みに隠れてあまり目立ちませんが、毛の下の皮膚からは水分が失われてしまっているケースが少なくないのです。
場合によっては乾燥によってフケが出たり、肉球がカサカサした質感になったりとわかりやすい症状が出ることもあります。
服を着せてあげることで、乾燥した空気から体を守ったり、保湿性を高めたりすることができるでしょう。
また、肉球に保湿クリームを塗ってあげるなどの対策を併せて行うことで、健康を保つ助けにもなります。
服を着せるデメリット
猫に服を着せるメリットを考えると、必ず服を着せてあげた方が良いように感じられるかもしれません。
しかし、猫に服を着せることは決して良い面だけではないのです。
続いて、猫に服を着せることで生じるデメリットをチェックしていきましょう。
ストレスになる
猫は元々服を着る必要がない生き物です。
そのため、服を着ることでストレスを与えてしまう原因となりかねません。
特に猫は締め付けなど体の自由を奪うものを嫌う傾向が強く、個体差はありますが、衣服を着ることにストレスを感じてしまいがちな生き物だと言えます。
動きの邪魔になる
猫は柔軟で軽やかな動きを得意としていますが、その身のこなしは絶妙なバランスによって成り立っています。
そのため、本来身に付けることのない衣服は、そのバランスを崩す原因となることもあるのです。
四肢の動きを制限してしまうような服や、体幹の調整に大きな役割を果たしているヒゲが隠れてしまうような服は、特にその傾向が強いと言えるでしょう。
引っかかって怪我をしやすい
服を着慣れていない猫は布の面積を考えずに身動きをするため、服をどこかに引っかけて怪我をしてしまうというケースが時折見られます。
猫は家具の下や裏など狭い場所に潜り込むことも多いため、引っかかって身動きが取れなくなってしまうリスクも考えておく必要があるでしょう。
引っかかりやすいような部位が多いヒラヒラした衣服などは、できるだけ避けてあげた方が無難かもしれません。
猫に服を着せる際の注意点
メリットとデメリットの両面を鑑みると、猫に服を着せていいのかは非常に迷ってしまうところです。
デメリットは確かに存在していますが、猫が寒さに弱いことも事実であり、一概に悪いとばかりも言い切れません。
特に寒がりで極端に運動量が減ってしまうような子の場合は、服で暖かさを確保してあげることにも大きな意味があると言えるでしょう。
そこで、猫に服を着せる際の注意点をいくつかまとめてみました。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
嫌がる子には無理やり着せない
一番に意識しておきたいのは、猫が服を嫌がるような素振りを見せたら無理には着せないということです。
服によるストレスをどの程度感じるかは個体差が大きく、着せた瞬間に不愉快そうに暴れ出す子もいれば、まるで気にしていないような子もいます。
しかし、一見気にしていないように見えても動きがおかしくなっていることもあり、気づかずに放っておくとストレスの原因となってしまいかねません。
猫の普段の様子を一番知っているのは飼い主ですので、服に対する反応をしっかりと観察してあげましょう。
人の目があるところだけで着せる
もう1つの注意点が、着せるのは人の目があるところでだけということです。
上述のように、猫の衣服がどこかに引っかかると、怪我や身動きがとれなくなるなどの原因となってしまいます。
例えば、一日家を空けるときに猫に服を着せたままで出かけてしまうと、飼い主がいない状態で猫は物陰に潜り込み、そこで衣服を引っかけて動けなくなってしまうかもしれません。
すぐに助けてあげられなくて大変なことになってしまうことも考えられるため、事故を防ぐためにも目が行き届いている時にだけ着せるという点は徹底してあげましょう。
まとめ:その子に合わせた柔軟な対応を!
寒さ対策など猫のためを思って服を着せてあげたいという気持ちは、多くの飼い主が考えることでしょう。
猫に衣服が合うかどうかは着せてみるまでわからないため、しっかりと観察してあげることが重要です。
また、猫は飼い主に言葉で思いを伝えることができないため、人間が思っている以上に、実は衣服をストレスに感じてしまっているというケースもあるでしょう。
そんな事態を防ぐためにも、猫の様子をよく観察して、獣医などの専門家や相談できる相手にアドバイスを求めてみるのがおすすめです。
本サイトではペットに関する無料相談を受け付けています。
猫の衣服に関することやその他さまざまなお悩みに対応しておりますので、ペットに関するお悩みや疑問がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。