頭を振ったり耳を掻く。ワンちゃんにそんな様子が見えたら、外耳炎を疑いましょう。耳の穴の入り口から鼓膜にかけての外耳道に炎症が起きる外耳炎は、ワンちゃんに多い病気です。放置していると内耳にまで炎症が広がり、治癒に時間がかかってしまいます。
この記事では、外耳炎の特徴や原因、予防法について紹介しています。定期的にワンちゃんの耳の状態をチェックして、早めに異変に気付いてあげるのが、外耳炎の早期発見には重要です。
目次
犬が外耳炎にかかったら臭いでわかる
ワンちゃんの外耳炎が進行すると、嗅いだら異変に気付くほど特徴的な臭いがします。耳をめくったときの臭いに驚いて、慌てて病院に連れていく飼い主さんもいるほどです。しかし外耳炎の症状は、耳の臭いだけではありません。軽微な症状に気付いてあげれば、もっと早く治療を始めることもできます。
臭い以外の外耳炎の特徴
・耳が痒そう/痛そうにする
頻繁に耳を掻く動作が見られるのであれば、外耳に限らず耳内部に異変が起きている可能性があります。炎症が痛むようになれば、耳を触らせまいと攻撃的になるワンちゃんもいるほどです。
・耳がいつもより赤い
自宅で耳の中まで観察するのは不可能ですが、外耳炎の場合は炎症が耳の外側にあるため見つけやすいと言われています。いつもより耳が赤く見えると、外耳炎を起こしている可能性が高いのです。
・首を振ったり、耳を下にして頭を傾ける
普段からワンちゃんに見られる仕草ですが、外耳炎にかかっているといつもより頻繁にこの動作をするようになります。痒みや痛みにワンちゃんがストレスを感じている状態なので、早めに病院に連れて行ってあげましょう。
レトリーバー系のような大型犬の場合は、頭を振りすぎて耳の中の軟骨の毛細血管が切れてしまう子もいます。血や漿液(しょうえき)がたまる耳血腫(じけつしゅ)を起こすと、外耳炎以外にも耳血腫の治療も必要となってしまうのです。ワンちゃんの異変には、飼い主さんが早めに気付いてあげましょう。
・耳垢がべったりと付く
コットンなどで耳を拭って茶色~黒褐色の耳垢が取れた場合は、外耳炎を疑います。緑色の膿が耳の穴に付着している場合は、強い炎症を起こしている可能性が高いので至急お医者様に診ていただきましょう。
外耳炎の主な原因
外耳炎を引き起こす原因はいくつかありますが、その多くが細菌や真菌の繁殖です。梅雨の時期は特に耳の内部が湿気やすいため、外耳炎が起こりやすくなります。
<外耳炎の原因>
・耳道に細菌や真菌が繁殖
・耳ダニなどの寄生虫感染
・アトピーやアレルギー、腫瘍、植物の種などが耳に入ってしまう
炎症が軽度であれば、耳道内の洗浄や点耳薬での治療で済むケースがほとんどです。炎症が進行していればいるほど、治療期間や通院回数も増えます。ワンちゃんのためにも、早期発見・早期治療をしてあげたいものです。
犬の外耳炎の予防方法
耳の中が痒かったり痛かったりするのは、ワンちゃんにとって大きなストレス。出来る限り外耳炎は防いであげたいものです。だからと言って、頻繁に耳掃除をすると耳の内部を傷つけてしまいます。
耳を清潔に保つのも重要ですが、普段の状態を把握しておくことはもっと重要です。普段の状態を知っていれば、ワンちゃんの些細な変化に気付いてあげられるのです。
耳を清潔に保つ
耳垢の溜まりやすさは、犬種によって異なります。耳掃除のやり方や頻度は、お医者様の指示を仰ぐのがベストです。家で普段からできるのは、ガーゼで拭ける範囲の汚れを拭ってあげることです。
普段の状態を観察する
異変に気付くためには、普段の状態をよく知っていなければなりません。耳の赤みや耳垢の色味、臭いなどを普段から把握しておきましょう。
外耳炎になりやすい犬種
外耳炎は一般的に若いワンちゃんの発症が多いとされています。また、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを持っているワンちゃんもかかりやすいようです。たれ耳だったり、耳道が狭かったり、耳毛があったりする犬種のワンちゃんも、外耳炎になりやすいと言われています。
外耳炎になりやすい代表的な犬種
耳が垂れている犬種:レトリーバー系、コッカー・スパニエル系など
皮膚が弱い犬種:フレンチブルドッグ、パグなど
耳道に毛が生えている犬種:ヨークシャーテリア、トイプードルなど
まとめ
ワンちゃんに多い病気である外耳炎は、強い痒みや痛みを伴います。普段からよく耳の状態を観察して、異変には早めに気付いてあげましょう。外耳炎になりやすい犬種のワンちゃんは、耳が湿っぽくなる梅雨の時期は特に要注意です。定期的な耳のケアと観察を怠らないようにしましょう。