犬のご飯の回数は年齢によって異なります。
人間も子どもと成人では食事の量が異なるように、犬も食事の回数を変化させるのが一般的です。
この記事では犬のご飯の適正な回数と与える際の注意点について解説します。
正しい与え方を理解したうえで、食事の回数を決定しましょう。
目次
犬のご飯の回数と量は年齢に合わせて変化させる
犬のご飯の回数や量は、年齢に合わせて調整していくのが基本的なスタイルです。
ここでは次の3つの時期に分けて、適切な回数とご飯の量を見ていきましょう。
- 幼犬期(子犬・パピー)
- 成犬期
- 老犬期(シニア犬)
基本的にペットショップなどから迎える子犬は生後56日を超えています。
動物愛護管理法により販売する犬の引き渡し時期は「生後56日を超えていること」と定められているためです。
生後3週間程度は母犬の母乳を飲んで過ごす授乳期ですが、お迎えする頃には離乳している可能性が高いでしょう。
念のため、離乳できているか、離乳食がどの程度進んでいるかをお迎えする際に確認しておくと安心です。
幼犬期(子犬・パピー):3〜5回
消化器官が未発達な子犬は、一度にたくさんのご飯を食べると消化不良で嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。
一方で、成長するために多くのエネルギーが必要になるため、カロリー計算をしたうえで、きちんと栄養補給することが大事です。
カロリー計算のやり方については「犬のカロリー計算はどうする?フード量を決める計算方法を知ろう」の記事で詳しく解説しています。
カロリー計算で1日に必要なカロリーがわかったら、月齢に応じて以下のように小分けに与えるのがいいでしょう。
- 生後3か月まで:3~5回
- 生後3~6か月:3~4回
- 生後6か月~1歳頃まで:2~3回程度
生後3か月ほどの子犬には、離乳食としてふやかしたフードを与えます。
水分が多く含まれるため、あまり多く食べることができません。
その一方で、水分が多いために消化が早く、すぐに空腹になってしまうでしょう。
空腹が長く続くと胃液を吐いてしまうことになりかねないため、ご飯の回数を増やして対応します。
月齢が高くなるにつれて離乳食から普通のドッグフードに少しずつ移行。
ご飯の回数は減らしていくことになりますが、どの月齢でも栄養不足や低血糖にならないように食べられているか様子を見ましょう。
成犬期:2回
子犬から成長して1歳頃になったら成犬の扱いになり、消化器官の発達も十分になります。
消化器官が未発達であった子犬期のように少しずつ食べる必要がなく、一度にたくさんのご飯を食べられるでしょう。
一般的には生後6か月頃から成長が緩やかになると言われていますが、ワンちゃんの様子を見ながら回数を調整してください。
適正体重を元にカロリー計算や与える量を調整するため、動物病院へ行って体重測定など健康診断を受けておくといいですね。
これまで3回程度与えていたご飯をある日突然2回に分けるのではなく、お昼ご飯の量を少しずつ減らして朝晩のご飯にプラスしていきましょう。
急な変化はワンちゃんにとってストレスになってしまい、体調不良を引き起こす心配があるためです。
全体のご飯の量は減らさずに、回数を減らすイメージで少しずつ朝晩に振り分けてくださいね。
老犬期(シニア犬):体調に応じて小分けに
老犬期に入ったシニア犬は、体調を見ながら食事を小分けにして与えたほうがいい場合があります。
年をとることで消化器官が衰え、うまく消化ができなかったり、たくさんのご飯を食べられなくなったりするため、少しずつ与えたほうが栄養を吸収しやすいためです。
また、犬によってはアゴの筋力が衰えてうまく咀嚼できないこともあります。
柔らかいドッグフードや水でふやかしたご飯を与えると、子犬の時期と同じように一度に多くは食べられません。
そのため、複数回に分けてご飯をあげたほうがワンちゃんにとっても良いでしょう。
犬の健康状態にもよりますが、1日3〜4回に分けて与えると無難です。
犬のご飯時間を決めすぎないほうがいい理由
人間の食事の時間が大雑把にしか決まっていないのと同じように、犬のご飯の時間もきっちり決める必要はありません。
朝・昼・晩のように大まかな時間を決めるのは問題ありませんが、「朝は8時・夜は19時」のように決めすぎるのは避けたほうが無難です。
時間をきっちりと決めてしまうことにより、「この時間になればご飯をもらえる」と学ぶのが賢い犬の特徴。
規則正しい生活ができるように思えるかもしれませんが、反対に、決まった時間にご飯が食べられないとストレスを感じるようになってしまいます。
外出が長引いたり、仕事の関係でどうしても“いつもの時間”に餌を与えられないと、ご飯をもらえるまで吠え続ける「要求吠え」や、空腹が続くことによる嘔吐につながる可能性も。
- 特定の時間にもらえる
- 犬自身が欲しがれば出てくる
ご飯に対してこのような考えを抱かせるのではなく、飼い主のタイミングで出てくるものだと覚えさせましょう。
犬がご飯を食べてくれない理由と対処法
犬がご飯を食べてくれない理由には、次のようなものが挙げられます。
- 食べにくい姿勢
- ストレスを感じている
- ドッグフードを新しくした
- お腹がいっぱい
- 消化がうまくいかず食欲がない
- 偏食・わがまま
- 病気
特にストレスがかかるとご飯を食べられなくなることがあります。
ドッグフードを新しくした時やペットホテルでのお泊まりのようにいつもと違う生活をした時など、ストレスが原因で食べないこともよくあること。
ご飯が食べられない原因となっている事柄を解消してあげることで、食べられるようになるはずです。
元気がなかったり、嘔吐や下痢のような体調が悪そうな様子が見られたりする場合は、獣医師に相談してみることをおすすめします。
犬がご飯を食べない理由や詳しい対処法については「犬がご飯を食べない7つの原因と対処法とは?食べない時に注意すべきこと」で詳しく解説しています。
ご飯を食べない様子が気になったら参考にしてみてくださいね。
犬のご飯は成長に合わせて回数を変えて!
犬のご飯の回数や量は成長に合わせて調整していくのが基本です。
消化器官が弱い子犬や老犬は一度の量を少なくする代わりに頻度を多く与え、元気な成犬は朝と夜の2回程度でちょうどいいでしょう。
「何時にご飯をあげる」ときっちりと時間を決めてしまうと、その時間に与えられなかった時に犬がストレスを感じます。
「大体7〜9時くらいにあげる」くらい大雑把なタイミングで与えるのがおすすめです。
万が一、犬がご飯を食べてくれない場合には、何か原因になる事柄があるはず。
理由を探って解消してあげることで、また食べてくれるようになるでしょう。